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全国の仲間たちと共に前進した1年。日本一高齢化が進む県の介護施設が、2020年に取り組んだ3つのこと

こんにちは!あきた創生マネジメント代表の阿波野です。

早いもので、2020年も残りわずかとなりました。今年度は特に新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、変化と挑戦の多かった1年でした。

私たちが取り組んできたのは、「関係人口増加によるファンづくり」「ICT導入による業務効率化」「人口減少が進む秋田県での働き方改革」の3つ。まだ道半ばではありますが、全国の仲間の力を借り、成果が出てきました。

さまざまな取り組みが並行して進み、「何をしたいのか」がイメージしづらい人もいると思いますが、これらのゴールとして次の言葉を掲げています。

人口減少社会において、介護経営をリデザインする

今回のブログでは、このゴールを自身の中でより具体化する意味も含めて、当社の1年間の取り組みをまとめてご紹介できればと思っています!

1.関係人口増加によるファンづくり

介護業界の人材不足に、これからどう向き合うか――。高齢化率が日本一の秋田県で事業を展開する弊社にとって、これまでの雇用関係に縛られず、多様な人材に関わってもらい人手不足に対応することは重要な課題でした。

この課題解決に向けて一番活用したのが、介護施設とすきま時間ワーカーのマッチングサービス「スケッター」です。介護の未来について全国の仲間とZoomで意見交換会をしただけでなく、昨年開催した夏祭りでは約10人のスケッターが関東圏から秋田に来てくれました。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染拡大で、施設業務を体験いただくことが難しくなりました。

その状況下でも、今年はZoomを通じた利用者様とスケッターの交流、遠隔地からでも参加可能なオンラインイベントを企画することで、まずは「施設を知ってもらうこと」に取り組み、情報発信を続けました。その結果、7月には茨城から秋田に移住したスタッフが生まれ、求人を出していなくても「働かせてください」という連絡をもらうまでになったんです。

また、学生の皆さんに介護の現場を少しでも体験いただけたらと思い、実施したのが「福祉留学」です。福祉留学は、NPO法人Ubdobeさんが運営する、学びと地域課題解決を掛け合わせた新しい留学制度。この制度がきっかけで、3月に山梨県の大学に通う学生さんが1週間秋田に訪れ、実際に施設の仕事を体験や現場スタッフとの意見交換を行ってくれました! 

新型コロナウイルスの影響で2回目の受け入れは中止になってしまったのですが、来てくれた学生さんとは今でも交流が続いています。

その他にも、新たにインドネシアから技能実習生3名のスタッフを受け入れました。祖国を離れ、日本の介護を学ぶために働く彼女たちですが、利用者様や働くスタッフに対する思いやりの心、他者の良いところを吸収する姿勢から私自身も学ぶことが多いです。来年度も新たに3名を受け入れる予定なので、今後も多様性のあふれるスタッフ同士が、お互いに気づきを与え、成長していけたら良いなと思っています。

2.ICT導入による業務効率化

人材不足が深刻になっている介護業界において、現場スタッフの負担を減らすためには、ICTを導入して業務の効率化を進めることも求められます。

当社では、「ケアコラボ」や「介護サプリ」といったツールを以前から導入してきました。今年、特に注力してきたのが専門家へのオンライン相談サービスの活用や、ZoomやLINE WOKSを活用したコミュニケーションです。

オンライン相談サービスは、法律や医療などの専門家とパートナー契約を結び、チャットで遠隔地から気軽に聞けるもの。医療などの専門家が不足する秋田県において、信頼できる専門家に何気ない質問ができ、迅速に回答いただけることは、私自身やスタッフのストレス軽減や安心につながりました。

また、Zoomによるオンライン面会や傾聴は、新型コロナウイルス感染拡大で面会制限の中、利用者様の孤独を軽減できたらと考え、試みました。対話の方法など、課題はありますが、今後も活用方法を考えていきたいです。

その他にも、印象的な取り組みとして挙げられるのが、「看取り」におけるLINE WORKSの活用です。一生の最後を迎える利用者様を支える看取り介護。利用者様の残された時間への判断が必要な場面において、ご家族様のストレスや不安を少しでも軽減できたらと思い、ご家族様と弊社スタッフのコミュニケーションツールとして導入しました。

双方がいつでも相談や意見交換し、様々なアイディアが生まれたことで利用者様に喜んでいただけたことなど、印象的な場面が多々ありました。

3.人口減少が進む秋田県での働き方改革

地方では、介護以外にも多数の業界において、働き手の不足が課題となっています。この課題解決に大事と考えているのが「人材シェア」の概念です。

正社員として1社で働くという慣習に縛られず、多様な働き方を取り入れることが、働き手や企業の成長につながるのではないか。このように考え、誰もが自分らしく、主体的に働ける環境作りを秋田に普及させるため、一般社団法人「シェアラボあきた」を7月に立ち上げました。

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▲シェアラボあきたで掲げたビジョン、ミッション

まずは弊社が経営している4つの施設の中で、人員が足りないところや、スポットでの手伝いを必要としている業務に対して、シェアラボあきたからの業務委託契約で複業を可能にするための仕組み作りを進めています。

今後は、弊社と違う仕事で自己研鑽に励んだり、家庭の時間を大切にしたりするために、週3日~4日勤務を選択できる環境にしたいと考えています。複業を通してさまざまな経験をし、人生の価値観が広がることで、利用者様とのコミュニケーションも深まり、介護の質も高まると考えています。

一方で、肝心の複業実践者を受け入れてもらう企業が増えなければ、この取り組みは前に進みません。そこで、12月にはみらいワークス様と業務提携をおこない、副業プラットフォーム「Skill Shift」の普及を県内で進めることも発表しました! 人材不足の対応だけでなく、関係人口の創出をきっかけに、人と人との繋がりから生まれる「豊かさ」を秋田で育んでいきたいです。

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▲シェアラボあきたとSkill Shiftの業務提携に関する内容

さまざまなプロジェクトに挑戦しましたが、これらは全て「人口減少社会において、介護経営をリデザインすること」に繋がっていると考えています。

特にこの1年は、スケッターや外国人技能実習生の採用など、施設に関わる方々の多様化が進む中で、それぞれの価値観を受け入れ、柔軟に対応するための人材育成やチームワークの大切さを考えさせられた年になりました。

まだまだ道半ばですが、介護をより良くするために、来年はさらに多様な働き方が可能な環境作りを進めていきたいです。その取り組みが、人口減少の中でも自分らしさを忘れずに働ける未来につながればと思います。

これまでの実践や今後の取り組みについては、年明けの秋田魁新聞にも掲載される予定です。ぜひ県内の方は見ていただけると嬉しいです!

上記のテキスト内容をVYONDアニメーションしたバージョン↓をぜひご覧下さい(^人^)

今後何か一緒に取り組みたいと思ってくださった方、また取材や採用に関する問い合わせをしたい方は、Twitterかメールアドレス(rin.sousei.saiyo[アット]gmail.com)まで、ご連絡いただけたら嬉しいです!

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