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心理カウンセラー 2015年から『警察官の心の支援の仕組み作り』についての研究を始める…

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心理カウンセラー 2015年から『警察官の心の支援の仕組み作り』についての研究を始める。 24時間365日警察官とその家族、パートナーの悩みに寄り添うことのできる仕組みを構築することが目標‼︎ 「警察官の心の支援」研究会所属/日本トラウマティックストレス学会所属

最近の記事

兵庫県警察機動隊員の自死について④

四 PTSD(Post Traumatic Stress Disorder)とPTSI(PTSI(Post Traumatic Stress Injury)  PTSI(Post Traumatic Stress Injury)という概念をご存じだろうか? PTSI(Post Traumatic Stress Injury、心的外傷後ストレス損傷)とは、従来のPTSDと同様に、強いストレスやトラウマとなる出来事を経験した後に生じる精神的な苦痛や障害を指すものであるが、「損傷

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    • 兵庫県警察機動隊員の自死について③

      三 累積ストレスからトラウマへ  木戸巡査の自死について、私は「累積ストレスによるトラウマ」がPTSDへと発展したことによるものであると考えている。また、このPTSDはハラスメントによるものであるとも考えている。  一般的にトラウマ的な出来事とは「人の通常の対処能力を遥かに超えた強さや大きさの出来事」のことを指し、強い恐怖や無力感、激しい不快感などの症状を伴うことが多いものである。トラウマの始まりが日常生活のストレスの蓄積というのも珍しいことではない。累積ストレスはバー

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      • 兵庫県警察機動隊員の自死について②

        二 権威主義と過覚醒  警察社会は階級社会である。また、警察組織は職階とは別に(警視、警部、警部補、などの)階級が設けられているため、他の組織に比べ上下関係がはっきりし、上意下達が徹底されている。警察組織において、しばしば上位者に対して下位者の服従がみられるのはそのためである。警察官は職務規範としてその構造を受け入れていることから権威主義的傾向にあると考えられる。  人間の行動や判断の基になる考えをパーソナリティというが、人が生まれつき備えている性格的なものに加えて家庭環

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        • 兵庫県警察機動隊員の自死について①

          一 端緒 2015年秋、兵庫県警察機動隊の同じ部隊に所属する警察官2人が相次いで自死を選択するという事件が起きた。いずれも先輩や上官によるパワハラが原因であるとみられているが、同年12月県警は聴き取り調査の結果パワハラはなかったとしている。 2017年10月、遺族の木戸一仁さんと奥様は愛息が誇りを持って奉仕した警察組織を提訴するという苦渋の決断を下した。当時、隊員わずか20名編成の小隊で、たった一週間で二人の警察官が自ら命を絶ったという異常事態を報じる媒体は多く、特に201

        兵庫県警察機動隊員の自死について④

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          災害救助に向かう警察官とそのご家族に向けて

          2011年3月11日14時46分頃に発生した東日本大震災は、当時日本国内観測史上最大規模とされた。宮城県北部で最大震度7、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などでは震度6強を観測している。北海道から九州にかけて震度6弱から震度1の揺れが見られたことから、ほぼ日本列島全域が揺れたことになる。また、宮城県、岩手県、福島県を中心とした太平洋沿岸部を巨大な津波が襲い甚大な被害がでている。 能登地方を最大震度7の地震が襲ったのは、東日本大震災から13年が経とうとしていた今年2024年元旦の

          災害救助に向かう警察官とそのご家族に向けて

          警察官の心の支援はなぜ必要か⑤

          五 警察官の心の支援 残された課題 警察官の心の支援の必要だと感じる点について①ではその背景を自然災害と人的災害の両面から、②では警察官の職業文化とストレスが(家族を含む)警察組織外の人間関係に与える影響という視点で、③では組織の中の警察官という立場がストレスを作り出した結果が不祥事に繋がるという懸念を、④では米国には警察官の心の支援についての学ぶべき仕組みがあるという事例を挙げ、検討してきた。 では現在、我が国で「警察官の心の支援」はどのような形で行われているのだろうか

