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おさむの詩

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#短歌

鬱病のうた【短歌・俳句】

鬱病のうた【短歌・俳句】

 死を忌む人に
 以下の歌は、句は読めない

 転べば
 立ち上がることも
 無い体

 人生を
 やり直したいと
 本漁る

 「明日死ぬとしたら
 今日は何したい?」
 何も無いとは
 言えないままで

 安楽死は
 こんな感じかと
 天井を見つめる
 午前四時半

 秋風に
 吹かれ無になる
 体かな

 楽しさとは
 一体、何なのでせうかと
 問うて秋風吹く我が径

 飲んでやっと
 落ち

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《詩》山頭火の随筆

《詩》山頭火の随筆

 山頭火の随筆が
 私を救ってくれるような気がした

 空虚な自分を見つめて
 寂しさを抱きしめて
 心の草原に寝転んで、青空を見る

 涼しい風が吹き始める処暑に
 病室の中でのらりくらり

 随分前に買った
 山頭火の随筆集を読む

 少し読んでは栞を挟み
 溜息をついては一休みして
 自由律の句が心に染み入る

 そのうち句の本が欲しくなって
 財布を逆さにしてみるが
 音の鳴る銭が僅かに落

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