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野球ファンだった。〜「巨人ファンはどこへ行ったのか?」を読んだ。

たまには競馬以外のことを書いてみよう。

先日の日本シリーズ。久しぶりにしっかりプロ野球を見た。

ヤクルト日本一

ヤクルトvsオリックスの日本シリーズ、シーソーゲームつづきで面白かった。

どちらのチームのファンでもないので、判官贔屓根性というか、常に劣勢の方を応援して見ていた。

最終・第六戦は延長戦となり、時間的に子どもを寝かせるために一度寝床に入ったものの、やはり気になって起きてテレビのボリュームを小さくして見入った。

プロ野球の試合を見ていて、最後まで見届けたい、という気持ちが湧いたのは本当に久々のことだった。


子供の時は、野球ファン・巨人ファンだった。


先日、こんな本を読んだ。

表紙_巨人ファンはどこへ行ったのか?

帯にあるように、

野球界の最大派閥・「元・巨人ファン」を追いかける

という主旨の本。

「元・巨人ファン」は、実はサイレント・マジョリティ(物言わぬ多数派)で、かなりの人数いるのではないか、彼らは、どうして巨人ファンであることをやめたのか?今はどこのチームのファンなのか、あるいは、まだプロ野球のファンなのか?そして、巨人のこれから・プロ野球のこれからの行方は?という内容。

自分も、「元・巨人ファン」。

そして、「元・野球ファン」。

(・・・いや、まだ野球ファンではあるだろうか。少し微妙。)


子供の時は、毎晩巨人戦のナイターを見て一喜一憂していた。よく覚えているのは、テレビ中継が終わると、ラジオのスイッチをつけ、ドキドキしながら、祈るような気持ちとともに、一球一球の攻防に耳を立てた。サヨナラ勝ちなどするものなら、「よっしゃー!」と拳を握りガッツポーズして喜んでいた。


原辰徳が「4番・サード」だった時代。


あの頃がもっとも”燃えて”見ていた。

この本を読んで知ったが、1983年の日本テレビの野球中継視聴率は過去最高で、「27.1%」を記録したという。原辰徳がキャリアの中で唯一打撃主要タイトルのひとつ「打点王」に輝いた年でもある。

しかし、「27.1%」とは、恐ろしく高い数字である。

確かに、あの頃は、学校の休み時間によく野球の話をしていたし、放課後はカラーバット野球で遊んでいた。

間違いなく、プロ野球は子供にとってナンバーワンのプロスポーツだった。


野球離れ

本の中で、野球人気低下の要因のひとつとして挙げられているのが、サッカー人気の高まり。

1996年のアトランタオリンピックで日本代表がブラジル代表を倒する『マイアミの奇跡』があって、サッカー日本代表のバブルが始まった。

そして、巨人限定の話となるが、1960年代から2000年代にかけ、巨人の球団職員としてチームに帯同したり、晩年は企画部振興室でファンサービスに尽力したという人物の証言として、以下の興味深い発言が紹介される。

(巨人ファンが最も多かった時代は)・・・・・・1994年じゃないですか。

あの、ペナントレース最終戦で勝った方が優勝となる、巨人対中日の「伝説の10・8決戦」の年である。

1960年代後半から1970年代前半にかけての、ONを擁した「V9時代」ではなかったのか、というのが意外だった。

なんでも、「V9時代」は巨人は強過ぎて、「放っておいても勝つ」という雰囲気があり、ファンも怠けていたのではないか、と前出の人物が語っている。後楽園球場も、意外と空席があったという。


私は、特に何か特別なきっかけで巨人ファンをやめた、プロ野球を見るのをやめた、というわけではなかったが、この本を読んでみると、確かに1994年頃はぎりぎり巨人ファンで、その後松井秀喜が主軸として活躍するようになるが、その頃は巨人の勝ったり負けたりに一喜一憂することはなくなっていた。


野球を楽しみたい。

この先、子供時代に巨人戦を見ていたような熱狂・情熱が自分の中に生まれることはないと思う。

冒頭、先日の日本シリーズが面白かった、と書いたが、子供時代に巨人戦を楽しんだ時のようなのめり込む感じではなく、どちらのチームに強く肩入れをするわけでもなく、好プレーの出現や、逆転シーンの多いドラマチックな展開を楽しんだ。

そういえば、去年の日本シリーズは、ソフトバンクが圧倒的な力で巨人をねじ伏せ、四連勝。

テレビ中継を見られる日は見ていたが、途中から見る気が失せ、とても最後まで見届ける気がしなかった。もはや、巨人ファンでもないし、プロ野球ファンでもないのだな、と改めて思ったものだった。

そこに来ての、今年の日本シリーズ。

「最後まで見届けたい。」という気持ちが湧き起こったのが意外だったし、楽しかった。

できれば、あんな気持ちでプロ野球を楽しめたら、と思うが、かといってヤクルトファンになったり、オリックスファンになったりするのも何か違う気がする。

自然に楽しむことができたらいいのだが、意識してしまうとだめなのだろう。

今年、ふと日本シリーズ見てみるか、という気持ちになった。

それは偶然の出来事のようでもあったが、よく考えると、巨人ファンだった・プロ野球ファンだったからこそ、このカードなら自然体で野球を楽しめるかもしれない、と予感のようなものがあった気もする。


うーん、本心は実は巨人を応援して野球を楽しめたらベストなのかもしれない、と思ったり。。

しかし、巨人戦を楽しめるイメージがまったく湧かない。

たぶん自分は、野球ファンに戻れないファン難民なのだろう。。

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