(2) 中国人学生に日本企業は踏み台? 日本語学んでも、成長して給料増えた中国企業へ-1 浦上早苗(2018.12.3)を抜粋加筆しました。
製造業だけでなく、コールセンター、データ入力といった日本関連のアウトソーソーシング先企業が集積する大連は、産業と大学が両輪となって、中国最大の日本語人材輩出・雇用基地を形成してきました。
「25人いた同級生の中で、大連に残っているのはもう3人だけになりました」
大連ソフトウエアパークで日本メーカーのマニュアル制作に携わる候静さん(24)は、寂しそうに話しました。
高校まで内モンゴルで過ごし、「合格圏内にある中で一番レベルが高かった」という大連の国立大学の日本語学科に進学。
2017年6月に卒業し、日本の業務を請け負う企業に就職しました。
給料は月4000元。
手取りだと3500元前後で、友人とルームシェアしても生活はぎりぎり。
卒業時にはクラスメートの半分が大連で就職したが、すでに大半が辞めて去って行きました。
「大連は確かに日本関係の仕事が多く、選ばなければ職は見つかるのですが、BPO(自社の業務の一部を外部に委託)か中小商社、工場の事務、通訳と、業種が狭いんです。
キャリアアップの選択肢が限られていて、北京や上海で働く友達の話を聞くと、給料が低いし、将来性も感じられないと思ってしまうんですよね」
中国は以前から、新卒でも初任給の格差が大きかったが、高校や大学の同級生からの情報が増え、求人アプリの普及もあって、よりよい条件を求めて大連の企業を早々に離れる大卒日本語人材が増えました。
彼ら(中国人日系企業転職希望者)はおおむね、以下に分かれます。
・北京や上海といった、さらに大きなマーケットに移る
・故郷に帰って、日本と関係ない職に就く
・日本に渡り、留学や転職を選ぶ
私は、人材紹介会社で、毎日のように転職希望者の日本語チェックを行っております。
その際、「日本語を勉強するきっかけは?」を必ず質問します。
ほとんどの方の答えは、日本のアニメやドラマ見たかったから。
今まで、「日系企業に入りたくて、日本語を勉強しました。」という方は全くいません。
上記の記事は、大連のお話ですが、
上海でも、転職希望者が「日系企業の給料が低い、日系企業に入っても将来性を感じない。」のはあまり変わりが無いように感じます。
つまり、在中国日系企業は中国人転職者から好かれるようにな必要があるということです。
結局、以下の方法を選択する必要があるのでは。
・給料を上げられるように社員の給与にメリハリを付ける
・社員全員にバランス良く公平に、納得が行くようにする
・目標、仕事内容、責任範囲などを言語化して、周知する
・コミュニケーションを高めて、お互いを良く理解する
https://www.businessinsider.jp/amp/post-180439