          警察官の心の支援はなぜ必要か⑤

          ストレスと呼吸

          側頭葉の内側奥にある神経細胞の集まりである扁桃体という場所は、恐怖や不安に深く関わっていることが知られている。不安や緊張、ストレスを感じると呼吸は浅くなり、リラックスすると深い呼吸となる。 このため意識的に深呼吸を行い、"リラックスした状態"を作り出すことで緊張を解きほぐし、恐怖や不安を和らげてみることを推奨したい。 次に推奨したいのは、一定の呼吸を繰り返し緊張や不安を和らげる効果があるとされる"タクティカルブリージング"という呼吸法である。『quietkit』というメディ

          ストレスと呼吸

          警察官の心の支援という観点から、ファーストレスポンダー、消防官、警察官、自衛隊といった『救助する側』の心の支援についてのお願いがあります。彼ら救助者は被災者でもあります。どのような形でも結構です、温かい励ましの言葉をお願いします。救助者のモチベーションと勇気に繋がります。

          警察官の心の支援という観点から、ファーストレスポンダー、消防官、警察官、自衛隊といった『救助する側』の心の支援についてのお願いがあります。彼ら救助者は被災者でもあります。どのような形でも結構です、温かい励ましの言葉をお願いします。救助者のモチベーションと勇気に繋がります。

          この度の能登半島地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますと共に、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 また、元旦から救助活動に携わられることとなったファーストレスポンダーの皆さま、消防官、警察官、自衛隊の皆さまには敬意を表し感謝します。

          この度の能登半島地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたしますと共に、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。 また、元旦から救助活動に携わられることとなったファーストレスポンダーの皆さま、消防官、警察官、自衛隊の皆さまには敬意を表し感謝します。

          警察官の心の支援はなぜ必要か④

          四 米国の警察官の心の支援に学ぶ 心理学の起源は古代ギリシャへと遡るが、学問としての心理学は140年程度の歴史しか持たず比較的新しいものとされている。 メンタルヘルスケアの先進国である米国で最初に『臨床心理学(clinical psychology)』を提唱したのは、ペンシルベニア大学の心理学者『L・ウィトマー(Lightner Witmer)』で、1896年に開設した『心理クリニック(psychological clinic)』で行った講演であるといわれている。米国ではこ

          警察官の心の支援はなぜ必要か④

          警察官の心の支援はなぜ必要か③

          三 警察組織と警察官個人それぞれの思惑 警察組織は総勢29万6194名 の巨大企業である。巨大企業が「大企業病」を患っていることは珍しいことではない。*前例や形式を重視する保守的な思考、*非効率、*旧態依然のことなかれ主義で変化を嫌う、*社内政治や派閥が蔓延するなどの特徴を持つ「大企業病」は、そこで働く人々にストレスを与える要因となっている。組織としての警察もまた例外ではない。  一方で、警察官が『ストレスを感じるとき』というのは実に様々である。「どのようなときにストレス

          警察官の心の支援はなぜ必要か③

          警察官の心の支援はなぜ必要か②

          二 警察官特有の問題を多角的に知る 『警察官には心の支援が必要である。そして、それは東日本大震災のような大きな災害に関わった後だけでなく日常で生じる心の傷みに対しても行われるべきである。』というのが私の信念である。  警察官の日常生活からくるストレスの蓄積によって起きる様々な問題を、メンタルヘルスの先進国である米国での視察を通して「我が国でも常日頃から警察官の心の支援の習慣をつけるべきである」と世に問いかけたのは、私の知る限り橋本裕藏先生 が警察政策(警察政策学会機関誌)

          警察官の心の支援はなぜ必要か②

          警察官の心の支援はなぜ必要か①

          一 背景 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震において、被災者の心の支援はもとより被災者の救助活動に従事した警察官の心の支援もまた必要であるということについて、当時新聞各社は概ね以下のように報じている。  2012年1月から2月に警察庁が東北地方三県(岩手県、宮城県、福島県)の警察官ら9487人を対象に行った東日本大震災による惨事ストレスに対する調査から、4.1パーセントに当たる408人に心的外傷後ストレス障害(ptsd)の疑いがあることがわかった。なお、警

          警察官の心の支援はなぜ必要か①