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Day117→やっぱり山田うどん。

北関東ローカルの話で恐縮。

1月も中頃となり、もう一度正月休みが来たらいいのにと思う今日この頃。皆様いかがお過ごしだろうか。流行病も依然として猛威を振るっているようだ。どうぞご自愛ください。

さて、本題。本当は違う書評を書こうと思っていたのだが、こちらを優先させてしまった。また後まわしになってしまうのだけど、重版が掛かっているそうだから大丈夫だろう。また次回にでも。

皆様は「山田うどん」(正式には「ファミリー食堂 山田うどん食堂」)をご存知だろうか。一度、山田うどんについてのnoteを投稿したことがあるが、だって、そこら辺のうどん屋だろ、とお思いの方もいらっしゃると思う。

ええ、まあ確かにそこら辺のうどん屋には違いない。しかし、しかしだ。「埼玉発祥の只のうどんチェーン店」が、何故か局所的に熱く語られているのである。

皆が知るような全国チェーン店、しかも、企業とタイアップしたムック本だったら分からないじゃないが、企業をテーマにしているのに、著者が自由に書いている普通の単行本として出てるんだからタダ事ではない。

今回発売された「愛と情熱の山田うどん」(河出文庫、2022年12月6日発売)は、山田者やまだもの(山田うどんのファン)として知られるライターの北尾トロさん、えのきどいちろうさんの共著。

この本は、10年ほど前に発売された単行本、「愛の山田うどん」「みんなの山田うどん」の2冊を文庫にまとめ、書き下ろし部分を加えた1冊。しかも、単行本には武田砂鉄さんも編集者として携わっていたとのこと。

実は、単行本が出た当時は山田うどんの事を知らず(もちろんこの2冊を読んでいない)、北尾さん、えのきどさんが熱く語る山田うどんはそんなに凄いのか、と驚愕したことがある。

ちなみに私は、「みんなの山田うどん」に収録されている「山田うどん小説」の「おまえじゃなきゃだめなんだ」(角田光代さん著)が、TBSラジオでラジオドラマ化されたのをうっかり聴いたのが山田を知ったきっかけ。

※この山田本に掲載された作品は、角田さんの短編を集めた文庫本「おまえじゃなきゃだめなんだ」に再録されている。

普通といえば普通なのだけど。

今回出た「愛と情熱の山田うどん」のサブタイトルとして、「まったく天下をねらわない地方豪族チェーンの研究」とある通り、山田うどんの本社は埼玉県所沢ところざわ市。埼玉を中心に関東6県に出店している。

かつては東京都内にもあったのだが、唯一残っていた蒲田店は2020年5月に閉店してしまった。この本によれば、1970年代には東京都内にも数多く店舗があったようだ。

それにしても面白いのは、山田うどんを運営する「山田食品産業」は社史が編纂されていないようで、「研究本」でありながら、事実上の歴史を語る本でもあるというところ。後世に残して欲しいものである。

書き下ろしの「アルカイック山田」「埼玉タンメン 山田太郎」も興味深く拝見。なぜ新しい業態がタンメン店で、名称が「山田太郎」なのかも謎が解けた。ぜひ一度、「埼玉タンメン 山田太郎」に伺ってみたい。

現在(2023年1月)のところ、最寄りが越谷こしがや市。今のところ越谷レイクタウン(超大型ショッピングモール)にも用事無いしなー。ほんの一時だけ越谷市民だったのはここだけの内緒。

この本には書かれていないが、実は茨城も麺類が盛んで、ご当地料理として「つけけんちん」というのがある。これは、熱々のけんちん汁(芋がら入りが特徴)に、茹でた麺をつけて頂くもので、かなりポピュラーな逸品。

かけそばのように、味噌仕立てのけんちん汁(麺類の汁なので濃いめの味付け)にそばが入っている「けんちんそば」も当地ではメジャー。当然ながら、ご当地系なので山田うどんでは扱っていない。

私が足繁く(といっても月イチ程度だけど)通う山田うどんは、普通に美味しいし、毎日でも飽きないと思う。ただ、近くに無いので通えない。何かと外食産業が厳しいご時世ではあるが、新店を期待している。

ラジオパーソナリティのバカボン鬼塚さんがボーカル&ギターを務める「かかし」の曲、「山田うどんの歌」を貼って締めとする(CMソングとして使われていたこともある)。私は、これからも山田うどんを応援したい

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「エッセイのまち」でもお馴染み、ハスつかさんもあの激レア山田を訪れていたようだ。浦和競馬にも近い「南浦和店」は、既に閉店。かつて一時期、あの辺りで仕事してたことがあるんだけどなー。返す返すも残念。

ヘッダ画像は「鶏肉の和風カレーそば」。山田うどんではカレーも扱っているが、和風出汁の旨みとカレーがマッチしていて、これが美味い。量は要らないけど、山田うどんに行きたいときは大抵コレだったりする。

鶏肉の和風カレーそば(650円)。少しだけ辛口。

チェーン店だけど、店によってかなり雰囲気が違っている、個性的な山田うどん。最近はファミリー層にも力を入れているので、入りやすいのではないだろうか。私の激推し。もちろん回し者ではない。

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補足。全国の讃岐うどんチェーンで、「はなまるうどん」は香川・高松が創業地。丸亀製麺は兵庫県なので何となくゴニョる。

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