紅色

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紅色

海辺の小さな街に暮らすクリエイター。古くて新しいものを作っています。 https://shop.beside.blue/ メインのSNSはInstagramです→https://www.instagram.com/beside_blue

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  • 小話

    ほんの小話よ

  • 仕事と私

    BESIDEというブランドを運営する上で思うこと。 作品のことなど。

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    言いたいことが書けたな、っていう。

  • これだけは言いたかった

    持論、雑感です。

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たかが犬のことと言わないで

我が家には今、愛する犬1匹と猫2匹がいる。 私たちはちょっと種族は違うけれど家族であって、『ペット』という感覚はない。 そしてこの子たちは元々みんな事情があり、人間のエゴの犠牲者だった。 この子たちそれぞれとの出会いにも訴えたい物語はあるのだけれど、今回は今はいない犬たちの話をしたいと思う。 7年前の冬のこと。 長野から千葉に移住し2年。 中古住宅を買ってコツコツとリノベーションしながら暮らしていたが、家のことでも大きくお金がかかった上に、車の修理や身内の病気なども重

    • 100分の3

      最近、ひきこもりがちな作家の私にしてはよく人に会っている。 田舎暮らしでネット販売がメインだと、外に出ないで誰とも会わずに完結する事も多いのだ。 だけど先月からだけでも台湾でのイベントや、今月は東京ビッグサイトで大勢の人に出会い、プライベートでも友人たちと何度か会った。 機会があったからというのもあるが、私は意志を持って出ている。 人と会うこと。 ご縁を大事にしたいのだ。 一年前、招き猫を買った。 有名な招き猫屋さんらしい。 義父がどこからか評判を聞きつけ、商売をしてい

      • その言葉、200円の価値じゃない。

        「お釣りはいいです。」 この言葉がこんなに残ると思わなかった。 言ったのが若い男性だったからだろうか。 最後のお客さんだったからだろうか。 次の作品も期待してますと応援してくれたからだろうか。 先日東京ビッグサイトで開催されたCreema主催の巨大クラフトイベント、Handmade in Japan Fesの最終日の閉店間際のこと。 「やりましたねぇ、最高ですねぇ。」 とニヤけながら近づいてきた彼に、 「やっちゃいましたよ、最高でしょ?」 いつものように軽い感じの接客

        • 楽しいことを考えろ

          この普通とも言える言葉に出会ったのは、映画『PAN』の普通じゃない一場面。 まだ自分が飛べるとも知らない、孤児院から奴隷として連れてきたピーターパンを崖から落とすという処刑の際に、悪の親玉黒ひげが言い放ったセリフだ。 「楽しいことを考えろ。」 いや無理だろ。 楽しいことなんて考えられるワケがない状況。 無茶言うなよと思ったけれど、なんと落とされたピーターパンは、この絶体絶命すぎる状況でも地面ギリギリで楽しいことを考え、実は妖精の血を引く者だったからそこで覚醒して初めて飛

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        たかが犬のことと言わないで

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          何を選びますか

          とある嫁姑の物語。 始まりは激しく結婚を反対された40数年前に遡り、そこから数々の確執を越えて、最期は優しく看取った物語。 ひとことで良いところだけ摘めばそういう物語になるのに、現実は優しいだけでは終わらない。 日々小さな恨み辛みは山ほどに積もり、それでも世間体を気にして表面上尽くし、さらに恨み辛みに悪口三昧に、でも一生懸命に尽くし。 最後は姑が倒れて、そのまま動けずトイレに行けなかったことを嫁はバカにした。 それでも一生懸命尽くし、汚れた畳を掃除したのも病院に連れてっ

          何を選びますか

          それは自分で決めろ。

          またもや『ハンドメイド界隈』と言われる界隈で価格問題が話題になっている。 それはいつもTwitterのタイムラインに流れてくる誰かのいいねなどで気づくのだ。 元ツイートの訴えとしては、ハンドメイド作品は安くしすぎの人が多くてこのままでは業界全体が潰れちゃうから作家全員で一緒に値上げしよう的な。 そして賛否両論の意見が交わされ、追随する作家も多く出てくる。 どうせ原価安いんだから安くしろとか買い叩かれる人もいれば、趣味の延長なのでと安い値段しか付けられないという人もいる。

          それは自分で決めろ。

          千葉台風被害でライフラインが止まるという体験から。

          私が住むのは千葉外房。 海辺の町ではあるが海から7km、震災の時も色々あったが復旧も早く、無事と言えば無事だった場所だ。 台風だってこの時期はよく来る。 その度に庭の鉢植えを玄関に入れる程度の対策で済んでいた。 ただ今回は、台風の被害とはこういうことかと色々身をもって知り、考えることになる。 台風情報と当日一応ネットニュースで台風が来るという情報は見たという程度。 いつものように小さな鉢植えだけ玄関に避難させ、雨戸すら閉めない無防備振りで眠った。 元々北海道出身の私

          千葉台風被害でライフラインが止まるという体験から。

          私の自由を守りたい

          幼い頃、将来は国家公務員か銀行員になるようにと言われるたびに、私はデザイナーになるのと答えていた。 デザイナーとはどんな仕事なのかも知らずに。 ただ、チラシの裏に絵を描きながら、きっとそれは私のアイディアや描きたいことを表現できる自由な世界のような気がしていた。 北海道の片隅にある町では、当時東京のことなんて外国のことと同じと捉えている人も多く、東京の大学に入ることよりも地元の有名進学高校に入ることの方が信用があり、その方が大人たちのプライドを満足させた。 そしてそこか

