かしま / 非時香菓を求めて

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17歳の少女が叶えたい未来

これは九州のある地方都市でのお話だ その日、わたしは出張でその都市を訪れていた。 そこは典型的な地方にある小規模な街で、昔は栄えていたというのが誇りになっている街だった。 あまり品の良い街ではない事は知っていたが、実際に訪問してそれを身をもって体験することになった。 その日の仕事は1日では終わらない仕事だったので、事前にホテルを取っていた。 全国チェーンのホテルすらない小規模な街のため、わたしが予約したホテルも名も知らないホテルだった。 物語進行上、ホテル名を言わずに進

    • ブスを簡単に治す方法

      最近、男性に対しても使う言葉にもなったブスと言う単語 一般的に容姿が劣っているという意味で使われていると思うが、ブスという言葉の意味をご存知だろうか ブスは漢字で「附子」と書き、附子とは猛毒トリカブトの根を意味している。 トリカブトとはいわずと知れた綺麗な花を咲かせる猛毒の植物で、昔の人は、このトリカブトの猛毒を抽出し、矢に塗って武器として使っていた。 アイヌ民族はこのトリカブトの矢でヒグマやクジラを狩っていたといわれるほどの猛毒。その猛毒の元であるアルカロイドは少量で

      • 映画【遠いところ】を観て

        わたしは沖縄が好きだ 回数にして、もう20数回は訪れているだろうか。 訪れる回数が増えれば、観光で訪問する観光地のキラキラした部分以外も当然見えてくる。 この映画は観光客には可視化されていなかったもう一つの沖縄であった。 この映画を観ている最中、ずっと怖い気持ちで見ていた。 ドキュメンタリーを見ているような圧倒的な現実感。これは演じられた方々と監督の力量の成せる技だと思う。 主演をはじめ友達役の女優さんたちは映画の中で実際登場するキャバクラで1週間ほど体験で働いていた

        • 未読書【完全妄想版】銀行マンの凄すぎる掟(和菓子編)

          我らが猫山課長氏が書籍を発売される。そんなニュースが飛び込んできた。 10月5日頃にさくら舎より発売。 現在9/13はまだ発売前。どのような内容か全くわからないので、完全妄想で本の内容と感想を書いてみたい。 X(twitter)にて未読感想文の呼びかけがあったのでその波に乗って見ることにした。 だって楽しそうなんだもん。しかも素材が良いのかどんどんアイデアが降りてきたため、もしかしたら複数投稿になるかもしれないので今回のものを和菓子編とした。 わたしはサスペンスコメデ

        17歳の少女が叶えたい未来

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        • 雑記やエッセイ
          9本
        • 食や歴史のnote
          3本

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          羊羹とは羊肉のスープ

          先日テレビを見ていると、ある商品をメーカーの開発担当者が番組内でプレゼンをし、試食係としてその業界の第一人者たちが合格不合格を付けていくという番組をやっていました。 わたしが見た回はコンビニのスイーツ担当者がプレゼンをし、パティシェの方々が審査員として参加をされていました。 まずコンビニのスイーツ開発担当者が作ったお菓子を有名パティシエや有名料理人がジャッジをする意味がわたしにはわかりませんでした。 確かに昔と比べ格段に進歩したコンビニスイーツですが、同じスイーツとはいえコ

          カステラの源流を求めて岐阜県へ

          カステラを食べていて、ふと「この設定には無理があるのではないか」と思った。 唐突ですが、カステラは和菓子だと思いますか? それとも洋菓子だと思いますか? おそらくほとんどの人が考えたこともない問題だと思います。 カステラは和菓子です 大事なことなのでもう一度言います。 カステラは和菓子です わたし自身も事実として知っていました。 デパートなどでもカステラは和菓子の場所にありますし。 しかし多くの和菓子はあんこを代表として米や麦などの穀類、小豆、大豆などの豆類、葛

          カステラの源流を求めて岐阜県へ

          九州発の2度目のイノベーションが愛媛県にやってくる

          イノベーション=技術革新 と、日本語に訳されることが多いですが、本来は技術に限らず広い概念を持っています。 モノ・仕組み・サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新しい価値を生み出し、社会に大きな「革新」「刷新」「変革」をもたらす事で、よく発明と混同されますが、単純に新しいだけでは『変化』でありイノベーションではありません。 ではタイトルにある『九州から愛媛県にやってきたイノベーション』の1度目のイノベーションとはなんでしょうか。 わたしは愛媛

          九州発の2度目のイノベーションが愛媛県にやってくる

          論外な私とノーマークなビスコッティ

          今日、若い女の子たちに、 すれちがいざま 「40代は論外」ってボソッと言われたよ。 でもね、大人になると変わるんだぜ。 「貧乏人は論外」 あ、どっちにしても論外だった。 ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー=ー= ラジオ番組の子供たちの素朴な疑問を受け付ける番組の中で、天文学者への質問で 「流れ星に願いを3回言えたら、本当に願いが叶いますか?」 学者さんはすぐに 「叶います。なぜなら、いつ現れるとも分からない流れ星に3回も願いを言えるのなら、その願いをいつも強

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          納豆には醤油という固定観念がわたしを苦しめた朝

