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10/29 NYヘッジファンドからのマーケットアップデート

1.一部のヘッジファンドで頭の体操程度だが話題になっているチャートについて。下は10月にFOMC が
0.25%の利下げを行うという前提で、2020年末までに何回利下げをするかというマーケットの期待を示した数値である(詳細は割愛するがFF 金先の11月限と 2020年 12月限の差分)。見方は0.5 なら 2019年11月~2020年12月までの期間に0.5%の利下げを行うとマーケット参加者は見ているということになる。一回あたりの利下げ幅を 0.25%ポイントだとすれば、0.5%÷0.25%で2回の利下げを織り込んでいるということだ。10月の初めにはこれが0.6%ポイントと約2.4回の利下げを織り込んでいたが、足許では 0.3%弱と1.2回まで急激に利下げ期待が減ってきている。

2.何故これが話題になっているのか。今回のFEDの利下げは“予防的利下げ”と位置づけられており、1998年の対応に似通っていると考えられている。当時は9月から11月にかけて3回連続で計0.75%の利下げを実施した。今回も3会合連続での利下げが広く予想されているが、最近話題になっているのはその後、FEDがどう動くかということ。1998年の予防的利下げでは、 FEDはその後どう動いたのだろうか?実は当時のFEDは予防的利下げで0.75%の利下げを行った後、わずか半年後には 「利上げ」を行っている。まだ足許では、今月の利下げをした後もFEDが来年にかけて追加利下げを行うとマーケット参加者の大半が見ているが、一部には1998年のシナリオに近いイメージを持ち始めた市場参加者も出てきており、それが利下げ期待の剥落に繋がっている。今の時点で、利上げへの転換を示す経済データは出てきてないが、来年は”据え置き”という可能性は十分にある。そのような中で市場はまだ来年も1回以上の”利下げ”を期待している為、疑問を呈する声が出始めている。

3. 上記のような警戒がマーケット全体に広がるかは、 経済データとマクロ政治を見ていく必要があるだろう。そういった意味では引き続き11月以降の米中協議の進展とBrexit などはテーマとして外せない。これからは、このようなマクロ情勢をどのように判断していくかと、良い材料が出てきたときに利下げ期待の剥落がリスク資産に及ぼすインパクトをポジションニングなどの観点から図ることが重要になってきそうだ。

その他(以下、ヘッドラインのみ)
※トランプ大統領と習国家主席、チリで11月17日に会談-SCMP紙
※APECで合意調印なくても決裂を示すわけではないーロイター
※Brexit は一転二転、12/9~12の総選挙を議論へ。労働党はこれを支持
※Apple 株は高値を更新してきたが本日は決算を控えて利食いフローに押されて下落
※日銀、保有ETFの貸し株を来春めどに開始か

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