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【3分図解】M&A総合研究所の強さと成長可能性

注目のビジネスを図解で分かりやすく解剖する「ビ図解剖」シリーズ

とあるスタートアップで事業責任者をしているビズデイブがお届けします。

今回は、6月28日に東証グロース市場に上場するM&A総合研究所を解説します。

なんと2018年創業。超スピード上場の同社。

佐上CEOは31歳にして2社目のexit。(1社目はメディコマの売却)

これからも市場の急拡大が期待される国内M&A領域。そんな市場でスピード成長した同社の業績やビジネスモデル、強みを図解します。

前年比2倍以上の圧倒的な成長率

M&A総合研究所は2018年の創業以来、まさに超速で業績を伸ばしてきました。

2022年は第2四半期時点ですでに売上高17億円。単純計算で今期は35億円を超えるでしょう。この規模で前年比300%に迫る成長率は圧倒的です。

成長に合わせた急激な組織拡大

後ほど解説するM&A業界のビジネスモデルでは、M&Aアドバイザーと呼ばれる専門家が必須。

業績の成長と比例するように当然組織も急拡大しています。

公式Webサイトを見ると仲介アドバイザーの方の前職は①日本M&Aセンター等の同業、②銀行証券、③大手法人営業(キーエンスが圧倒的に多い!)。

リファラルで一気に採用していったものと思われます。

件数、単価どちらも成長

売上の内訳を見ると、M&Aの件数はもちろんその単価も大きく伸ばしていることが分かります。

直近では1件あたりの成約手数料は70百万円以上。組織の成長とあわせて扱う金額の規模が大きくなっていることが分かります。

ビジネスモデルと強みを解説

ここからはM&A総合研究所が急成長できた理由を見ていきます。

まずはビジネスモデル。M&A総合研究所のマネタイズポイントは次の3点。

  1. 基本合意書を結んだ際の買手候補からの中間報酬

  2. 最終契約における買手からの成功報酬

  3. 最終契約における売手からの成功報酬

着手金は取らないモデル

Ⅰの部の記載事項によると、通常発生するアドバイザリー契約時の着手金を取らないのがM&A総合研究所の競争力につながっているとのこと。

競合他社ではアドバイザリー契約の締結時に着手金を収受し、成約までの途中段階で中間報酬(成功報酬の内金)を収受する報酬体系が採用されることがありま す。

新規上場会社情報「Ⅰの部」

業務のデジタル活用とAIマッチング

着手金を取らなくても高い利益率を確保できる理由が、業務のデジタル化とAIマッチング。

M&A業界では案件の探索から契約締結までまだまだ紙をベースとしたアナログ業務が多く残っています。

「Ⅰの部」によるとそれらをデジタルで効率化。さらに独自開発のAIマッチングシステムを使うことにより適切な買手候補をスピーディに見つけられると述べられています。

AIマッチングにより成約期間が短くなると仲介アドバイザーも多額の成功報酬を獲得できるチャンスが多くなるので、それが優秀人材の確保にもつながっています。

※AIマッチングアルゴリズムは自社開発との記載がありますが、エンジニア人員的にどこまで専門的なシステムなのかは読み取れませんでした。

M&A総合研究所の成長可能性

これまで解説したように超スピーディに成長してきたM&A総合研究所。

上場後の成長可能性について解説します。

業界のなかでは既にトップレベル

全国のM&A仲介業者は約370社。

そのうち、中小企業がM&A専門業者と認めているかつ30名以上のM&Aアドバイザーが在籍する企業はたった7社。

M&A総合研究所は創業4年にしてすでにその7社に入っています。

M&A業界のTAMは確実に拡大

後継者不足が叫ばれる日本の中小企業。

2025年に70歳以上になる経営者は法人で93万、個人事業主で152万と言われています。

今後譲渡企業が増えるなかで業界としてのパイがさらに増えることは確実です。

まず目指すのは業界大手

M&A専門業者として有名なのが日本M&Aセンター、M&Aキャピタルパートナーズ、ストライクの3社。

業績的にはまだ遠く及びませんが、成長率はM&A総合研究所がずば抜けています。

拡大する市場とともに、M&A業界でのM&A総合研究所のポジションもさらに高まっていくことが予想されます。

今後の成長可能性を見極めるためのポイント

今後の成長を予測する上で、注目したい点は以下の通り。

  • 継続的に競争力のある人材を採用し続けられるか

  • 急拡大する組織が空中崩壊しないか

  • 「AIマッチング」の優位性が継続確保できるか

  • 地銀などのパートナーを拡大していけるか

なお、M&A業界としては両手取引(買手からも売手からも手数料を取る形態)の是非が注目されるところ。

いずれにしても、国内のM&A市場は確実に伸びると言われる業界。

やはり会社としての魅力を高めて既存トップ企業等から経験者をどれだけ採用し続けられるか。育成できるかが今後の成長の肝になってきそうです。

「ビ図解剖」これからもやっていきます


以上、ビジネスを図解で解剖する「ビ図解剖」も交えてM&A総合研究所のビジネスモデルや成長可能性を解説しました。

新しいビジネスや流行の事業を知ることで、会社も個人も成長できます。

今後も「ビ図解剖」を中心にビジネスを分かりやすく解説しますので、参考になった方はぜひ「いいね」やフォローをお願いします。

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