(11) 在日中国人が悩む「日本の学校ユルすぎ、子ども入れて大丈夫か」問題 有名私立か中華学校か、揺れ動く親たち-1 (2018.12.11) by 中島 恵を抜粋加筆しました。

私はこれまで数百人に上る在日中国人を取材してきました。日本には全在日外国人のうちで最も多い約73万人もの中国人が住んでいます。

彼らは仕事や結婚、家庭などさまざまな悩みを抱えつつ、この日本で生きていますが、主に都内に住む20代後半から40代のホワイトカラー(エリート層)に限定すると、彼らの大きな悩みは「子どもの教育をどうするか」という問題。
そこには、在日中国人ならではの理由があります。

私が都内で取材した範囲では、有名私立か、中国人のための中華学校か、という主に2つの選択肢で悩む人が多く、私が聞く限り、進学校を選択する人が多かったです。


50代のある中国人女性は、2人の子どもを“中国式”のスパルタで育て、公立の小学校→私立の中高一貫校から見事、2人とも東京工業大学に進学させました。

「悪い意味ではなくて、日本人の場合は、そこそこがんばれば、ある程度やっていけるのです。だってここは日本で、日本人の国なのですから。日本人にはさまざまな選択肢があります。でも、私たちは “マイノリティ”、どんなにこの国に長く住んでも、やはり外国人なんですよね。

中国人と日本人、まったく同じ成績だったら、日本人のほうが有利だし、就職でも先に採用されるでしょう? それは仕方がないこと。

だから、私たちは日本人よりもがんばらなくちゃいけないんだ、という気持ちで、日本のゆるい教育に流されることなく、歯をくいしばってやってきたんです。それは、子どもはこの国で暮らしていくんだから、という意思表示でもありますね。」


私は、今年で在上海 10年目になります。
私は息子を9年ほど前に、上海に呼び寄せました。

息子は在日本小学校の卒業式の次の日に来海し、在上海公立の中高一貫校に入学しました。
最初の半年間程は、日本人、韓国人の居る外国人の生徒たちと一緒の教室で、中国語を中心とした勉強をしました。

9月1日になり、中国人の居る教室に移ります。
その日は、息子は泣いて帰宅しました。
「何も分からない!」と言いました。

それから6年間、息子は在上海中高一貫校で中国人と一緒に学びました。
卒業式の日には、私は卒業生の親代表でスピーチを読まさせていただきました。
息子は大変苦労したと思います。
おそらく息子が「日本に帰りたい」と言っていたら、日本に帰っていたと思います。


今、彼は复旦大学本科の3年生で毎日学校へ行っています。
勉強が忙しいようです。
私は中国に来て、息子に「勉強しろ」と言ったことがないような気がします。
毎夜「早く寝ろ」と言っていた気がします。

中国は学生数が日本の10倍居ます。
競争が非常に厳しいです。
学生は宿題が終わらず、毎夜睡眠時間を削ってやっています。
それも小さい頃からです。

ゆとり教育とは、程遠い環境です。

https://gendai.ismedia.jp/articles/-/58911