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【少女の生き様】滔々と紅【小説】

”人の生きる様は大河のごとく
  滔々と流るるは熱き血潮
  峠の地蔵はなに思う”

読書の感想です。

2017年 著者:志坂圭 『滔々と紅』 ディスカヴァー文庫 

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はじめに

今作は江戸吉原×少女のお話です。
少女が遊郭に売られどのように生き抜くかを描いています。
遊郭のカルチャーについては以前の記事でまとめていますのでご覧いただければ幸いです。

グッときたポイント

吉原や当時の歴史文化について知ることができる
吉原における専門用語はもちろんのこと、江戸時代にはどんな職業の人がお金持ちだったか、どんなことが御法度だとされていたかなど詳しくわかります。

主人公「駒乃」の爽やかさ。
吉原、花魁と聞くと、ねっとりした、どろどろした世界観を想像してしまいそうですが、今作、そうではありません。非常に清々しい。吉原という場所はおどろおどろしく、読んでいてしんどい部分もあります(そこが良いとも言えますが)。しかし、そんな世界の中で、強くスッキリとした性格でもって生きていく主人公を応援したくなります。

個人的な評価

読みやすさ ★★★★☆ 5時間あれば間違いなし
ストーリー ★★★☆☆ 終盤はウルっときました
知的欲求  ★★★★☆ 江戸時代特に吉原カルチャーは面白い

こんな人におすすめ

様々な歴史を知りたい(逆に花魁文化詳しい人には説明がくどいかも)

・逆境で闘う勇気が欲しい

・歴史漫画は苦手だけど楽しみながら日本史を学びたい人

・ひっそりエロティシズムに浸りたい人(エロくないけど)

最後に

江戸以前の日本を舞台とした本をこれまであまり読まなかったですが、とても面白かったです。
少しぞくっとするような吉原ならではの描写も、主人公の健気さもちょうどよいです。
KindleUnlimitedにて読めます。

やるせない、現状から抜け出せない、漠然とした不安を持っても仕方がない世の中かもしれません。
しかし吉原で働く女性はもっと厳しかったのではないでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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