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スーパースターじゃなくてもいい。一人ひとりの役割に意義がある

2023年のスタートにあたり、ビットキーCEO・江尻祐樹は年始のキックオフで「Five Star」を全社のテーマに掲げました。そのなかでも特筆すべきなのが“Hand in Hand”こそ最重要であるという点です。
世界情勢が目まぐるしく変化するなか、事業の急成長を踏まえ、ここからはステークホルダーへ本質的な価値を届ける「五つ星の名店」のような星がつく仕事を行うことを宣言しました。

このメッセージに盛り込まれた“Hand in Hand”は、ビットキーが創業1年後に設計したValueのひとつ。相互尊重と強い信頼関係をベースに、カバーリングやムードメイクを行い、互いのマインドとスキルを引き出し、パフォーマンスを最大化することを目指しています。

会社として大切にしたい価値観であり、働くメンバーにとっての行動指針でもあり、さらには人事評価の指標や社内の表彰制度とも連動する。そんなValueを、ビットキーの事業を最前線で引っ張っているリーダーたちはどのように解釈し、体現しているのでしょうか。

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#01 に続いて今回のValues Talkに登場するのは、ビットキーでプロダクトの安定運用を全社規模で支える日浦航さんと、Home事業でカスタマーサクセスを牽引する深谷彰太さんです。2人が考える“Hand in Hand”のあり方をもとに、事業やメンバーへの思いを語り合ってもらいました。

日浦 航(写真左)

1991年生まれ。ワークスアプリケーションズへ新卒入社し、ECパッケージシステムのプロダクト開発と導入、新規プロダクト開発などに従事。
2019年に1人目のSREとしてビットキーに入社し、自社ECサイトのPMやプロダクトのCI/CD構築、情報システム部門立ち上げなどを担当。2021年よりプロダクトの継続的な安定化をミッションとするContinuous Connect部門の責任者を務めている。

深谷 彰太(写真右)

1990年生まれ。ワークスアプリケーションズへ新卒入社し、新規顧客営業を中心とした顧客のECビジネスを支援するシステムの提案を行う。スタートアップでのカスタマーサクセス立ち上げやユーザーコミュニティの構築などを経て2020年にビットキー入社。Home事業のカスタマーサクセス責任者を務める。

これからは、個の強さだけでは足りない

—— キックオフでの「Five Star」というテーマ、そのなかでも“Hand in Hand”を最重要Valueにしてもいいというメッセージを、2人はどのように受け止めていますか?

日浦:私はビットキー創業6カ月目のタイミングから在籍していますが、2023年の年初キックオフメッセージは会社にとっての大きな転換点だと感じています。 もちろん、これまでもお客様をはじめとしたステークホルダーのために動いてきました。

でも「Skyrocket(*1)」は、自分たちにまだまだベクトルが向いていたと思うんですよね。2023年は三つ星のレストランや五つ星ホテルのようにサービスレベルを高め、自分たちが外部へお客様に価値を認めてもらえるような他者目線が重視されています。

*1 Skyrocketとは、ビットキーが2022年度に掲げたテーマのこと。社内では「うなぎのぼり(成長などにひも付けて)」として会話されていた

深谷:私は「チームのメンバーに説明しやすいな」と感じました。
2022年のHome事業はプロダクトの設置台数や利用ユーザー数などが大幅に伸びて、まさに“うなぎのぼり”の状態でした。一方で、デリバリーに必死だったから、お客様に価値をどれくらい提供できているかを顧みることができなかった感覚があるんです。

2023年はカスタマーサクセスのチーム体制強化に向けて動いていることもあり、「Five Star」はまさに今の私のチームにぴったりなテーマだと思いました。

日浦:外部へ価値を証明していくために“Hand in Hand”こそ最重要だというメッセージにも共感します。これまでのビットキーは、一部のスーパースターのような人が事業も組織も引っ張っていました。
でも、2023年は戦い方が変わっていくはず。プロダクトをデリバリーするだけではなく、お客様にプロダクトをどう活用していただくかに焦点を当てて考えれば、個人プレーだけでは価値を提供し続けることは難しいからです。

深谷:Home事業は特にステークホルダーが多いんですよね。ご契約いただいている法人さまも、設置作業を担当していただいている業者さまも、入居者さまも、そして入居者さまに各種のサービスを提供する事業者さまと様々です。こうしたステークホルダー全体と向き合い、チームの垣根を越えて協力しなければ、これからの価値は実現できないのだと思います。

「今のフェーズでしか経験できない仕事」の意義

—— 2人は部門の責任者として、こうした思いをメンバーへどう伝えていますか?

