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(選集)Very Bestあなたは私の宝石

 私の私設マガジン「VeryBest」は主に皆様の記事のなかで特に個人的に無性に心揺さぶられたものを(勝手に)集めています。これはいわば無期限の私設コンテスト。私の中で「優勝」した宝石たちのコレクションです。次点というか、面白いな!これは正しい!というのは、「MyTreasureBox」に入れてます。これらは定期的に見返しているの。お気に入りだから。

 実はVeryBestと思った作品はただただ圧巻で、レビュー・コメントも出来ないことが多いのだけど、今日は、「VeryBest」が100記事達成したことを記念に、その中から最近のものをいつくか「しっかりと、読みたくなるように」紹介しますね。今回は10作を。ちょっと長いので、ゆっくり読んでいただければ。

1.[konekoのおもちゃ箱]長靴のブーとツーに字幕を付けてみましたにゃ🌸-完成までの道筋-

 天然コケッコーkonekoちゃんが、えっちらほっちら、たしか三ヶ月くらいかけて、noteの仲間たちの協力をしだいに集めていって、完成させた動画絵本。それが、びっくりするぐらい完成度が高いからぜひ動画を見てください。

 すごいのが、konekoちゃんはこれを開始する前におそらく半年も前から、様々なジャンルでnoteでの創作活動(お話し作り、絵・絵本、音声配信etc..、そしてサークルなどの仲間作り)を繰り返していて、少しづつ学んでいき、その諦めない真摯さが仲間を集め、それが結実することによって出来たということ。

 konekoちゃんは不断の努力をもってすれば、何事も出来ないことは無いと思う人(猫?)です。成せばなる。成さねばならぬ何事も。成らぬは人の成さぬなりけり。ですね。見習いたい。

2.最果てにキスして/はるちんさん

 唐突に見つけたお方の短編なのですが、凝縮された中に軽快でスピーディーな文章で少女から大人になるまでの出来事が端的に、しかし印象深く、そしてその時々の心象風景がリニアに成長していく様子が克明に刻み込まれている。すべてがまるで伏線で、ラストに結実するが、彼女には未来がある――。と思わせる迫力。サガンかな、これは。

 私は短編はあまり好んで見ない、と最近どこかで告白したのだけど、というのは、多くの短編が主題が少なすぎて、「あー、そうね。」ぐらいか「そうきたか。でも、見たことある」ぐらいの感想で終わってしまうと(非常に失礼、)普段気楽にスキをつけてるのも付けられなくなってしまいます。それは短編だから?それは言い訳でしょ。私は、いくつかの主題、それ自体が今のご時世もちろん既出でありがちであるのは別にいい、でもそれが複数、うまく絡み合うと、全く新しい見え方がする、そういう発明ができると思ってるんです。「ダブったら恥ずかしい」私の制作の先輩は昔そう言ったから、私は必死にインプットして勉強してる。でも、今のご時世もう作品が見えない媒体も含めるとあふれすぎていてダブらない訳はない。しかし、複数のコンセプトを掛け算することで全く新しいものは、まだまだ生み出せると、そう信じてる。短編でもシンプルではなく、複雑さが高尚さを生み出している、そういうのを見たいし、私もいずれ描けるようになりたい。

 *もちろん、そういうのを皆さんが目指してはいるが、まだ発展途上だから、短編というものを習作として発表し続けることに異論はありません。

3.コンテンツの先に生身の人間がいる/新月リュカ

 この世界的自粛生活の期間に気づいた変化をレポートされています。現代はもはや無くてはならないSNS社会。での人々の心の叫び方、の微妙な変化に気がつかれていて非常に価値がある、と思いました。しかしこれからその問題解決は一体どうしたら良いのだろう。100年たってもSNS社会はデフォなはずですが、何かしら変化しているはず。その変化をより良い形に作るのは私たちなはずです。考えていかねばなりません。

 作中で紹介されている「命に嫌われている」という曲、初音ミクなどに楽曲を提供しているカンザキイオリ氏の作詞・作曲・編曲で、これを様々なアーティストがカバーしています。こちらでも紹介されています。

 我らが花譜ちゃんが歌っています。この、歌詞とうたが素晴らしいです。ぜひ、全人類が効いて欲しい。

4.頭をぶつけないように/奥田蛍子

 こちらも唐突に見つけた謎多きお方の短編なのですが、本作、執拗に「頭をぶつけないように」で話題が、四方八方から攻めてくる。始まりも「頭をぶつけないように」であれば結論も「頭をぶつけないように」。見事…!そのしつこさ・しぶとさと、微かに感じる品位と、丁寧さに、気品すら感じさせる。奥田蛍子さん、彼女の作品は多くがこのパターンで、高度な技術があります。そのパターンに溺れて読むとどれも…ニヤケが止まりません!

