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コンクリートジャングル

緊張の一大イベント、アメリカの社長令嬢円安豪遊ツッ…
いえ、日本観光ツアーが無事終了し、ほっと胸をなでおろしています。

台東区ならばコンパクトに日本が味わえるだろうとツアーを開始しましたが、残念ながら彼女が唯一興味を示してくれた「ニッポン」は、「道を歩く子どもの行列 (アメリカは危険だからありえないのだそう)」と「GOOD LOOKING GUY (人力車) (YOUは叶姉妹かーい!)」だけでしたが、なんとも気取らない、朴訥とした、されどユーモラスな方でした💛

音楽の話になった際にBLUE NOTE TOKYOで山中千尋さんを観たんだよ、と話したら「BLUE NOTE TOKYOはNYのBLUE NOTEとまったく同じに見えるね!NYに来たら案内するからね!」と色々話してくれました。ああ、違う立場で出会っていたらお友達になれたのかなあと少しだけ寂しくなったものでした。

しかし彼女は「Singaporeのgavament relatedなfinancial institutionで働いてるんだけどめっちゃくちゃboring」 (ぱる超訳:シンガポールの政府に関連した金融機関で働いているんだけどめっちゃブルシットジョブまじ退屈)みたいなことを言っていたので、やっぱりご令嬢と下々の者では生きている世界が違い過ぎてお近づきにはなれなかったかも知れません。(笑)


さて、そして今日は今週のラスボス…笑気麻酔を使っての歯医者でした…。

嘔吐反射が酷い私は奥歯の型どりすらままならず、遂にドクターから「静脈内鎮静法をつかいましょう」とシリアスな顔で言われていたのですが、まずは笑気麻酔から試してみることになったのです。ネットを見ていると「酒が強い人には効果なし」とか「死にかけた」とか様々な体験談がでてくるもので、笑気麻酔とは一体どんななものか恐怖でガチガチ。せ、せめて永遠に大音量で山中さんを、いや、Slipknotでも良い…!曲をかけていて欲しい…!バラードじゃなくて、アグレッシブなやつ!キーンが聞こえないくらいに。逃げたい。。。


しかし、実際の笑気麻酔の効果は想像以上でした。
ストロングゼロを3本飲んだ後のような浮遊感で、ゆるやかに視界が回る。思わずここは天国かと思いました。(※地獄の歯医者です)鼻にマスクをつけて麻酔を吸い続けての治療になるのですが、案外苦しくありません。自然と脱力してきて、思わず携帯を落としそうになる。嘔吐反射も殆ど出ませんでした。びっくり。もう十分は治療したかなと思って時計を見ると、一時間経っている…。

「麻酔を切りましたよ。大丈夫ですか~フラフラしませんか~」と小柄な先生の美しい二重が目前に現れた時には、思わず「なんだ…どこにも桃源郷はあるではありませんか…」と見とれそうになりましたが、その瞬間わずかに残った成人女性としての正気を取り戻し、「フラフラしません!大丈夫です!」と大ウソを吐いて待合室へさっさと退散したのでした…。


…と、私がこんなに呑気な投稿をしている時に、山中さんが戦争に深く胸を痛める投稿をされておりました。

世界中を訪れて、様々な立場の方と出会い、爆撃の音すら耳にした山中さんにとって、戦争はまさに実際に目の前で起きていることの様に感じられているのだとライブでお話を伺っていても深々と感じます。遠い世界の他人ではなく、仲間、家族、友達が傷つけられていることと同じように感じられているのだと思います。私は山中さんのことを本当に尊敬します。


対して私は、地を這う、下々の私は、恥ずかしながら「目の前」のことばかり。

社長令嬢を迎えに、見たこともないようなゴージャスなホテルのロビーで待っていた際、本当に色々な国の人が出入りしていました。日本人は、全くと言ってよいほどいません。心なしか、交う人々が此方を見る目も冷たかった。私の住む世界のランクが分かるのでしょう。品のない女男だと思っているのでしょうね。


米国から来た大名たちが支払いをもつからと「一流」(笑)のレストランへ会社で行けば、やはりそこにも日本人はいない。みんな外国の人たちです。あるホテルも、レストランも、そうそう私たちの多くには手が届きません。アメリカではディズニーランドがチケットだけで5万円以上、映画は1万円するそうです。1ドルではもうなにも買えないのだそう。

でも、私は、「いつの間にコンビニのおにぎりやパンがこんなに高くなったのだろう」と驚いています。1ドルなのに。今だって安すぎるくらいの牛丼だって、それなりに高いと感じます。

この国の、特に女性の給与の中央値を見ると胃が締め付けられます。それに、経済的な問題だけではないですね。DVやモラハラの悩みは毎日のように耳に入れば、パワハラや精神疾患の話も、身近な問題は、もう枚挙にいとまがありません。今、かろうじて平均台の上を歩いていたとしても、まさに明日はどうなることか分からない身です。恐らく私だけではなく、相当数の方がそうなのでしょう。女性だけではありませんね。


私がひりひりと感じているのはこういったことです。

よく「社会の歯車」だなんて言い方をしますが、歯車がどれだけSpecialなことか。本当に楽な仕事などありませんよね。

私は一社目が比較的「3K」の業界、所謂「底辺」的な世界と紙一重で、研修でハードな工場で作業着を着て友人の内定先のゴミを回収したこともあったのですが…思えばあの時間が、自分のつたない職業観、社会観を修正してくれたのかも知れません。一粒の社会の歯車であれることが、どれだけ難しく立派なことか、最初の職場が教えてくれたのでしょう。前職のことは、いつかゆっくり書きたいものです。


なんだかとっちらかってしまいましたが、要するに、わーくにの、目の前に迫っている問題に、わっちは気がいっちまう。今日の自分が平均台に乗れているからって、難題を抱えている人々に「自己責任」をつきつけるような、そんな想像力のない生き方は、もうやめようよ、と思ってしまいます。戦争に想像力がないくせにね💦

きっと雨の日も風の日も、手をつなげた方が楽しいのにね。

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