深谷:これまでの事業や組織をスーパースター社員が引っ張ってきた背景には、メンバーをうまく巻き込めなかった面もあると思っています。マネジメント側がメンバーに対してそれぞれのミッションの意義をうまく伝えられていなかったんじゃないかと。

そのため、私は「実行の解像度をいかに高められるか」を意識してメンバーと会話しています。会社の方針を分かりやすく伝えながら、現場で実行すべきことの解像度を高めて、メンバーが自律的に動けるようになることが必要です。今は部門責任者として事業全体の数字も深く見えるようになったので、メンバーそれぞれの仕事の先にどんな未来が待っているのかを“意義づけ”しながら語っていきたいと思っています。

日浦:同感です。スーパースターじゃなくても、一人ひとりのメンバーが重要な役割を担っているんですよね。私の場合は、プロダクトの継続的な安定化をミッションとするContinuous Connect(以下、CC)というチームの責任者としてそれを強く感じました。
CCは、成長するスタートアップのなかで起きるさまざまな課題を解決していく存在にしたかった。なので、一定の経験や問題解決力のあるメンバーを集め、いわば特殊班のようなチームをつくったんです。

深谷:CCはエンジニアとビジネスの間をつなぎ、大きな存在感を発揮していますよね。その意義をメンバーそれぞれが理解することはとても大切だと思います。

日浦:私は、このフェーズにいなければ経験できないような仕事にたくさん関わってきました。成長を続けるビットキーで、「今のフェーズ」かつ「このポジションでしかできない仕事」があるんですよね。同じような意義をメンバーにも感じてもらいたいと思っていて。

深谷:カスタマーサクセスのメンバーにも同様の思いを持っています。
これまでの会社のフェーズでは「受注した人がすごい」という空気があったかもしれないけど、今は「プロダクトが運用されてこそ価値が生まれる」という空気が広がっています。そのなかでカスタマーサクセスの存在意義を思いきり感じてほしいですね。

RPGのように経験値を積み、難易度の高いミッションと向き合う

—— 2人が現在の考え方にたどり着いた背景を知りたいです。どんな経験が今の価値観につながっているのでしょうか。

深谷:私は新卒で入った会社で、上司から「仕事は修行だ」と言われ続けてきたんですよね。人生をうまく生き抜くには個人の力を高めたほうがいいと。だから、難しいテーマに挑戦することにも抵抗感がありません。

ただ、個人でやり続けるのはどこか楽しくないんです。チームで新しいことに挑戦し、いろいろなことを調整しながら意思疎通を図り、メンバーを鼓舞して同じ方向へ進んでいくことに面白みを感じてきました。 

日浦:私も新卒時代の会社ではバリバリ働いていましたね。当時の自分は優秀な先輩や上司を見ていて、「時間を費やして解決するという手段が許されるのは新人の間だけ」と思っていたんですよ。

ゲームに例えるとRPGのように経験値を積んでストーリーが進み、ミッションの難易度が少しずつ上がっていく感覚でした。それも1人ではなく、パーティでともに向きあっていく感覚です。

—— 個人としてハードな環境や仕事に飛び込んでいった2人が、ともに「チームで協働すること」を重視している点が興味深いです。

深谷:もともと私は人に興味を持つタイプで、人間観察が好きなんです。「この人は何が好き」「こんな趣味がある」といったこともよく覚えているほうだと思います。その前段として、純粋に仲良くなることも大事ですね。