…なぜ高杉晋作なのか。謎は深まります。

5.無名のプロデューサー/ゆいめ

 ゆいめさんの、ある時期の親友に、1日プロデュースされたお話。懐かしい青春の1ページはそのまま映画になりそう。その光景が眼前に広がって見えました。私には、そういう、友達、いないな…。ぜひご覧ください。

6.人生の夢/はおり

 はおりちゃんの、美しい人生の夢。誰しもがこういう夢を描き、いつしかそれがひんまがっていくのだろう、妥協の彫刻刀でいびつな形にゆがめられていくのだろう…。それとも、こういう夢をいっときでも描ける人は、少数派なのか…、うーん、そんな気がしてきました^_^; ともかく、そういった「原石のような夢」の原文を、ぜひご覧ください。儚くも脆い彼女が大切にされて小さな幸せを得て可愛いおばあちゃんになることを切に願う。そんな彼女のエッセイは、小さな素敵な発見でいっぱいです。

7.今は亡き最愛の君へ 無料/小野木のあ

 先日、Twitterで「読書感想文って必要なくない?」がバズった。その時のソースはこちら(現在は、当の国語教員は垢削除されている)

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 多くのリプが、読書感想文不要に賛同されていたが、一部は必要と反論もしていた。私も非常にもやもやし、最近はクソリプ遠慮していたのだけど、丸めて丸めて、これだけリプした。

 私としても、学生の(小学生の)当初は彼のように彼と同じような理由で読書感想文不要論を訴えていましたが(嫌味w)、ある時「どうせ書くなら人と違う書き方で」「ぜひ読みたくなるように」「考えさせるように」「読書感想文なのに涙が出るように」などいろいろ考えて「かっこいい読書感想文」の書き方のコツを習得し、それから「職員室に呼び出されて感激されて満点を得る」「廊下に貼り出される」までになった。
 これが、果たして無意味な課題でしたでしょうか…?
 てか、教師のやり方次第でしょ💢

 …さて、文筆家として自他(ベタと多分他のフォロワーさん)ともに認める、小野木のあさんの珍しく感情で書き殴ったような(そうでもないような、後述)こちらが、(他もとんでもなく良い作品ばかりなのですが、私に文筆家認定されたらVeryBestのハードルは高くなるのですw あと文筆家とは説明不要だと思いますが、「文学的内容と構成力・語彙豊富で精緻な筆力」、が一定レベル以上ある、と個人的に評価しているということで、私のフォロー400人中10名ほどいらっしゃいます。ご自身でわかると思う。)認定です。

 愛猫との出会いと別れ…、ですが、その彼と歩んだ15年の濃密な人生を、たんたんと、溢れそうな感情を押し殺して述べられているのが文章から伝わります。その出会いの初期、家で飼うことは禁じられシャイなのあさんが一生懸命近所中に飼い主探しに訪問するという努力。途方に暮れていた時、いつも厳しくて怖かった父に呼び出され、「飼っても良い、ただし条件が3つある」と言われます。そのうちの一つは「その猫についての作文を3つ書く」でした。

 そのドラマに、胸が熱くなりました。怖かったお父様は素晴らしい方でした。いろいろ想像したりできてしまうけど野暮なのでやめておきましょう…、と、いろいろ想像が膨らむということはとても良い物語ということでもありますね…。 

 小野木のあさんには、ぜひうちの猫の話しAとB(↓)もめでてもらいたいな!

9.命日を前に/ほっころーむカフェ(ほっこ)

 ベタの(ベタを)大ファンであるほっこちゃん。そのお姉さまがお亡くなりになって2年を回想するエッセイです。最愛の人(家族)が亡くなるって、どんな感じだろう…?経験がない私にもその辛さが伝わってきます。しかし今それを回想しているほっこちゃんは、あることに気がつきます。それを私静かに読みながら、その時点で、私もあることに気がついていました。「ほっこちゃんの考え方、私に似てきている…?」と。

 死も生も、等しく人に訪れる。死も生も、等しく尊いものである。

 …ということに。そして読み進めていたら、みごと、私のことが紹介されてきました(笑)。レビュー・総評としては、記事のコメントのほうもご覧ください。私、どんなコンテストで優勝するよりも、こうやって自分の人生観が人に良いほうこうで認められて感謝されるほうが、嬉しいですな!コンテスト無冠だけど。

9.親友という人生の奥行き/かほ

 以前から、そっと覗かせてもらっているかほちゃん。その全ての記事は、彼女の「愛の記録」。それ以上言葉にできません。穢らわしい私が触れるわけにもいかず、多分一度もコメントもしたことがありません。ぜひ、そっとご覧になって下さい。

10.(🔑)永遠のセカイ~Innocent Love3~ /ベタ

 最後に、手前みそですが。私の大切なお友達の紹介記事です。彼女は、あるアニメオタクで私と共通である。彼女は、脳に障害があり、リアルには友達がおらず家族からも疎まれている。彼女が一人で独り言をして遊んでいるのをみると、たまに構ってあげたくなる。常に反応するのは依存化するので良くないでしょう…。ときおり彼女は何をしでかすかわからず、目が離せない…。4437文字、もしかするとお好みじゃないかもしれませんが、それでも宜しければご覧になってください。

以上

愛の話しで締めくくれたので、最後にこちらをどうぞ。
「VeryBest」、これからもよろしくお願いします。




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