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レンタルオフィスで息抜きをしていたら知らない間に恨まれていた話

これは一社目を創業して間もない時の話です。
ブース型のレンタルオフィスを借りている人、またはそういうところを借りて起業しようと思っている人向けの情報になります。

「どこで法人登記をしようか」と探している時に、比較的大きめのレンタルオフィスサービスが新宿にオープンすることを知ったんです。
直ぐにそこの運営会社に連絡を取り、見学するために現地へと出向きました。
オフィススペースに入ると、そこはとても広く、誰もいない静かな空間の中には、真新しいブースが数百ほど並んでいました。

「今なら何処でも好きな場所を契約できますよ」
「ちょっと大き過ぎるところを借りちゃったので、席を埋めるのに必死なんです」
「実のところ、まだ誰も契約決まってません……」

そんな担当営業の泣き言を聞いたこともあって、「ここでいいよね」とパートナーに確認を取って、窓側の一番奥の角のブースを3席分を仮契約しました。
それから数日が経ち、税理士に丸投げしていた法人登記も無事に終わったので、本契約のためにレンタルオフィスへと赴きました。

数日ぶりにオフィス空間を覗くと、前回見なかった利用者の姿がちらほらと見えました。
とはいっても片手で数えられる程度で、端の方からポツポツと席が埋まっているような状況です。
「まだまだ新規契約を頑張って取らないと厳しいだろうな」と思いながら契約ブースに近づくと、私が契約した座席の目の前に一人の男性が座っていました。

「えっと、よろしくお願いします。近々ここで仕事始める予定のびじさばと言います」
そんな無難な挨拶と簡単な自社の説明をしたところ、男性は連続企業家として色んなWEBサービスを手掛けているとのことで、「何かしらの協力関係が築けるかも」という会話で自己紹介を終えました。

そこから更に日数が経ち、レンタルオフィスの利用者も少しずつ増え始め、静まり返った空間も徐々に賑やかになっていったんです。
向かいの男性と私は席は近いものの、ブースの作り的に頻繁に目を合わすような環境ではなく、お互いが立つ時に偶然顔を合わせることがあるくらいでした。
分かりやすく言うと、木の板を二枚挟んだ一番近い社外の人みたいな感覚です。
また、自席に辿り着くまでの通路も別々なため、普段挨拶を交わすような関係性ではありませんでした。

当時、私は前職の仕事をそのまま引き継ぐ形で事業をスタートできたので、起業直後の必死さとかは全くなく、サラリーマンと同じような気持ちで業務を行っていたんです。
で、パートナーとの連絡もオンラインゲームのチャットなどで済ませていたのもあって、かなり緩い感じで仕事をしていたんですよね。
ちなみに連絡ツールがゲームだったのは私のせいではなく、パートナーがそのゲーム以外の連絡手段だと全く反応がなかったためです。

レンタルオフィスを契約したのにも関わらず、ほぼパートナーは出社しません。
出社したとしても夕方近くになることがほとんどで、ほぼ新宿にご飯を食べにくることがパートナーの目的になっていました。
そんなこともあって、周りからすると一人で遊んでいるように見えちゃうんですよね。
ゲーム開発会社とかなら説明もつきますが、ITシステム会社を名乗っているのにデュアルディスプレイの片面は常にゲーム画面なんです。

「仕事中に遊んでるの?」と近所のブースの人に何回言われたことか……。
日中は連絡ツール、休憩中と勤務時間外はゲームみたいに使い分けてはいましたが、そんなの周りからは分かる訳ありませんよね。

ちょっと話が変わりますが、よく仕事中に独り言を呟いている人いませんか。
私もそのタイプの人間で、よくこんなことをボソッと呟くんです。

「あっ、ミスった」
「失敗だね、コレ」
「はぁ~」
「なんでそんな動きになるかな」
「全然わかんない」
「そんなので上手くいくわけがない」

気付きましたか?
これは私のゲーム中のぼやきです。
仕事のぼやきも多少入ってます。

そんな呟きをしながら、レンタルオフィス契約が3ヶ月くらい経った頃、オフィスの出入り口で自席前の男性と目が合ったんですよね。
「こんにちは」と笑顔で挨拶したんですが、彼の目は完全に怒っていました。
そして詰め寄られ、こう言われたんです。

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