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フリーランスの営業は「仕事を取ってくればいい」のか?

仕事で使えるコミュニティアプリ「BiSE」(バイス)の開発をしている小林慶志郎です。
信頼できる人、自分の好きな仲間だけを集めて、情報交換や仕事のやり取りをするためのアプリを作っています。


フリーランスの心理的不安要素

フリーランスになったり、副業として個人で仕事を始める理由は人それぞれかと思います。

組織に馴染めなかった、しがらみから逃れたかった、といった「一人の方が力を発揮できる」と考える人もいれば、新しい事業への挑戦や自分の力を試したいなど、「自己実現」を目指す人もいるでしょう。

しかし、いざ一人になると、なかなか自分がやりたい仕事を継続的に取ることが難しかったり、自分の専門分野以外の業務のせいで、自分のやりたいことに集中できないケースも多いです。

フリーランスとして、以下の時間をどう配分できるかが満足度を大きく左右します。
・日々のお金を稼ぐための時間
・次の仕事を取りに行く営業の時間
・やりたいことに向けた投資(自己投資を含む)の時間

※これらはフリーランスでなくでも本質的には必要なのですが、一番ツラいのは、次の仕事の心配をしながら働くことです。この心配をしなくてよいというのが、会社員の大きなメリットとも言えます。

営業は「仕事を取ってくればいい」のか?

営業面の心配だけであれば、営業代行やエージェントを使えばいいかもしれません。
これらは、プラットフォームとして、幅広いネットワークの中から新しい案件やクライアントとつながる可能性をもたらしてくれます。

一方で、これらのサービスは案件をなんでもかんでも持ってきてしまう側面もあります。
なぜなら、彼らの利益は、マッチングの量によってもたらされるからです。(良し悪しではなく、仕組みの話です)

この仕組みを使って仕事を回していると、毎回クライアントと「はじめまして」です。
それが楽しいという方も当然いると思いますが、不安定であることは間違いありません。

もう一つ、不安要素となるのは、プラットフォームとの付き合い方を見誤る場合もある、ということです。

ちょうど先日、こんな事例がありました。
私が参加しているグループの中で、駆け出しの副業家(Aさん)がクラウドソーシングサービス(X社)を活用して、少しチャレンジングな案件を取ったそうです。
その案件は、プラットフォーム上に「フォローあり」の文言とともに、フリーランス(この人は副業でしたが)の募集がかかっていたようです。
ですが、契約を済ませていざ対応しようと思ったら、思っていたフォローを得られそうになく、辞退を申し出たところ、契約後の一方的な契約破棄という扱いになり、高額な賠償請求をされてしまった、という話です。

Aさんの視点でいうと、フォローしてくれるっていうからエントリーしたのに、フォローがないなら出来ません、ということだと思います。
X社側から見れば、その先にいるクライアントに対して「お手伝いしてくれる人がいましたよ」と案内したにも関わらず、その契約を破棄されてしまったら信用にかかわります。そういったことが頻発しないように賠償請求をかけるのは当然だと思います。

それぞれのものの見方があると思いますので、ここでは最終的な決着や双方の良し悪しを問いたいわけではありません。
重要なのは、AさんとX社の関係性です。

・Aさんが期待していた「フォロー」について、X社との認識があっていなかった。そのギャップを埋められる余地がなかった。
・Aさんが仕事を辞退したらX社が困るが、Aさんはそこに意識がいかない。(Aさんには、X社が困るだろうから何とか頑張ろうと思う理由がない)
・そもそもAさんにその仕事の適性があったのか、どの程度の「フォロー」が必要なのかという見極めをX社がしていない。(やっていたとしても、せいぜい書類上の判断)

一部、想像も含みますが、AさんとX社の関係性を見たときに、この状態で仕事を続けていくことの危うさを感じます。
「プラットフォームにフォローなんて求めちゃダメで、Aさんが甘いよね」という声も聞こえそうですが、これをAさんの責任にしてしまっては、
フリーランスや副業家が、新しい領域で仕事をするチャンスを得るのは難しくなってしまいます。


