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「逃げても良い」もある。

4月。
ここへ来て退職代行サービスが多忙と聞きました。

ずいぶん以前の話です。
知り合いからため息混じりの呟き。

入社式を終えたばかりの新人くん。
勤務初日で退職した。

それを聞いた瞬間、
「若いねぇ! 見上げた行動力だ!」
ハハハ!🤣 思わず笑った私。

知り合いは言った。
バカを言っちゃイケナイよ。
総務なんて大変なんだから。

そうだろうなぁ。

知り合いは言った。
右も左もわからない状態から、イチから教えて、〝やっと何とか仕事らしいことが出来るかも知れない頃〟に辞められるよりはマシかなぁ…。

なかなか遠回しな言い方が記憶に残った。

やっと何とか…仕事らしいことが出来るかも知れない、
いゃ、その先もなかなか任せられる程まで成長出来ないかも知れない。
でも、教えなければならないのだ。

やっと仕事ができるようになった頃に退職となれば、それまで教育した時間や労力は徒労に終わる。

ダメージ大きいよね。
学生を社会人に育てるのって大変だよね。
すると「だから中途採用の方が即戦力でって言われちゃうんだよ。
でも会社の将来も考えなくちゃさ…」と、知り合いが言った。

何はともあれ、そのくらい機敏な…短慮な?…判断が出来るなら、
その能力を遺憾無く発揮出来る、言わば適材適所があるだろう。

・・・・・

その一方、煩雑な仕事を抱え、相談出来る相手なく、ひとり業務に追われ、
ついには自らの命を絶ってしまった人も、私は知っている。

彼は勤勉だった。
そして彼がそれほどまでに悩んでいたことを。
追い詰められていたことを。
私も、誰もが、気づかなかった。

そして、私も、誰もが悔いた。
涙した。

・・・・・

子育て中に、
世間に迷惑をかけなければ、何をやっても構わない。
自立して生きて行けるように育ててます。
と朗らかな親の話を聞く。             

ただ、命より重い仕事などないんだよ。
それほどつらい仕事なら逃げても構わないと思う。

「逃げても良いんだよ」も、教えて良いかも知れないと、思う。

・・・・・・・

今日は theroadcontinues さんの、
まさに逃げて!の「非常口」の画をお借りしました。
ありがとうございました。

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