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【日記】未回収/2022年11月29日(火)

 朝起きて、いつものように何気なくテレビのチャンネルを繰ると、WOWOWの次の番組が『ひとよ』と表示されていた。
 かねてから観たいと思っていて、U-NEXTでお気に入り登録してあった映画だ。録画や配信頼みもいいが、こうして出合う“一期一会”の方が案外、性に合っている。というわけで、そのまま観始めた。
 田中裕子、鈴木亮平は安定の名演。佐藤健は得意な役回り。なんといっても松岡茉優にすっかり魅せられた。もちろん、筒井真理子さんの名サポートぶりもいつもながらなのだったが。白石和彌監督による人間の情念の映し方、演出は癖になる。そして“未回収”の話があるのもとても好きだ。
 近年、「伏線回収」なる言葉が大流行だが、人生なんて未回収だらけ。そんなに簡単に回収されてたまるか、って思うのだ。

 それにしても松岡茉優だ。すっかり興味が湧いてしまい、FODで『ボクらの時代』の過去登場回(2015年5月3日放送)を視聴。高校の同級生だったというももいろクローバーの百田夏菜子、家入レオとの当時20歳のトリオトークはそれはそれは賑やかだったが、ふと入り込むそれぞれの真剣な思想に惹きつけられた。

 読みかけの『岸辺の旅』にぐいぐいと一気に目を走らせて読了。彼岸と此岸をたゆたう不思議な物語だが、心を落ち着かされ、癒される。映画では深津絵里が演じた瑞希とともに、読んでいるこちらも少しずつ“再生”していく感覚があった。著者・湯本香樹実さんは、東京音楽大学音楽学部作曲学科卒だそうだが、どおりでリズムを取れる文章なわけだ。
 こちらも読む人によっては“未回収”の作品なのだろうが、誰が読んでもわかるような“回収”は必要ないと自分は思う。

 娘のライブ配信9日目(トータル14日目)。期末テストの話、ワールドカップの話を経て、今日の歌はTWICEの『Wishing』とAIの『Story』。
 さすがにAIは知ってるぞ。個人的には『アルデバラン』が好きだ。もちろん『カムカムエヴリバディ』にハマっていた口。いまだにふかっちゃん(深津絵里)とオダギリジョーの表情を思い出しただけで涙が浮かんでくる。

 ワールドカップの会場で、日本人サポーターが試合後、スタンドに残るゴミを回収していることが世界中で話題となり、その輪が他国のサポーターにまで拡がっているという。それは素晴らしいことだ。が、回収せずともゴミのないスタンドが理想だろう。
「彼らが回収することは清掃する人たちの仕事を奪う行為だ」という批判もあるそうだが、こんなめちゃくちゃな論理、あるか? それって「警察の仕事がなくなるから犯罪を犯す」という論理と同じではないか。まったく馬鹿げてる。

 

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