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「旅の残響」

右手に偏見をひとつかみ、
左に理想の旗を掲げる、
流浪のように花を数えて、
昨日までの疲れた足音を背中に聴いて、
痩せっぽちの旅は続く、夏の日の残響だけが海辺に響く、

幾多の独断を英断に思い込み、
尻込みの都度、握れた自由、
漂浪者は途中に絶えた人に手を振り、
明日から聴くだろう嬌声に髪をさらわれ、
痩せっぽちらしく進む、夏の日の残響だけを海辺に聴いて、

花は散る、鳥は立つ、
風は綻び、月は今日も美しい、
この地に這う不自由者なる私たちの真上において、
照らし続ける、無限に続く愚かなる行いを、
静かに声なく、慈しみすら手渡しながら、

永遠の波音を今日も浴びる、
その飛沫に宿る一粒ずつの光を舐める、
旅の人は振り返る、其処にある足跡を、
未来永劫続くだろう水平線を遠くに睨み、
痩せっぽちの旅は続く、夏の日の残響だけを海辺に聴いて、

photograph and words by billy.

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ビリー
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