1年後も言えるように
少し過ぎてしまったけど、今年の10月で文章を書き始めてから1年が経った。
俺が1年間も文章を書くことが出来たのは、もちろん読んでくれる人がいたからだ。
俺1人の力だけでは書き続けるのは1週間ぐらいが限界かな?
「文章を書くぐらいダラダラと書けばいいのだから、簡単に続くのでは?」
そう思う人がいるかも知れないけど、少なくとも俺は、俺の拙い文章を読んでくれる人が1人でもいてくれたから1年間も「書く」という行為が続いたのだ。
その証拠にインスタグラムも開設したけど、そちらはあっという間に止めてしまった。
なぜなら誰にも見られてないからだ。
こう書くと、まるで俺が露出狂みたいな精神構造を持ってるかのように思われるかも知れないが、やはりSNSは「人に見られてなんぽ」だと思う。
だから沢山の人に見てもらうには、とにかく自分から積極的に他の人をフォローしたり、人の所に行って自分からイイねを押したりしないと何も始まらない。
しかし、それが分かっていながら俺は自分からは他の人をフォローしたりしないし、自分からイイねも押したりしない。
だからといって「わたくしって庶民には手の届かない高嶺の花なのよ!」とお高く止まってるわけでは決してございません!それどころか俺自身は卑屈の極みの低姿勢で生き続けてる、ただの肉塊であり、簡単に書くと、ただただ完全なる受け身な人間なだけ。
とにかく、俺なんかにフォローされたり俺の方からイイねを押したりすると、相手の人の迷惑になるんじゃないか?という思いが湧き上がる。
それほど俺の心の中は暗黒であり卑屈であり、とにかく自分の存在に自信がない。いや、いろいろ言い訳を書いてるが、結局は自分から積極的に近づいて相手から拒絶されるのが怖いだけだな。顔の見えないネット上でも臆病者の極みなり。
それと、文章を書くと少しはお金になるのかな?という思いもあったけど、とにかくこんなに受け身だと全然お金には繋がらない。
SNSでお金を本気で稼ごうと思ったら、とにかく大げさにネット上で手足をジタバタして大騒ぎをしないとダメだ。時には相手の迷惑とかも顧みず自分の存在を大人数にアピールしなくちゃならない。という事は迷惑系YouTuberの行動は理にかなってると言える。知名度ゼロから最速で有名になるには、まさしくあの方法しかないのではないかな。
「悪名は無名に勝る」とはよく言ったもので、世の中に知れ渡るのが例え悪名だとしたも、無名よりはかなり有利であるという事だ。
つまり、お金を稼ぐには、まずはより多くの人に自分の存在を知ってもらう所から始めないといけない。
しかし、俺という人間は学校帰りの野良犬にさえ、気を使うほどに気の弱い男。
とにかく多くの人に知ってもらうにはかなりの強引さが必要だ。例えば道端でたまたま出会った綺麗な女性に、
「あれ?お姉さん?昨日僕と会いませんでした?確か昨日は上野駅の三代目たいめいけんでオムライスを食べてましたよね?僕も昨日上野駅のたいめいけんに行ってオムライスを食べたいなぁと思ってたんですよ!えっ?上野駅に行ってないし、オムライスも食べてない?それに昨日は家でバジリコスパゲティを食べてたって?やはり、そうだと思った!僕も昨日は上野駅には行ってないし、オムライスも食べてません!奇遇だなぁ〜お互いが昨日上野駅に行ってないだなんて、本当に僕とお姉さんは気が合いますね!そんな二人が今日ここで出会ってる!まさに運命!そうだ!運命繋がりで良かったら連絡先を教えてもらえませんか?まさに昨日、二人ともが上野駅には行ってないだなんて、これは運命の出会いですよ!!まさに奇跡!!」
まったく共通点がないのに、強引に連絡先を交換しようとする、まるで詐欺師のような強引さ。最初から馴れ馴れしいから二人に何か共通点があるかのように語ってるが、よくよく聞いてみると全く共通点無し!とても俺には真似の出来ない会話術だ。ナンパをしてる人は初めて会った人の心の中に強引に入り込まなきゃならないから、そんな人はネット上でも強いと思う。
しかし俺は、自分からフォローしたり、イイねしたりする事さえ相手に申し訳なくて出来ない臆病者。
だからこそ、そんな消極的な俺の文章を見ようとして自ら見に来てくれる人には感謝でいっぱいなのです。
なぜなら、1人でも見に来てくれた事によって、こんな俺に「文章を書く」という行為を1年間も続けさせてくれたのだから。
やはり、自分から強引に売り込みに行くのではなく、フワフワとネット上に漂ってる俺の投稿のタイトルだけを見てから、なんとなく中身を読んでみて、そして次も見てみよう!と思ってもらえるのが俺の文章の理想的な読まれ方だな。
これならば、相手の迷惑など考えなくていいし、決して自分の文章を押し付けるわけではないからね。
そして1年間も文章を書いて来て分かった事がある。
