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『FESTA松本2022』終わったー!

TCアルプの下地です。
10月10日、半年かけて準備をしていた『FESTA松本2022』が無事閉幕しました。

FESTA松本ってなんぞや? と思ってる方は、とりあえずWEBページ見てください。松本市のいろんな劇場や施設で、演劇に限らず音楽、ダンス公演、ジャグリングや野外公演など、20プログラム以上行われた10日間+α の "演劇的フェスティバル" です。

FESTAが終わった直後で、まだ正直、大プロジェクトの振り返りができるほど考えも整理できていないけど、今のコンディションで思っていることや感じてることをとりあえず素直に文字に起こしてみよう。

2回目の『FESTA松本』の関わり方

FESTA松本は、昨年初開催したお祭りで、今年が2回目の開催でした。

去年はもうそれはそれはハードでした。出演本数だけで10日間3作品9ステージ。スタッフとしての参加が2ステージ。演劇公演以外のステージにも関わった。どえらかった。

その反省を踏まえ、今年は「一人当たり出演本数は2作品までにしようね」なんて……

始めは言ってた。

蓋を開けたら、全然2作品じゃ収まらなかった。

ちゃーんと演劇作品に3つ、ステージ数も12ステージ出演した。

……あれ?

また、演劇公演以外の仕事も、若干増えた。

……あれー???

まあ、それでも、出演もその他の業務も「お前ならできる!」なのか「やってみろ!」と任せてもらった結果だし、こんな怒涛のスケジュールは一生に一度の面白い機会だろう、なんて思いながらやってみた。

演技以外もやることがてんこ盛り。

携わったことを一通り列挙してみる。

  • スカパン』7回出演

  • バッタの夕食会』3回出演

  • 髙山植物園第11回公演『あなたがわたしを忘れた頃に』2回出演

  • 『バッタの夕食会』演出助手(※自分ではあくまで演助っぽいことやってる人、と名乗っていたが、周りのスタッフさんから「演出助手」とはっきり言われてしまっていた)

  • 投げ銭イベント『秋の縄手通りカーニバル』出演者のブッキングと運営、店舗へのご協力のお願い、当日の誘導とパフォーマンス

  • 前夜祭司会進行(※開催2日前無茶振り)

  • 大人のチャオ!』司会進行(※開催3日前無茶振り)と歌での出演

  • フリンジ企画 はじめとおおじ『晩秋のツープラトンFINAL』ゲスト歌唱

  • ポスター&パンフレット配布(いつもやってる)

  • Facebookページ管理

思いつく限り、こんなところかしら。

今年の4月から出演者や演出家を交えてのワークショップや作品選び、企画の細か〜い段取りなどで言えば、まあもうちょいある気がしないでもない。フォトショとイラレも結構いじった気がする。

ひゃあ。

司会業は、3年ほどやらせてもらってるローカルラジオ局の仕事を応用できた感じがあったので、他の仕事も全部舞台に繋がるんだなぁ〜なんてちょっと自信になった。

お客様提供の写真。地元新聞社の信濃毎日新聞本社「信毎メディアガーデン」の前で行われた前夜祭の司会進行の様子。
ジャズユニット『伊佐津和朗カルテット』のみなさまにも盛り上げていただきました。

期間中、最後の3日間は、複数プログラムの出演ハシゴだった。
9日目に至っては、朝から投げ銭イベントで商店街を動き回り、屋外公演の『スカパン』を雨の中上演し、終演と同時に客入れが始まっている『あなたがわたしを忘れた頃に』の会場にチャリンコで急いで駆けつけて芝居をした。

ひゃあ。

こうやって書き出してるだけで、ここ数週間抱えている腰痛がずっしり重く感じてきたのはきっと気のせいだぜ!

髙山植物園第11回公演『あなたがわたしを忘れた頃に』はいろんな意味でいつもと違う環境で芝居ができて楽しかった。
ちなみに、この自転車は私物をカッティングシートでヒョウ柄にカスタマイズした。この自転車で会場をはしごしたわけではないが、公演後はこの自転車に乗って生活している。

去年の開催後、別の演目に出演した際に「1つの作品に役者だけに集中できるってのはなんてありがたいことなんだ……」なんて思ったりもした。

けど、このイベントを通して、演じること以外をやっているからこそ、自分の役者としての底力や集中力を測れたり、どういう風にこのイベントを通してたくさんの人と交流をできるかってことを再認識できるのは良いことだと思う。

