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牡牛跳び・ポルトガル式闘牛・牛追い祭り

 ご注意・この記事には記事に関連する動画が埋め込まれています。直接牛を傷つけるシーンはありませんが、闘牛の動画ではありますので、ご了承の上ご覧ください。

 以前、ミノア文明についてまとめていた時のこと、参考にした本の中に「牡牛跳び」の画像についての説明がありました。牡牛跳びとはミノア文明の遺跡で絵画や彫刻に描かれるスポーツまたは見世物または神事で、その名の通りジャンプして牛を飛び越しすもの。その解説の中で危険すぎて不可能、芸術的な理想を描いたものとの記述があって、「はて、これは本当に不可能なのだろうか」という疑問を持ちました。
 それというのも以前、牛を殺さないというポルトガル式闘牛を少し調べたことがあって、その印象が強く残っていたためです。この時調べた内容はmixiに上げたのですが、今となっては探し出すのが難しくなってしまいました。
 ポルトガル式闘牛は8人組のチームが徒手空拳で猛牛を押さえ込むのがハイライトになります。初めてポルトガル式闘牛を知ったテレビ番組では、闘牛士たちが牛に跳ね上げられて、本当に人形のように宙を舞っていました。それを思い出し、これなら実際に飛び越すことも可能なのではないか、と思って久しぶりに検索してみました。

 ポルトガル式闘牛について詳しく書いてあったのはこちらのブログ。

 この記事に貼り付けてあったYouTubeの動画からも、激しさが伝わります。

 全体的な流れはこちらの動画の方が解りやすいかも。

 そして動画を探している途中で、よりクレタの牛跳びにイメージの近い動画を見つけました。

 動画の解説にはパンプローナの牛追い祭りとあります。そう言えばこれもテレビで見たことがありますね。牛を追ってるんだか、牛を追われてるんだがわからないお祭り。市街地を牛と一緒に走ってるイメージが強かったですが、動画は闘牛場に入ってからの行事なのでしょうか?1:11以降次々と牛を飛び越えています。最後の一人は失敗してますけど、大丈夫だったんでしょうか。
 次の動画では女性がチャレンジしてます。見ていてハラハラします。

 動物好きとして心がざわつく部分もあるのですが、他の文化で行われていることを上面の理解で批判することもしたくはありません。とりあえず古代のクレタで行われていたものと、現代に行われている行事が(たぶん)似ていて、古代の文化を知る手掛かりになるかもしれない、という視点で紹介しました。

 さてこれらの牛追い祭りの動画を見て「やはり牛跳びは実際に行われていたのだ」と確信し鼻息を荒くしていたところ、次の論文が検索に引っかかっりました。(pdfです
 真面目そうな雑誌のタイトルに、筆者も山形大の名誉教授とのことで信頼のおける論文のようなのですが、そこに「危険過ぎて実際には不可能なの
で、芸術的な理想像であろう。」という僕の記憶とほぼ同じ表現がありました。つまり僕の読んだ本とこの論文の該当箇所は同じ資料から引用されているということ。そしてその部分を読んでみると・・・。
 どうやら僕は資料を誤読していたようです。不可能なのは「牛の角を両手で掴んで牛の頭上で1回転、牛の背中に両足で降りてから更に地上に飛び降りる」という跳び方のことで、牛跳び自体を不可能と断じていたわけではなかったのでした。

 資料の誤りを見つけた気になって浮かれていた気持ちは萎えてしまいましたが、これだけ色々調べたことは無駄ではないと思いたいですね。はぁ。

 自分の書いたミノア文明の記事はこちら。

 トップ画像は大英博物館のサイトから「Bronze Group of a Bull and Acrobat」という収蔵品の写真をお借りしています。(大英博物館のオンラインギャラリーの画像はCC4.0で利用可とのことなので)

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。



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