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【Tap02】久福ブルーイング本島(香川)

 瀬戸内海に浮かぶ人口257人(※2023年現在)の本島(ほんじま)。ここに夫婦2人で営む新たなマイクロブルワリー、久福ブルーイング本島がオープンしたのは、2022年11月のことでした。

 仕掛け人は島の対岸にある坂出市で暮らしていた久保田さんご夫妻で、きっかけは、旅行会社に勤務していた夫の宏平さんが独立を思い立ったこと。妻の真凡さんもこれに賛成し、では2人で何がやれるかと想像を膨らませていったところ、さまざまなご縁が重なり、クラフトビールに白羽の矢を立てました。

 ユニークなのは、宏平さんが旅行会社に籍を残したままのダブルワークであったこと(※現在は退職)。そして、坂出市の自宅を残したまま、本島でブルワリーを開業した“近距離2拠点生活”のスタイルを採っていることです。
 住居から本島までは、隣の丸亀市からフェリーで30分ほどで、「ひとつ忘れ物をしたら、もうその日は醸造作業が行えないので、慣れるまでは大変でした」と宏平さんは振り返ります。

 瀬戸内海の産品を積極的に活用し、瓶内二次発酵にこだわって仕込んだビールは早くも高い評価を得ています。商品名に毎回、001、002とナンバーをふっているのは、「同じレシピであってもタンクごとに毎回味が変わるため」(宏平さん)と、この場所と季節ならではのビールづくりを大切にしているから。

 最近では本島までわざわざ訪ねてくるファンも増えているそうで(私もその1人ですが)、近い将来、東京でも大ブレイクが予想されます。

〈Text By Satoshi Tomokiyo〉


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