(20) 中国で働く日本人が見た、現地で成功する日本人とナメられる日本人-1 by ジンダオ (2018.11.19) より抜粋加筆しました。
私は関係が良くなった日本人の方に尋ねる事があります。
それは「日本と中国、どっちの仕事が向いていますか?」という質問です。
誰しもが「うーん」と考えた後に出てくる答えは、「中国かな」という言葉が多いです。
そう答える理由のひとつは、「日本はあれこれルールやら、上司へのお伺いやら、仕事に直結しない二次的な要因の仕事が多すぎる」というもの。
もう一つは「中国だと上司へのお伺いが少ない分、自分の判断で決めて行動に移し、責任を持って仕事に向き合える」というものです。
日本では係長や課長クラスだった人でも、中国に来ると部長クラスなどに上がり、急に多くの中国人部下を抱えます。
日本では上司にお伺いして判断を仰いでいた人も、国が変わると判断を下す側になり、国籍も思考も違う部下に指示を出さなければいけません。
そのため、日本では正しいと思った判断でも、中国ではうまくいきません。そんなことは日常茶飯事です。
また、日本だとシステム化されていた事が、中国ではシステム化されていません。
あるいは縦割りに組織化されていた日本に比べて、中国は組織がグッチャグチャという違いもあります。
その上、日本では考える必要が無かったことも、中国ではよく考えて仕事を行う必要があります。
頭を抱え、失敗を繰り返しながら、中国や中国人のことをよく知って判断を下します。
その責任は自分が負わないといけないので、失敗を少なくするように考えて動きます。
試行錯誤の連続で、行動しながら考えます。
あるいは失敗して考えます。
だからこそ、判断を早急に下し、仕事を進める必要があります。
ただ、このように自分の裁量で決定を行う立場に慣れれば、次第に責任と行動が伴う楽しさを覚え、ある意味ランナーズハイ的な「チャイニーズハイ」で仕事をするようになります。
そのような状況を経験したことのある方は、日本と中国との仕事の対比をした上で、「中国かな」という答えを導き出すのかなと思います。
私個人としては、日本で働いていた時に一番感じていたのは、閉塞感とやらされ感でした。
中国に来たら、完全能力主義のため、結果が伴えば自由です。
自由には責任が伴いますが、やらされ感が無いです。
会議のための会議をしているようでは愚の骨頂です。
中国特有の事情などの障害などを解決するには確かにストレスを感じますが、やりたくない事を仕方なくやる「やらされ感」や「納得感の無い」仕事をやる方がはるかにストレスです。
「やる気」と「スピード感」。
ビジネスをやる上で最も大事なものである、と感じている今日この頃です。
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