それは、さすがに毎日投稿は無理だったという事。途中までは毎日投稿をしていたが、さすがに書くネタが無くなったし、何より毎日投稿だと偉そうな言葉を使いますが、文章のクオリティが下がってしまう。
30分ぐらいあれば2000文字ぐらいの文章は書けるのだが、そこから文章を見直す行為、つまり推敲に時間がかかってしまう。文章の中の漢字が果たして合ってるのかどうかとか、俺は使いたい好きなフレーズが頭に浮かんだらそれを文中で使うのだが、そのフレーズにゆかりのある地名を調べたり、もしそこに行ったら、ちゃんとその場所の名物を食べる方がリアリティーが増すだろうと、その場所の有名店を調べたり、名物を調べたりする。
自分のエピソード以外は想像で書いてるけど、やはり想像とはいえ、いい加減な事は書けないからGoogleでいちいち詳しく調べて書いてる。これを毎日続けるのはさすがに無理があった。
とにかく、俺の人生は本当に薄っぺらい人生だから、毎回のように同じ事を書いてるし、その過去のエピソードも悲しい事ばかりだ。
なぜなら、悲しい思い出しか、今はそれぐらいしか思い出せないからだ。
もちろん嬉しい思い出もあったはずだが、心に強く刻まれてるのは悲しい思い出ばかり。
それにもうバレてるとは思いますが、俺はかなりのドMかも知れません。いや、間違いなくそうだな。困ってる人や寂しそうな人に強く興味を持ち、さらにそんな人を助けたくなる。そして、その人から冷たい態度や裏切りを受けても、それでもずっと、その人を心配して、その人から離れずに再度助けようともする。
まさに悪女からしたらカモ中のカモのドM界のキングオブドMとは、まさに俺の事。
思えば向こうから連絡先を教えてくれた女性から連絡が来て俺は素早く返信したのに、それからまったく返事が来なかった事もたくさんある。俺はその間、携帯をずっと枕元に置いて素敵な女性からの返事をずっと待ってたんだ。1週間以上ずっとだ。そして、やっと返事が来たから、すぐに返事を返さないと失礼だと思い5分以内に素早く返信する。するとまた放ったらかしだ。女性からの返信は俺に対しての質問の返信なんだぞ!それでも俺はまた枕元に携帯を置いて、ずっとずっと相手からの返信を待つ。そして、お久しブリブリに相手から返事が来たら、俺はこう返事を返すんだ……
「あっ!ミミちゃん久しぶり!そう言えばそんなやり取りしてたね。俺も返事を返してから、返信した事もすっかり忘れてたよ。でも、返事くれて本当にありがとう!俺もすっかり忘れてたし、ミミちゃんも忙しいだろうから、時間のある時に返信してくれていいからね!」
どうよこれ!雨の中に捨てられてプルプルと震えてる子犬のような健気な答え。俺は自分でこの時の事を思い出して、自分の健気さに涙が出て来るよ。ジョージよ、お前はなんて都合の良い男なんだ!おバカさんの極みだね。あんなに毎日返事を待ってたのに、それを相手に気付かせないように返信するだなんて。でもね、だから、お前はいいように扱われるんだよ。お前の存在は使い捨てのウエットティッシュの一枚に過ぎない。他の男との夜遊びで汚れた手をたまたま側にいたお前で拭いたら、それでお前は用無しさ。そこら辺にポイだ。
昔から俺はこんな生き方をして来た。
そんな俺は今は誰の心配もしてない。毎日考えてるのは自分の事だけだ。
でも、何かが違う。何も心に残らない。
これは人間として、かなり厄介な事で今の俺は自分の為には一生懸命に生きてないのだ。昔はちょっとでも寂しいと心が張り裂けそうになるから、なんとか誰かと一緒にいようと行動していた。そんな人間らしい一生懸命さが今の俺にはない。
俺の心は本当にどうなってしまったのか?
人の為に動かなくなった途端に、自分の事に対しても何も動かなくなった。
さらに、まったく寂しくないから、人と繋がる行動を何もしない。
人と一生懸命に繋がろうとしてた過去には確かに嫌な思いもたくさんした。
そして、なぜか今も俺の心に強く残ってる思い出は過去の悲しい思い出ばかりなんだ。
俺が一生懸命に生きていたと感じてた時間は、自分が嫌な思いをたくさんして来た時間だけだったのか?
しかも、寂しいと思う心は無くなったけど、自分を卑下する心は昔のままだ。
でも、自分から人と繋がる事もせず、人のSNSを自分からフォローもしないような受け身な俺が1年間も文章を書く事が出来た。
これはまさに俺の力ではない。
俺の文章を見てくれる人がいたからこそだ。
でも決して、俺の文章を読んで毎回のように面白かったと思ってくれなくてもいい。
ただ心掛けるのは俺の文章を読んだ後に「時間の無駄だった」と思われないような文章を書く事だ。
今後もこの最低限のラインを目指して、文章を書いていこうと思う。
そして、こんなに卑屈で、自分にとことん自信が無くて、少しでも人の迷惑にならないように生きてる俺が、
人間らしい寂しさも忘れ、人との繋がりさえも忘れた俺が、
1年後もまたここで感謝の言葉を言えたらいいな。
これが今の俺の自分から求める精一杯の願い事。