お互いの特性を理解し、提供しあうチームを作る

以前の記事で、こんなことを書きました。

プロジェクトにおいて必要なメンバーというのは、
・ちゃんとしたアウトプットを出せる人
・アウトプットはやや不足する部分があっても、対話の中でキャッチアップできる人(そういう信頼関係の築ける人)
ということになります。

こちらの記事。→「リモートワークで"本当の生産性"を上げるために必要なこと

また、別の記事でこんなことも書いていましたね。

「自分の得意」を信じてくれる人がいて、
「自分の不得意」を補ってくれる人がいて、
お互いに自分の仕事をやりながら、必要に応じてチームを組んで仕事する。
取引関係だけじゃなく、お互いの信頼関係のうえでこの補完関係が成立するのであれば、働き方はもっと可能性が広がるはずです。

こちらの記事。→「自分の力で稼げるようになりたい」と言っているあなたへ


AさんとX社の間にあったのは、「取引関係」だけです。
それによって、得られるものと得られないものがあることをしっかり認識して、仕事に取り組まなければいけません。

Aさんにとってチャレンジングな仕事を”伸びしろ”と捉えて(あくまでプロとして)仕事をお願いできるのかどうか。それは双方の信頼関係の上に成り立つものだと思います。
お互いの特性を理解し、双方を理解しているからこそ成り立つ「信頼関係」の上に、安心して働ける仕事環境が成り立つのだと思います。
仲間と一緒に働く安心感というのは、フリーランスであっても必要なものだと考えています。(毎回ゼロスタートは無駄が多すぎますよね。)

こう書いていくと、どうしてもAさんが”仕事をもらう立場”のように見えてしまいますが、それも少し違います。
「信頼関係」を築いていくためには、一方的にもらう側にいてはいけません。Aさんが提供できるものを、相手に対して提供していく必要があります。それは必ずしも仕事の案件である必要はありません。
依頼された仕事だけでなく、プラスアルファの価値を提供していく姿勢が必要です。

そして、取引関係だけではなく、人間関係をベースにした繋がりがあるからこそ、そこに助け合いが生じます。
そこにお互いが持つ能力を出し合うことによって、「依存」ではなく、互いをサポートしあうような「セーフティネット」としての安心感が生まれます。

「まぁ、なんか困ったことがあったら、あの人達が助けてくれるでしょ!」
と笑って言える状況を作れるかどうかが、この先の働き方の自由度を高めていくためのポイントでもあります。

そんな仲間を増やせれば、仕事だけでなく、人生がもっともっと豊かなものになっていくと考えています。


BiSEは、そんな仲間とつながり、輪を広げていくためのプラットフォームとするために、開発を続けています。
今年2月末に、単一コミュニティ内のコミュニケーションツールとしての機能をリリースしました。
この先、個々人のつながりを生み出したり、個人とコミュニティを繋ぐための仕組みを順次リリースしてまいります。

そもそもコミュニティに案件が無いと今日の記事の話って成り立ちませんよね。その課題についてもサービスリリースに向けて開発を進めています。
この辺りはまたの機会に書かせていただきます。

BiSE公式サイト

小林慶志郎

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昨春、緊急事態宣言が出た頃、外出自粛が謳われ、会社にも行けず、飲みにも行けず、ひとりひとりが孤立していくような気がして、この先コミュニティって重要になるよね、という本を書きました。(Kindleで発売中です)

「コミュニティと生きる時代 〜withウイルス時代の仕事と組織のカタチ」--小林慶志郎

BiSE公式サイト
https://www.thebise.com

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お仕事系クローズドコミュニティアプリ「BiSE(バイス)」の企画・開発を手がけている小林慶志郎です。 アプリやサービスの検討を進める中での気付き、感じたことなどを発信していきます。