劇場関係者以外を巻き込みまくったプロジェクト

当然、自分たちだけではとても手が回らないことも多くて、他のメンバーに頼める仕事は頼んだり、ボランティアで関わってくれている街の人たちにも多大なるご協力をしていただいた。街中のいろんなお店にも様々な形でご協力いただいた。

約20のプログラムがあるイベントで、松本制作以外の公演のツアーもたくさんあった。自分が全く関わっていない演目に興味を持ってくれた人が『FESTA松本』の名前を知ってくれるだけでも嬉しい。
また、1つの劇場だけでなく、歩ける範囲で多くの会場があって、なんなら劇場じゃないところも劇場にしてしまう試みは、やっぱり面白い。「何かやってるぞ」と街の人や、観光客にも街でやっていることや雰囲気を知ってもらえる。

お客様提供の写真。
商店街の投げ銭イベントでは、路上に仮設舞台を組み立てて小さな芝居をしたりもした。
連休中訪れた観光客の人達は「何事だ!?」と思ったことだろう。

いろんな業務をこなしながらの作品創作は、役者以外に限らずスタッフさんだってはっちゃめちゃに大変なんだ。まだまだ感染症対策真っ只中。一人でも例の流行りに乗っかったら、芋蔓式に稽古や公演中止があってもおかしくない。都心部でのプロジェクトじゃないからまだできてるってこともあるんだろうけど、にしたってよくできたなーと思う。

わたしは出演以外でも人の目に触れる仕事が多かったので、表現者としてとてもありがたい環境にいた。また、演じながらも他の演目を観に行く機会もあったり、他の稽古場の印象を耳にしたりして、わたしが出演する作品への取り組みにも良い影響があった。いろんな役を演じる中で、凝り固まった思考ではなくなり「こっちではこうしよう」「あっちではああやってみよう」と、演技を考える上での柔軟さや瞬発力を再発見して楽しめたと思う。

むしろ、いろんなことをやってるからこそこういう芝居ができるんじゃい!見せつけてやろうぜ!! という謎の根性論も働いた。

稽古後であろうがなんだろうが、とにかく隙さえあればチラシとポスターを配った。
主催団体の1つ、TCアルプのメンバーだし、役者が挨拶に回ることには意味がある。

来年とか、これから先のこと。

正直、来年度以降の開催は全くの未定だ。
松本の演劇事情は、串田さんが総監督を終えた後は環境が変わるだろうし、半年がかりの規模が来年度続けられるかと言われると、まあなんとも言えない。
でも、新しい風が吹き込むことも大事なので、1つのことを続けてればいいってわけじゃない気もするし。そこは、流れに身をまかせるしかないよねってとこもある。

ただ、続くかどうかはともかく、わたしが先輩たちが作ってきたこの街での演劇文化に恩恵を受けたように、わたしはわたしのできる形で裾野を広げていきたいと思った。

ちょっと話はずれるけど、FESTAに限らず、わたしたちの世代で変わらないことがあったとしても、どんな形であれ演劇が継続する力を本当に持っていれば、少しずつ何かしらの変化があるはずだ。今ここで中途半端なことをやったら、次にこの場所で何かをやりたいと思っている人たちに「お前ら何してくれとんねん」とどこかで怒られるかもしれない。この街に限らず、演劇に携わる人たちへの目線が、良くも悪くも今携わっているわたしたちにかかっている。

だから、今できることを全部やる。

改めて振り返ると、ずーっとそんなことを考えているような気がする。
それは、きっとわたしがもともとあまり演劇に興味がない人間だったから、演劇に対してある種の不信感も常に持っているからこそ、余計にそう思うのだと思う。

とりとめもなく書いたけど、長いのはともかく思ったよりもまとまったぞ!
とにかく、無事、事故も病気もなく終わってよかった。FESTA松本に足を運んでくださったお客様、街の人たちに、心の底からお礼申し上げます。そして、関わってくれた全ての方々に、心からお疲れ様でした、ありがとうございました、ゆっくり休んでください、とお伝えしたい。

……しかし、『スカパン』のツアーが10月末まで続く。水戸、北九州、そして地元に近い横浜での公演が待っている。
さらにそのまま、11月の『バッタの夕食会』高知公演に行く。

久しぶりのツアーだし、やっぱりこんな機会は滅多にあることじゃないので、引き続きできることをできる限り楽しむっきゃないと思っています。
各地で生まれる新しい出会いや再会を楽しめますように。

それでは、また来月。

2022年10月17日 下地尚子



下地尚子の記事はこちらから。
https://note.com/beyond_it_all/m/m1cb913220d43


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