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真夜中は静謐:独歩彷徨の短文

最終電車が終ったあと、都市は息をひそめる。
あれだけ人流の著しい大型連休も、大都の喧騒も、すべてが最初から無かったかのように。

静かな夜は、月と音楽だけが生の証だ。誤って用水路に落下しても、踏切に気付かず盲進してもならない。しかし、いやに自由で、それでいて肩身の狭きひらかれた長い夜に、たまの休日は彷徨いゆくのもまた悪くない。そしてまた、正気の陽の下に還るものである。

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