          私の自由を守りたい

          私が作る世界、あなたがくれる世界。

          私はちょっとアート寄りのクリエイターである。 ハンドメイドの自ブランドとしてBESIDE(ビサイド)を運営し、主に希少なアンティーク着物でスマホケースやアクセサリー、オブジェなどを作っている。 その他全く趣向は違うけど、Tシャツやバッグ等のオリジナルのゆるいイラストグッズも。 そしてこれらをBASEをメインにネットショップで売っている。 また、creemaなどのモールにも出品し、月に一、二度都内のイベントなどに出店もする。 そして年に一回個展やグループ展が出来るかなと

          私が作る世界、あなたがくれる世界。

          骨になる前に言っておく。

          あの夏、私は長野にいた。 北海道で生まれ育ち、東京での仕事を経て長野に嫁ぎ、千葉に移住して暮らしていたが、長野にいる夫の祖父が亡くなったのだ。 長く介護生活が続いていた祖父とは何度か会って、少しだけ介護の真似事をした。 いつも何もわからない状態だと言うけれど、私たちが行った時はよく笑ってくれたし、目の光も良く、喜んでくれていたのはわかった。 そんな祖父の前で、夫の母と祖母はイライラ、チクチク。 しょうがない、40年ものの嫁姑の確執だ。 今更何をどう言っても変わらない。

          骨になる前に言っておく。

          相手の利益を守れますか。

          これがここ数年の私のテーマである。 まず先に相手の利益を守れるか。 だからといって自分が犠牲になるという意味ではない。 ある日私はウンザリしたのだ。 損得を考えて賢い選択をしようとする自分に。 私は自分のそういうところが好きになれなかった。 だからもう止めたんだ。 先日参加したイベントでも、ちょっと考えさせられる出来事があった。 向かいのブースの若者たちは搬入時から通路いっぱいに荷物を広げ頑張っている。 そして開店すると大きな音でBGM、モノを配っての客引き、しまいに

          相手の利益を守れますか。

          真夏の絶対注意喚起

          うだるような暑さが続く8月。 北海道出身の私は、本州で暮らすこと12年目にしてやっと熱中症にならなくなった。 梅雨に慣れてきたのも最近だ。キツいけどコツが掴めてきた。 だけど季節の匂いは好き。 雪の匂い、春の土の匂い、雨の匂い。 そしてもうすぐお盆が来る夏の匂いがする。 結婚してからお盆は長野県の夫の実家で過ごしているのだけれど、今回は少し特別。 夫の実家で愛されたトイプードル、ケビンさんの初盆だ。 内弁慶で怖がりで、義父のことが大好きで。 義母には威張るのに甘えん坊

          真夏の絶対注意喚起

          成り行きにそれらしい理由をつける

          私は人の顔を覚えるのが苦手だ。 昔は似顔絵描きのアルバイトもしていたのにな。 もちろん見れば認識できる、友達の顔も会えばわかる。 だけど、じゃあねと別れた瞬間から、ぼやけて判らなくなってしまう。 眼鏡をかけていたかどうかも、一重か二重かも、どんな髪型だったかも、どんな服を着てたかも。 よっぽどその日の印象に残ってないと覚えていない。 お洒落してたかもしれないし、メイクが決まっていたかもしれない。 肌が荒れてたかもしれないし、髭が伸びてたかもしれない。 さっきまでずっと見て

          成り行きにそれらしい理由をつける

          動力になるということ

          なんでも過ぎてしまえばあっという間で。 東京ビッグサイトで開催されたHandMade in Japan Fes に参加したのも先週の話。 HMJと略されるCreema主催の国内最大級のクラフトイベントだ。 今回で5回目の参加になるのだけれど、ギリギリまで出店するかどうか迷っていた。 出店料もそこそこするし、什器レンタルや荷物の配送、宿泊、交通費、そして作品制作の経費、手間、時間、、、諸々+人件費と利益と考えると、今の私の実力では見合わないのだ。 前回までも赤字にこそなら

          動力になるということ

          巨匠動物園とは

          最近巷でちょっとした話題の巨匠動物園。 一部ファンの間ではかなり人気の巨匠動物園。 今日はこの巨匠動物園というものについてお話ししたいと思う。 私の運営しているBESIDEというブランドでは、アンティーク着物や世界の紋様、ビンテージファブリックでスマホケースやアクセサリー、オブジェなどを作っている。 一方これとは別に、うちの旦那の絵が下手過ぎることから始まった『巨匠シリーズ』がある。 その始まりは、遡ること12年前。 まだ結婚する前、東京で気の合う仲間内でよく飲んで

          巨匠動物園とは

          Instagramでの世界観の統一は、そこまで重要なのだろうか?

          「Instagramは世界観の統一は絶対ですよ、世界観こそがInstagramですよ。」 今年ショッピングサイトのコンサルタントに言われた言葉だ。 まあ確かに、ショップ用のInstagramを運営しているのだから何を売ってるのかわからないようでは困る。 プロフィールページでは一目で何屋さんでどんな商品があって、どんな雰囲気なのかがわかることは必要だ。 その雰囲気が好きかどうか、その雰囲気と自分が合うかどうかで今後も見たいかどうかが決まる。 フォローするかどうかの第一関門

          Instagramでの世界観の統一は、そこまで重要なのだろうか?