自分からどんどんメンバーに話しかけるし、良いところはほめるし、直すべきところは適切にフィードバックする。新人の頃は面倒見のいい先輩たちに囲まれていたので、その影響が強いのかもしれません。

メンバーが「社内外で評価される価値」を身に付けられるように

日浦:深谷さんの「仲良くなることが大事」という話は新鮮ですね。私はマネジメントされた経験があまりないんです。

お世話になった上司、面倒を見てくれた先輩はもちろんたくさんいますが、新卒時代からわりと自由に仕事させてもらえる環境で、どちらかというと個人プレーだったように思います。上司と話すのは仕事に対して指摘を受ける場面くらいで、あまりマネジメントというものを意識することなく働いていました。

深谷:どうやってマネジメントの手法を吸収していきましたか?

日浦:自分自身があまり人に相談できるタイプではなかったので、困ったときに相談しやすい「こういう上司がいたらいいな」を自分のなかでイメージし、つくりあげていきました。

深谷:ある意味、独特な手段でマネジメントを習得してきたんですね。

日浦:そうかもしれません。加えて、今は「メンバーのやりたいことを後押ししたい」という考えが自分の核になっています。自分が、これまでのキャリアのなかでやりたいことを100パーセントできたわけではなかったので。
 
メンバーがやりたいことに挑戦することで価値を発揮できるよう、そして会社から評価される存在となれるよう、どんなふうに後押しをすればいいのかを常に考えています。

深谷:とても共感します。会社やチームとしての目標を追いかけることはもちろん大切なんだけど、その根底では、一人ひとりの人生が豊かになることが重視されるべきだと思います。極端なことを言えば、一人ひとりの「やりたいこと」が会社の枠を飛び越える目標でもいいと思っていて。

日浦:そうですよね。私も、無理やり会社の枠のなかで将来像を語らなくてもいいと思います。そもそもやりたいことって、簡単には出てこないかもしれない。今はぼんやりとしか考えていないという人も多いはず。

だから私は、転職なんて考えていないメンバーとも「転職活動で収入を上げられるような価値を身に付けよう」という視点で会話しています。社内で求められる価値発揮性と転職市場で求められる価値発揮性を近づけることも、マネージャーが果たすべき仕事のひとつだと思っています。

どんな仕事にも、新たな挑戦の可能性がある

—— 2人は今後、ビットキーのさらなる成長に向けてどんなことに取り組みたいですか? また、自身や組織にはどのような変化が必要だと考えていますか?

深谷:人が増え、組織が複雑化していくなかで、経営陣の考えを分かりやすく伝えられるマネージャーの存在がますます重要になっていくと思います。
そのためには、若手にどんどん成功体験を積んでもらうことが必要ではないでしょうか。このタイミングで成功を経験すれば、先々には本格的なリーダー、マネージャーとして活躍できるようになるはず。
 
これまでは目の前の業務で手一杯すぎて、周りを見渡して動く余力がなかった面もあるので、日浦さんの力を借りながら一定のルールや仕組みを整えていくことも大切だと思います。

日浦:もちろんです。メンバーには「プロダクトの安定運用に“新しく挑戦”しよう」という難しいテーマを投げかけることになるし、安定のためにのんびりと時間をかけているわけにはいかないという状況もあります。だからこそマネージャーやメンバーと積極的に議論していきたいと考えています。

深谷:そのためにも、メンバーにはこれまで以上に自らの仕事の意義を感じてほしいですよね。ビットキーは、頑張っている人に光が当たる会社だと思っています。
難しいテーマにも率先して挑む人が評価されるし、実際により広い範囲のミッションを担うようになる。そのやりがいを実感してほしいと思います。

日浦:そうですね。「日浦が手一杯で動けないから自分がやる!」という人が現れてもいい。私も、誰もいないポジションに自分から飛び込むことで経験値を得て、成長を実感することができました。

みんなにも同じように飛び込んでほしいですね。どんな仕事にも絶対に意義はあるし、新たな挑戦の可能性もあるはずだから。

みんなにも読んでほしいですか?

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