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英単語 語源と図解をどう使う? 【読書感想文】 共著者による語源図鑑の解説本

★★★★☆
Amazonでレビューしたものです

「英単語の語源図鑑」(かんき出版)、「英文法の解剖図鑑」(青春出版社)などの出版物で、単語の意味や文法をイラスト図解化してきた著者(すずきひろし)が作った自主出版。
「語源図鑑」を含め、「語源」と「イラスト図解」を使った単語本はいくつか出版されています。でも、「買ってはみたけど使い方がわからない」「その効果はどうなのか疑問」といったような思いの方も少なくないと思います。そういう方のために語源とそのイラスト図解の「使い方」を中心に書いてみました。語源とイラスト図解が入った単語本をどうやって活用したらいいのか、どうやったら単語を覚えられるのか、なぜ効果があるのかが、ご理解いただけると思います。英単語修得のためにぜひご一読ください。
・・すずきひろし(「英単語の語源図鑑」イラスト原案作成者)
【内容】
そもそも「語源」とは何か
本のレビューからわかること
暗記の道具としての語源本の役割、イラストの役割
英単語修得のゴールは
英単語を理解して定着させるプロセス(知識から知恵へ)
大人の記憶力と記憶戦略
多義語の意味が理解できる感覚
類義語の意味の違いがわかる感覚
知らない単語の意味の類推は可能か



1.語源図鑑のデザインの方


英語の学習を再開し、英単語を覚えるにあたって、英単語の語源の本を読み始めました。

まだ頭に入るまでは行っていないのですが、面白い英単語学習法だと思いますし、これで英単語を覚えていけたらな、と思っています。


こちらの本は、この「英単語の語源図鑑」のイラスト原案製作者(実際に書いたのは別のイラストレーターさんだそうで、その原案を作った方だそうです)が、語源学習について書かれた本になります。

イラスト原案の方の本ですが、イラストは少なめで文字は多めになっています。


2.語源学習とイラストでの学習の主張


「英単語の語源図鑑」はヒットした学習本ですが、レビューには批判的なものもあったそうです。
それに対する反論というかで、語源学習についてとイラストについて解説というか追記主張がなされています。

①古英語とラテン語由来

”英単語の中には主に「古英語由来」の語と「ラテン語由来」の語が混在しているからです。
古英語由来の語はtake、give、bookなどの基本語で、ラテン語由来の語は主に12世紀から数百年間フランス語(ラテン語の系統)が公用語だった頃以降に英語になった主に「長い語」です。ラテン語というのはたいてい「接頭辞+語根」というような組み合わせでできています。”

「古英語由来」の英単語は、比較的簡単な基本の単語。
「ラテン語由来」の英単語は難しい単語が多く、「接頭辞+語根」でできているものが多いそうです。
この「ラテン語由来」の英単語を覚えるのに、語源学習が適しているそうです。

ある程度の年齢で外国語を覚える場合、母語を覚えた時のような自然に覚えるというわけにはいかないため、丸暗記よりは理屈で覚えたほうが良いとも主張されています。

②2段階で身に付く

”繰り返しになりますが、英単語を「知っている」のレベルは
(A)「思い出そうとすると訳語を思い出すことができる」「訳語を介して処理する」・・第一段階のゴール
(B)「感覚として身についていて自在に使いこなせる」「瞬間的にわかる」「訳語を介さず処理できる」・・第二段階のゴール です。”

著者は、英単語が身につくには2つの段階があると繰り返し主張されています。

知識として頭に入れる段階が第一段階。
知恵として定着させる段階が第二段階。
専門用語では、シニフィエとシニフィアンというのだそうです。

例えていうなら、

我が家には、私の他に、
頭の上に2つの三角の耳がついて、4本足に尻尾があって毛だらけな体重3−4kgの哺乳動物が3匹います。
この動物を、日本語では、「ねこ」、英語では"cat"と呼びます。

このcatを、「ねこ」に変換した状態を、第一段階。かわいい動物を見て、「ねこ」だから、、英語では、、"cat"だ、と言っている段階です。
そこから知識が定着して知恵になり、直接イメージと結びついたのが第二段階。英語で会話中に上記のかわいい動物を表現しようとして、「ねこだから、」と考えることなく、直接”cat”が出るのが第二段階です。

そして著者は、
イラストでイメージ図解することによって、概念で取り込むことができ、それぞれの段階の英単語の定着に役にたつと主張されます。

3.ちょっと読みにくい


「英単語の語源図鑑」はとても読みやすかったのですが、こちらの本はちょっと読みにくかったです。やっぱり自主出版だからでしょうか。

目次からみにくくて、全体の流れがわかりにくかったです。番号をふってくれると良かったかもしれません。
文章も繰り返しが多くてダラダラした感じで、もうちょっとコンパクトになったのかなと。
スマホで見たからもありますが、図は小さくて老眼には見にくかったです。残念。

どこで語源の勉強に入るのかな、とよんでいたら、語源の勉強の本ではなくて、語源の勉強がいかに有用か、という本でした。


著者:すずきひろし (著)
ASIN ‏ : ‎ B0B2LLTZC8
発売日 ‏ : ‎ 2022/5/27言語 ‏ : ‎ 日本語
ファイルサイズ ‏ : ‎ 5880 KB
本の長さ ‏ : ‎ 114ページ

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