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<ブルックリン文化風俗アーカイブ記事>90sヒップホップマニア垂涎のストリート・アート展示に家族で遠足した時の回想録

(注:あちこちに書き散らかしてきたものをnoteにまとめる作業をしています。記事内の出来事と投稿とのタイミングがズレているものも多々ありますのでご了承ください。)

現時点でまだ西海岸の大学に在学中の息子は年に3度帰省する。
夏休みと感謝祭、それからクリスマス休暇。基本的に全米(海外に留学中の仲間も含め)に散らばってる仲間たちと集まったり、「ベイエリアは健康過ぎてナイトライフがイマイチ」ということで、NYにいる間はやたら夜のクラブ活動が忙しい。西海岸ではなかなかありつけないカリブ料理に舌鼓を打ったり。数年前の夏休み、そんな多忙な息子の首根っこをつかまえて「Beyond The Streets」というストリートアートの展示会に行くぞ!と無理やり家族の時間を設けたお母さんの自己満足過多な1日の回想録です。



大学から帰省中だった高校時代の仲間たちがそれぞれの大学に戻り新学年が始まった今ごろになって、社交・パーティースケジュールの落ち着いてきた息子を交えたファミリータイム。夏休みは中学から高校時代の夏休みを過ごしたメイン州のサマーキャンプで8週間泊まり込みのバイト、その直後にトロンボーンの恩師のハウスシッティング+ドッグシッティングの泊まり込みバイトだったので、実家ライフはせいぜい2週間。

当時グラフィティがどれだけ嫌われていたかがよくわかる。「グラフィティライターは意地悪で残酷、自分にも他人にもリスペクトがない」ってすごい言いがかり(苦笑)

で、ようやく念願のBeyond The Streetsへ。
家族が揃うのを待ってたのでこのタイミング。あそこまで巨大なスケールの展示とは思わなかったわ!途中で中抜けして近くのスモーガスバーグで腹ごしらえしてまた戻って2フロア制覇。

旦那もアーカイブ好き(という名のホーディング)なので、うちにも往年のパーティーのフライヤーや90年代のラップ名盤とMTAのメトロカードがコラボしたやつ(Gangstarrとか)が結構あるのだが、「このパーティー俺も行った!」とか「俺の方がマニアックなフライヤー持ってる」とかいちいちうるさい。

BKとBXのグラフィティのスタイルを融合したきっかけが、それぞれのボロー出身のグラフィティライター(男女)のロマンスだった、というのは有名な話なのかな?90年代半ばからNY通いを始めたけど、それでもギリギリ見覚えのある有名ライターのタグ秘話とかも知れて興味深かった。

郷愁に目頭が熱くなるアイテムばかり。


いわゆるBボーイ文化としての、っていうよりは、ビースティーズ登場以降の展示のボリューム感がすごいという印象。そもそも展示の名前がBeyond The Streetsだしな。「グラフィティ時代を経て今がある」的アーティストの作品がたくさん。とくにLAの日系アーティスト=Gajin Fujitaの作品に惚れ込んでしまった。ほしい。金持ちになったら好きなアーティストに大金払ってオリジナルアートを描いてほしくなる気持ちがよくわかった。

LAの日系アーティスト、Gajin Fujitaの作品。好みです。


ほかにも、Youtube 登場以前の、ブレイクダンスのハウツー本(ペラペラ漫画みたいなコマ送り写真+解説文。あれ見て踊れるようになったBボーイ・Bガールがいたら是非話を聞いてみたいものだ)が置いてるような往年のレコード屋の再現ショップ(ビーパー/ペイジャー/ポケベルとかあって白目w)があったりとか、懐かし楽しい時間を過ごしましたよ。

動画が一般的ではなかった頃の苦肉の策。

時系列でグラフィティ・アートがグローバル化していくのを辿る、という趣旨はわかりやすいし、数々の海外のアーティストの作品が展示される中、日本のアーティストのものに関しては(村上隆のグラフィティとか)、「オリジナルを凌駕するくらい真面目にやっちゃう日本人の性質」についてのキュレーターの一考と共に独立したセクションまで作られてたり。

Pディディなどを輩出したアメリカを代表する黒人大学=ハワード大学のホームカミングはレジェンダリー。アウトキャスト、ウータン、フォクシー!在校生じゃなくても東海岸のパーティーピーポーは毎年楽しみにしていたそうで。当時は旦那もBKから友人とわざわざ駆けつけていたとか。

私以外の家族は生まれも育ちもブルックリンという、生粋のブルックリンっ子になるわけなんだが、彼らと一緒にすっかり様変わりしたウィリアムスバーグで、スモーガスバーグでマンハッタンの摩天楼を背景にインスタ映えする写真〜、みたいなことを全力でやってる観光客を掻き分け、地元のNYカーでさえもそんな無理やりなJウォーキング(横断歩道のないところで道路を横切る行為)はしないよ、みたいなオラオラ感で突き進む、テック系とかウォール街にいそうなイケイケミレニアル(休日でもパタゴニアのベストが制服)を轢きそうになったりしながら過ごした時間は貴重でした。

最近のこの手の展示はグッズが豊富で楽しい!


展示の最後のショップの充実っぷりにコーフンして、思わずラメルジーのアートをあしらった紫のフディゲット。息子はレペゼンウェッサイ〜(期間限定)、ということで、Estevan Oriolの写真のやつ。お店の人によると、展示が終わったらオンラインショップにアップするとのことなので、行けなかったけどグッズは欲しい!という人は要チェック。アディダスとコラボのステッカーとか超可愛かったよー。

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