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だいじょぶ、だいじょぶ

コーチング体験から実践への第一歩。
初心者向け講座の説明会に参加してみた。

ただの説明会ではない「体験」説明会だ。
オンラインとはいえ、何を体験するのか、させられるのか緊張しながらスタンバイ。

説明会スタート。

講師であるプロコーチも、参加者であるコーチを目指されている方もコーチングという領域を選ばれているだけあって、お話をするのも聞くのも得意そうな方ばかりだった。

画面越しにみなさん明るい笑顔。
わたしもそれにつられてひきつった笑いになる。

最初の難関自己紹介。
10名ちょっとの参加者だし、オンラインだし。
(大丈夫、大丈夫)と自分に言い聞かせる。

さいわい、少人数グループに分けての自己紹介になって一安心もつかの間、
わたし以外の3名は知り合いとのことだった。
この講座は、オンラインのコーチングスクールの主催であり、すでにそこで勉強されている方がメインの参加者だった。

「初心者向けちゃうんかい!」とツッコミたいわたしのような完全なる部外者はまれ。

必然的に、注目がわたしに集まる。
わたしはひたいやせなかに汗をかきながら、パソコンに向かって「自分は右も左も分からないけれど、コーチングを受けて、とても興味を持ち参加した。」しどろもどろに話した。

そこは、みんなコーチとコーチの卵たち、あたたかく迎え入れてくれる。

そうこうしているうちにグループセッションは終わり、メインルームに戻る。

言葉を使った体験ワークの時間が始まった。

決められた一言をどのような感情で言ったかを当てるゲームだった。

お題は、「はぁ~」

だれか「はぁ~」と言ってくれませんか?と講師であるプロコーチが呼びかける。

全員ミュートを貫く。

仕方ないので、講師が一人を指名する。

(あ、さっき同じグループだった人だ。)

そういえば、フリーアナウンサーって言ってたな。
言葉のプロじゃないか。

表情、間合いも完璧な「はぁ~」を披露していた。(さすが!)

回答者はなぜその答えを選んだか答える。
真ん中より少し後ろの順番で回ってきた。
すでに答えた人を参考にしながら当たりさわりのない答えを言う。

ホッと一息つくと同時に残り時間が気になった。

(こりゃ、もう一問あるな)

案の定、講師がもう少し時間あるのでもう一問やりましょうと言った。

じゃあ、だれか指名してくださいとさきほど出題者となった参加者に講師が言う。

その瞬間何かを感じとった。

(やばい、こりゃ来る。ぜったい来る)

ニコニコしながらその人はわたしを指名した。

お題は、「大丈夫」

心配そうな人を安心させる「大丈夫」
詐欺師が言う「大丈夫」
などたくさんの選択肢から、わたしが迷わず選んだのは
大丈夫じゃないとき「大丈夫」だった。

余裕ぶって、詐欺師の言う「大丈夫」を考えてみたが、どう考えても自分ののど、口からそのみなぎる自信は出てこなかった。

やっぱり、今を素直に口に出すだけでいいんだ。

少しの間をおいて、講師がわたしに合図を送る。

言う直前に薄ら笑いが消えて、不安100%の声で「だいじょぶ、だいじょぶ」と2回自分に言い聞かせるように言った。

ゲームは「大丈夫」1回だけなのに、2回言っていた。

投票機能で参加者の回答が集計される。

回答は、大丈夫じゃないときの「大丈夫」と、そっけない「大丈夫」に割れた。

みなさんがそれを選んだ理由を教えてくれる。
「軽い感じに聞こえた」
「声のトーンが下がった」
「目線が泳いでいた」
「励ましているように聞こえた」
などなど。

いや~その通りというみなさんの洞察力と自分に注目が集まっている状況が、逆におもしろくも感じられる。

さいごに、わたしが正解を発表した。
「本当に緊張して、大丈夫じゃなかったので・・・」

講師も参加者もみなさんあたたかった。
きょう初めて画面越しお会いしたはずなのに、信頼関係が生まれていた。

このゲームのポイントは、一単語であっても思った通りに伝わらないということだった。

そういう言葉を読み解き、力に変えていく。それがコーチング。

やっぱりコーチングっておもしろい。
おもしろいけど、やっぱり自分には向いていないかも。
基礎講座受けるか、受けないか、決めるのも自分次第。

フリーアナウンサーのあの人、ついでに話し方も教えてくれないかな。

都会で実践できる農ライフ、読書、ドイツ語、家族などについて「なぜかちょっと気になる」駄文・散文を書いています。お読みいただき、あなたの中に新しい何かが芽生えたら、その芽に水をやるつもりでスキ、コメント、ほんの少しのサポートいただけると嬉しいです。