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文化の違いというより人はみんな違うのだ

引越して1カ月が過ぎた。

同居もちゃんとしてた結婚生活最初の2年ちょっとを除いて、非日本人とフラットをシェアするのは、17年前にロンドンに引越してきた最初の年以来だ。

その最初の年の非日本人とのシェアというのは、カップル2組を含む総勢10人くらいでのハウスシェアだった。まだまた各種日本の常識が私の97%くらいを占めていた頃だったので、買うたびに翌日半分に減ってる牛乳とか、そのことについてやめてくれと張り紙をしたら、逆ギレ張り紙が帰ってきたとか、キッチンもバスルームもいつもなんか薄汚いとか、で、割と速攻、もう日本人以外とは住まない、と心に決めた。

その後、2ヶ所で日本人とフラットシェアをして、その決断は間違いじゃなかったと心底感じて、元夫と別居した時も、それ以降もずっと日本人とのシェアをしてきた。とにかく、私物を勝手に使われるとか食べられるとかの心配と清潔観念があまりに違うというストレスはないに越したことはない。まあ、今思えば非日本人とのシェアというよりは、あの家がたいがいだっただけな気もするのだけれど。

今は、同年代のオーストラリア人と多分10歳くらい若いブルガリア人との女3人暮らし。シェアが快適かどうかは、ざっくり言うと、清潔レベルと騒音レベルと私物共用物の認識レベルが近いかどうかだと思う。

オーストラリア人の方は、マイペースで、自分絶対優先。誰かが自分のこだわりを侵害したら、黙ってそれを横にどかして自分のこだわりを貫く。洗濯機を使うにあたって、洗濯機の中に残っていた、私の取り出し忘れてたものを床の上に放置しされたのには驚いた。すぐ側に、キッチンカウンターもテーブルも椅子もあるのに床。。。誰かが率先してやっていることは、あの人好きでやってるから私は一歩引いてやらせてあげてるというスタンス。そして私は、この1カ月で2回、最初は素っ裸、2度目は下半身パンツ一丁の姿の彼女に遭遇している。限りなく自由だ。でも、ドアの開け閉めはほぼ無音。無音なのにいきなり現れるから、不意打ちが苦手な私はよく悲鳴を上げそうになっている。

ブルガリア人の方は、若いのにお母さんみたいで各種細々したことを率先してやってくれる。ゴミ出しも10回に9回は彼女だ。というか、別に特別好きでそうしてるわけじゃないけど、気になることは片付けないと気が済まないタイプと見た。ただ何時もちょっと焦ってるので、細かいところまでは目が行かないらしく、キッチンとバスルームを使った後がいつも微妙に散らかっているし、ドアの開け閉めも割とうるさい。

私もブルガリア人の方と似たタイプだけど、私の方がのんびりしてるので、彼女のスピードには負ける。とはいえ、やらせてばっかりでは気がひけるので、彼女がどんどんタスクを済ませてくれるのと引き換えに、私は時間のある時に彼女の散らかした後を、なんでちよこっと拭けないかなーと思いながら、ささっと掃除する。気をつければドアは無音で開け閉めできるけど、時々気をつけ忘れて(もしくは気をつけ方が甘くて)バンッとやってしまう。

そして3人とも私物共用物の境界線の引き方がいい具合に近いのはラッキーだった。

みんなそれぞれちょっとずつ違う面でアクが強い。きっとお互い相手のちょっとしたことに、こやつはそうくるのか...と思うことがありながら、それなりに折り合いをつけて、概ね気持ちよく暮らしている、んだと思う。

違いや好き嫌いはとても主観的なものだ。文化の違いももちろんだけれど、それよりもっと個々の違い。日本の常識は世界の非常識。自分の常識は他人の非常識。

自分の好き嫌いや常識非常識で物事や人の行動をジャッジしたり、キーッとなったり、ストレスを感じたりする前に、自分(の考え)と違うことと良い悪いは別物だということに気付いてみる。
そしてそれを踏まえた上で、自分はどうしたいのかを考える。見て見ぬ振りをできるのか、黙って自分が気持ちいいように行動するのか、相手に事情を説明して変えてもらえるか相談するのか、諦めるのか、逃げるのか。

みんな違ってみんな良いのだし、自分の見ている世界は自分で作っているのだ。

結婚当時にこれに気づいていたら、もうちょっとうまいことやれたのかもなと思ったり、あれがあったから今があるんだとも思う。

日々是好日。一生精進。
((((((((((om))))))))))



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