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食べられる家

どの渡り鳥かは忘れたが、渡り鳥の中には飛ぶ方向を色で判断している鳥がいるのだとか。

カレーも作りたいカレーが色で道しるべみたいになったらおもしろうそうだな。などとその話を聞いた時に思ったものである。

自分の思い描いたカレーを作るのは難しいが、どこか思っていたものが形になった時はとても嬉しい。

「食べられる家」を作ろうと思い、かれこれ7、8年。あれやこれやと様々な植物を枯らし続け、苦節8年。

「食べられる家」の周りには様々なハーブや野菜、花が植わっている。それぞれの季節で旬の植物が咲き、実を実らせる。そしてその家ではそれらを乾燥させたり、そのまま使ったりしている。「食べられる庭」にはキッチンがあり、日々いろいろな人が集まっては、スパイスを使ってありとあらゆる食材を調理している。それを食べに友人たちがふらっと寄ってくる。調味料はその日に取れたものだ。日が沈みかけてきた頃には料理はできあがり、ワインは冷えている。

空が真っ赤に染まる頃には会話に花が咲き、1日をより有意義にしてくれる。

アーユルヴェーダの教えでは「よく寝て」「よく食べ」「適度な運動」をしなさい。と言っているそうである。そして「自分が暮らしている身近なところで取れたエネルギーが高いものを食べる」というのも言っているらしい。私はこのシンプルで当たり前の教えが好きだ。

ただ、颯爽と過ぎる日々の中ではなかなか当たり前のことが出来ないでいる。

ローマは1日にしてならず、千里の道も一歩から。

何事も始めなくては始まらないので、毎年思い立った時に始めてみることにしている。年々、続ける力は付いてきているので今年こそは「食べられる家」が作れるように頑張ってみよう。

「スパイスは名脇役。主役を輝かせ素晴らしい映画を作ってくれる」

スパイスを説明する時に、たまに口にする言葉である。「食べられる庭」のハーブや野菜たちも様々なスパイスを使うことによって、日々の料理に彩りと楽しさを与えてくれる。四季を自ら育てた植物たちや、自然に生えている植物たちに教えてもらうことによって、楽しさ、豊かさ、美味しさを学んでいけるような気がする。そんな「食べれられる家」にはきっとユニークは人たちが集まってくるのであろう。

まだまだ始めたばっかりだけど、綺麗な夕焼け空の下、ワインを傾けて楽しそうに談笑することだけは妄想ができているのだから、あの渡り鳥のように飛ぶ方角を色で道しるべはできているのであろう。あとは長い旅をひたすらに飛んでいけば良いのだ。飛んで行きたい場所はわかっているのだから。


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