巨匠動物園とは
最近巷でちょっとした話題の巨匠動物園。
一部ファンの間ではかなり人気の巨匠動物園。
今日はこの巨匠動物園というものについてお話ししたいと思う。
私の運営しているBESIDEというブランドでは、アンティーク着物や世界の紋様、ビンテージファブリックでスマホケースやアクセサリー、オブジェなどを作っている。
一方これとは別に、うちの旦那の絵が下手過ぎることから始まった『巨匠シリーズ』がある。
その始まりは、遡ること12年前。
まだ結婚する前、東京で気の合う仲間内でよく飲んでいた頃の話だ。
記憶だけを頼りに、そこにあったペーパーナプキンに絵を描くゲーム。
ドラえもんとかアンパンマンとか、みんな知ってるはずなのにどこか曖昧で、誰が一番上手いとか誰が一番遠いとか競って笑うだけのただの酔っ払いの遊びだった。
そこにひとり、異才を放つ人物がいた。
ハハッ
ミッキーマウス!!
夢の国、てか夢に出てきそうな、、
これは見やすく私がその後トリミングしたものだけど、原画もなかなかの衝撃だった。
みんな上手いか下手か、イメージと近いか遠いかだけなのに、この人だけ毎回斜め上のものを出してくる。
そう、その人物こそがのちに巨匠と言われる男、そして私の夫となる人である。
そして時は経ち、結婚後も時折描いてもらっていたのだが、私が出し続けていたお題は動物が多く、不思議な動物ばかりの『巨匠動物園』は生まれた。
牛ですけど。
顔の形、表情、足先、お乳、、InstagramにUPすると四方八方から自由にツッコミが飛んだ。
そのうち哺乳類だけに留まらず、鳥類、魚類、爬虫類、両生類にも手を出していく。
え?
そう、カエルです。
この独特かつアホそうだけど悪いやつじゃなさそう感、カエルってどんなんだっけと混乱させる感じ。
そしてこんな絵だってのに巨匠の筆には一切迷いがない。
フォロワーさんから、悩んでいたことがどうでもよく思えてきたわという意見も多くなった。
そして動物に加えてアニメシリーズも。
バーバパパ。
ひどい。笑
抜けた歯でもなければ米の妖精でもない。
世界の名作バーバパパ。
これはのちに私によって色を塗ってグッズ化されるが、色々アレなので販売はしないけど。
例えばムーミンもそう。
ムーミン、、、
かろうじてニョロニョロ!
そして、やっぱこの絵でも権利問題は発生するのかな。
そうだ問い合わせてみよう!と、ピーナッツジャパンに問い合わせてみたのがこの絵。
そう、みんな大好きスヌーピー。
左の生きる気力の感じられない子がウッドストックです。
スヌーピーの前方に出ている突起物は手なのでお間違いなく!
そしてこの絵を添付して、これでグッズ化したら問題あるか問い合わせてみた。
まあ、こんなん構ってくれるわけもないかと思っていたら返信が来た。
「クオリティに関わらず、制作販売すると問題が生じる可能性があります。」
クオリティに関わらず。笑
変なこと聞いてすみません、そして答えてくれてありがとう!
とにかくこのようにして巨匠動物園は生まれた。
とはいえ、巨匠本人は描きたい訳ではない。
全く絵心がない巨匠は、出来れば描きたくないのだ。
描かせたいのは私だ。
そして子供の頃から絵を描き、習い、デザインの学校へ行き、多少絵の仕事もしてきたのは私だ。
だからこそこの絵が羨ましい。
描こうと思って描ける絵ではないのだ。
この絵には上手いも下手も、技術も挫折もない。
そんなことにもがいた日々がなんだったのだというくらい、軽やかにアホみたいに斜め上を行く。
そしてまた軽やかに、人々を笑顔にしていく。
これは一種の才能だ。
この絵を描かせるために、そしてそれをインスタのネタにするために(笑)、私は巨匠の好きなおかずを夕食に用意し、美味しいコーヒーを淹れてデザートを出し、機嫌を取りつつペンと紙を出し続けるのだ。
そうして作品は増え、巨匠ファンも増え、人気投票をしたり、リクエストに応じてグッズやLINEスタンプも3まで作り、去年の私の個展では別室に巨匠動物園ブースも作った。
少しずつこの面白さをわかってくれる人が増え、多くの人に届けることが出来るようになってきた。
そんなある日生まれたのがこの作品。
フェルメールの名画、真珠の耳飾りの少女を見ながら描いた作品。
つまり模写である。
ポッコリお腹!顔!手!ボトムス!
そして真珠の耳飾りの少女だっつってんのに耳飾りどころか耳すらない!!!
これは奇跡が起きたとすぐに取り上げて色をつけ編集、すぐにグッズ化に取り掛かった。
青いハチマキの子の誕生である。
無駄に豪華な額縁を付けたポーチやトートバッグが人気で、意外とギフトラッピングでのオーダーも多い。
プレゼントにしちゃうのね。
アホかわいい。笑
こんな感じで、巨匠の意思とは関係なく、その才能を発揮してもらっている。
そしてこの青いハチマキの子Tシャツが、ネットの他イベント販売でも人気が出てきたと思った矢先のこと。
minneの沖縄Tシャツコンテストで、このシーサーTシャツが一次選考を通過した。
春に石垣島でたくさんシーサーを見てきて、描いたのがこの菱形口のトカゲチックな‥
それに明るい色と模様で無理やりシーサーへ持って行くというパワープレーではあったが、、巨匠作品がメジャーな場で認められた第一歩!
そして、来週末のCreema主催のハンドメイドインジャパンフェスに、今回はこの巨匠シリーズメインで参加しようとしている。
いいのよ、無謀なのはいつだって無謀。
このゆるくてアホ可愛い巨匠グッズで、どこまで行けるかな?
ひとりあれこれグッズの制作は何かと大変なんだけど、真面目にふざけるためには手間もお金もかかるのだ。
でもちょっとやってみる価値はある。
なんたって、楽しいしね。
ちなみに。
『 美しい妻 』というお題で描いてもらった私の似顔絵がこちら。
アイツ絶対許さない。
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