          ある朝、朝食の準備をしていてふと気付いた 醤油がない・・ この日の朝食メニューは ご飯・納豆・お味噌汁。 以上 なにしろ時間がないのだ しかも、これらのものを食卓の上にズラリと並べて 『では、いただきます』という時点で納豆にかける醤油がないことに気がついた キッチンのボトルにも一滴も残っていない さあ、どうする 途端にこの食事が成り立たないことに 時間がない、醤油がない 朝からなぜこんなに苦しみ悩まなければいけないのだろうか 一見、立派に自立して生活できてい

          納豆には醤油という固定観念がわたしを苦しめた朝

          SUNABACOとは、あん餅雑煮と理解せり

          皆さんはお雑煮に何を求めていますか。 安定ですか、変化ですか。 わたしはバリバリの安定派で、地元のお雑煮を1番だと思い人生を歩んできました。ちなみにわたしの住む地方ではお雑煮の具材に牡蠣が入ります。 とはいえ、食べ物に興味を持っている人間としてよくテレビで全国のお雑煮特集などを見ては、『ほほう、やはりその地方ごとに特色ある具材をいれてるんだな』などと眺めていました。 ラスボス、あん餅雑煮 その中で最後のイロモノ枠で扱われるのが、香川県のあん餅雑煮 皆さんも一度は見た

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          人魚を食べるならお早めに

          少し前から人魚伝説を調べているのですが、日本人は出会うと必ず食べようとするんですよ。 人魚を。 人魚伝説は世界中にあって世界の他の地域ではあまり人魚を食べたという記録は残っていないのに、日本人はとにかく浜に上がった人魚を食べようとした(食べた)記録がとても多いのに疑問を持ちました。 人魚の肉を食べて800歳まで生きた娘 不老不死というテーマは世界各地の伝承や物語に登場することからも、人類共通の夢であり人々を魅了する何かがあるのだと思います。 その中で日本では上の説明

          人魚を食べるならお早めに

          速報!やまとなでしこ発見!

          番組の途中ですが速報をお伝えします。 今世紀に入り日本では絶滅していたと信じられていた、やまとなでしこの生存が確認されました。 目撃箇所は広島県広島市の山中との事です。 第一発見者のかしまさんに当時の様子を伝えてもらいましょう。 『最初は信じられませんでした。 だってやまとなでしこはもうとっくに絶滅していると思っていましたから』 どうやって発見されたんですか? 『食事中に偶然発見したんですよ。』 どのような状況だったんでしょうか? 『仲間と一緒に食事に行ったんです

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          みかんの酢豆腐

          突然ですが酢豆腐という古典落語を知っていますか 知ったかぶりが後に引けない事態に 数年前、熊本県の取引先の担当者と電話で話していた今頃の時期、どちらともなく『みかんの美味しい季節になりましたね』という会話になりました。 広島のみかんは大変美味しいので、わたしが『広島のみかんは美味しいですから、今度送りましょうか?』と言ったところ、先方が『え?広島ってみかん採れるんですか?』っていう会話になりまして。 こちらはこちらで『いやいや、むしろ熊本こそみかん採れるんですか?』と

          アマビエの正体はみんなが大好きなスタバのアレだった

          今頃アマビエかよ。と思われた方、私も同感です。 しかし性格的に調べたいと思ってしまったらとことん行くので、調べた結果をここでアウトプットすることでこの想いを成仏させたいと思います。 アマビエ自体はコロナ禍に突然現れ、急速に日本中に広がった妖怪なので今更説明は不要と思いますが、最近はあまり見かけなくなったのでおさらいとして、またイラストは見たことがあっても、そもそもどういう妖怪なのか知らない方に向けて説明を入れておきます。 アマビエは江戸時代後期、肥後国(現在の熊本県)の

          アマビエの正体はみんなが大好きなスタバのアレだった

          八代市で令和の河童退治があったってよ(後編)

          突然ですが八代市民の方に悲しいお知らせです。 皆さんは日本で初めて河童が上陸した地、八代の市民ということで、今までさぞ誇らしく自慢できる人生を歩まれてこられた事と思いますが、日本全国に視点を移して河童を調べてみると当地八代に住んでいた九千坊ですが、書物に紹介される際に【西国一の河童とか西の大将 九千坊】と書かれることがあります。 なぜ八代市民の誇り、九千坊が日本一の河童ではなく、西の大将なのでしょうか。 それは、一度負けているからです。東の河童に。 その名も【利根川に

          八代市で令和の河童退治があったってよ(後編)

          八代市で令和の河童退治があったってよ(前編)

          最近ひょんな事からご縁をいただき、熊本県八代市の方々と交流する事が増え、このnoteは先日八代市にある『SUNABACO八代』さんにお邪魔した事をきっかけに調べたことのレポートになります。 私は仕事でもプライベートでも新しい街に行った時には時間が許す限り街を徒歩で散策してみることにしています。 街を散策していると色々なことが見えてくると同時にこの街が自分が好きな街かそうではない街か肌感覚でわかります。 そして長い付き合いになる街は直感的にわかるものです。 そして八代市は私

          八代市で令和の河童退治があったってよ(前編)