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長月末のテクスト:秋の空と心の裏面
思えば、9月も幕を下ろそうとしている。2022年も余すところ3分の1といったところだ。
秋風に吹かれて、彷徨い人はなお歩む。9月といえば、本当にさまざまな事があったように思える。国論を二分したあの国葬儀さえ、いつのまにか終わっていた。日の沈むスピードは日増しに加速し続け、金木犀は街場を彩る。日本の秋というのは、善き四季の最上位にほかならない。
めくるめく明滅する時節を輪廻しながら、いまほど心の安堵と底知らぬ不安とが混在するアンビバレントな時分を痛感する刻もまたない。絶妙な季節のはざまに閉じ込められつつも、しかしまた神去りましし神無月の訪れを、厭でもうけとめねばならないのだ。今日日の私心にしてみれば、四季とは残酷そのものである──。
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