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ニューヨーク金融市場

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2019年10月の記事一覧

10/30 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/30 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1. FOMC前に発表された米国第三四半期 GDPは予想を上回る結果。前期比年率換算で1.6%の増加が予想されていたが、+1.9%となった。純輪出はマイナス寄与と海外需要の弱さを反映したが、個人消費が+2.9%と引き続き確りした数字となっている。米株と米債はオープン直後に株売り債券買いとなったが、月末のリバランスと思われる。チリがデモの混乱で11月のAPEC開催を見送るとの報道でアルゴリズムが反応

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10/29 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/29 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.一部のヘッジファンドで頭の体操程度だが話題になっているチャートについて。下は10月にFOMC が
0.25%の利下げを行うという前提で、2020年末までに何回利下げをするかというマーケットの期待を示した数値である(詳細は割愛するがFF 金先の11月限と 2020年 12月限の差分)。見方は0.5 なら 2019年11月~2020年12月までの期間に0.5%の利下げを行うとマーケット参加者は見て

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10/28 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/28 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.本日も先週に続きテックセクターを中心にリスクオン地合いが続いている。弱い地区連銀指数には一切反応せず、これまでとは異なり経済データに対する反応関数が変わってきたことを示唆。 アジア時間は4中総合の始まった中国で、習主席がブロックチェーン投資を拡大させると述べたことが大きく報じられて、中国テック株やビットコインが急騰していた。米国ではトランプ大統価から中国との合意に向けて予定より早く進んでいると

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10/25 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/25 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.久しぶりにヘッジファンドが纏まって仕掛けた動き。ここ最近、何度かお話ししているようにこれまでグローバルな景況感悪化を先取りしてきた半導体セクターを中心に景気見通しを変える人が多くなってきている。本日は纏まってリスクオンサイドで仕掛けるような買いが出て、半導体インデックスであるSOX指数は史上最高値を更新し、ナスダックなどの主要指数も最高値に到達した。きっかけになったヘッドラインは、ナバロやUS

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10/24 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/24 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1. ECBは予想通りノーイベント。注目のペンス演説については、中国を人権などの面でを批判する部分もあったが、昨年ほどタカなトーンでは全く無く、「中国をデカップリングするつもりは無いし、米中の関係について非常に前向き」であるといった柔らかいトーンで語る部分も見られた。先日、中国商務省から発表された通商に関する新たなルール作りや、協議の進展次第では200億ドル、500億ドルと大幅に米産農作物購入を増

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10/23 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/23 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.材料に乏しい一日。Brexit 関係では EU27 カ国が離脱延期を支持を表明しており、詳細は金曜に発表される模様。フランスは11/15までの延期を望んでおりあくまで短期間の延期のみ認める構えだ。一方、マーケットで取引されているポンドのオプションはボラティリティやリスクリバーサルが縮小しており、Brexit が短期的にテーマから外れていくという市場参加者の思惑を反映した動きとなっている。明日は

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10/22 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/22 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.本日、英国では2つの審議が行われた。1つ目の“離脱協定案について大筋合意するか否か”については329 対299 で可決されたが、“離脱協定案の審議日程を早期に行うこと”については 308 対322で否決された。マーケットでは2つとも可決されると思われていた為、2つ目が否決されたことが分かった直後からポンド売りとなった。今後のステップは①EUが延期を承認し総選挙を行う、②時間をかけて協定案を再考

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10/21 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/21 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1. BREXIT について出てきた事実は、①週末は EU と合意した離脱案を英議会は審議せず、ジョンソンに離脱延期を強いる修正案を可決、②ジョンソンは不本意ながらEUに離脱申請を行ったがEU側は様子見、③21日の離脱案採決は下院議長が認めなかった、といったところ。今後は 22日に “議会がジョンソンの離脱案を支持するか否かを間う動議”と“離脱協定法案を金曜日までに完了させる動議”の二つが採決され

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10/18 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/18 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

アップデート遅くなりました。
金曜だったので早々に仕事を切り上げて飲みに行ってました。以下、本日のアップデートです。

1. 週末の Brexit を控えて同意に欠く一日。ジョンソン首相のBrexit案が英議会を通るか否かは最後まで五分五分の状況。マーケットで取引されているポンドのオーバーナイトボラティリティはプレークイープンが約土1.8%となっており、月曜はそれなりにギャップして取引が開始する

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10/2 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/2 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1. グローバルに株が大きく下落。年初から考えるとこれまで米株は約+16%上昇し、その他の英国株や日本株も10%程上昇してきた。米国では12月までの成績でボーナスが支払われるファンドマネージャーが多く、彼らの頭の中にあるのは「ここから12月までに株で超過収益を狙えるのか?一旦、降りて給料の大半を占めるボーナスを確定させるか?」といったこと。マーケットの環境に目をやると金利が既に年内の利下げを織り込

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10/17 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/17 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1. マーケットのテーマは重要な順に①Brexit、 ②ポジショニング、③経済指標といった雰囲気になっている。その証拠に本日発表された住宅着工件数や地区連銀指数は予想を下回ったものの、リスクオフサイドの動きは限定的で、Brexit の追加情報待ちとなっている。Brexit については、ジョンソン首相はEUと合意しており、次のハードルは英議会となる。19日に英議会で離脱協定案の採決が行われるが必要票

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10/16 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/16 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.昨晩、民主党の大統領選討論会が行われた。トップ候補の二人(バイデンとウォーレン)はイマイチで、特にウォーレンは足許でトップを走っていたこともあり他の候補者からの攻撃が集中したが、上手くかわすことが出来なかった印象が強い。メディケアフォーオールなど、掲げる政策は聞こえが良いが、肝心の財源については殆ど答えることが出来ず、具体性に欠ける印象を受けた人が多かったはず。また、二人とも時折感情的になるよ

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10/15 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/15 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.米中協議の結果を受けてどのようにリスクテイクしていくかは、市場参加者の誰しもが掴みかねている様子で、それよりもBrexit をテーマとしたトレードが先週から急速に活発になっている。EU の関係筋によれば、まだ多くの問題を抱えているが、水曜までに草案などの法的文章を用意し、木曜までに解決できる可能性があるとのこと。肌感覚では月内の“合意有る離脱” へのマーケットの期待は3~4割といったところか。

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10/11 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

10/11 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.米中協議の結果は、①米国は10/15 の関税を延期、②中国は 400-500 億ドルの農作物を購入、③今回の合意をフェーズ1として11月のAPEC での調印を目指す、といったものになった。通貨協定も含まれると米国は主張しているものの、既存関税はおろか12月の関税引き上げもどうなるか分からない中で、中国が人民元高に誘導するとは考えにくい。また、ファーウェイ制裁については言及されておらず、想定され

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