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【少年・少女マンガの発想法】キーワードの組み合わせで新作漫画のアイデアを練ってみたら。
【SPY×FAMILY】はタイトルそのものが、スパイと家族 のというキーワードの掛け合わせになっている。このように、二つのキーワードで新作漫画のアイデアを練ってみたらどうだろうか?と思い立った。
マトリックス図法という発想法
![](https://assets.st-note.com/img/1671069190216-M3wbSM9y4l.png)
ただし今回はことばの組み合わせなので対称行列
マトリクス図法という発想法がある。まずアイデアのもとになる要素( characteristic)を集めたら、上図のような要素の対戦表をつくり、要素と要素の全ての組み合わせを一つ一つ吟味してアイデアを練っていく方法だ。ここでは、漫画のキーワードを要素としてこの方法を使ってみようと思う。
どんなキーワードの組み合わせに人気があるのだろう?
現状の漫画のキーワードには、どんな組み合わせが多いのだろうか。
数千冊の漫画の内容をこつこつ調べるのも悪くはないが、今回は漫画につけられているタグやキーワードが手掛かりにならないかと考えてみた。
幸いにも?電子コミック大手の「まんが王国」で紹介されているマンガには、一冊一冊にキーワードが割り振られている。たとえば、【SPY×FAMILY】だと、スパイ、家族、殺し屋、コメディというように、そのマンガの内容やテーマを示すいくつかのキーワード(単語)が掲載されている。
まずは、数千冊をサンプリングして「どんなキーワードが多いのか?」を調べた。その結果、一般的なイメージとそれほどかけ離れていないランキングが分かるぐらいだった。少年は、アクション…、少女は、恋愛…といったものだ。
(次の記事参照)
そこで、今回は「どんなキーワードの組み合わせが多いのか?」を調べてみることにした。
調べ方は単純に次のようにした。
ここにマンガが2冊あり、
マンガ1のキーワードがスパイ,家族
マンガ2のキーワードが冒険,家族,スパイ
であったとする。
キーワードの組み合わせを調べると、
スパイ,家族がマンガ1とマンガ2の両方にあり、
冒険,家族がマンガ2だけ
スパイ,冒険もマンガ2だけ
となっている。
したがって、
・スパイ×家族が 2回
・冒険×家族が1回
・スパイ×冒険が1回
となる。
これをひたすら全てのマンガについて行ってみた。
少女漫画のキーワードの組み合わせ
まず、少女漫画ジャンルのキーワードの組み合わせをカウントし、図示してみると次のようになった。
数が多い組み合わせが左上に来るようにして、組み合わせの数の多いものほど赤く、ゼロに近づくほど青くし、中間はそのグラデーションにして、全く存在しなかった場合深い青(真っ青)にした。
図の見方:
図左のキーワードと図下のキーワードとの交点の色が組み合わせの数を表している。 例:「感動」と「人情」の組み合わせはオレンジ色なので、 組み合わせの数としては割りに多いといえる。
![](https://assets.st-note.com/img/1671071298703-h6K3Rcm4BQ.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1671071598214-hJaYzuHBls.png?width=1200)
少女漫画におけるテーマのレッドオーシャンとブルーオーシャンが、このように広がっていた。一見、ほとんどの領域に青海原が広がっているように見えるが、組み合わせがまったくないエリア(真っ青のドット)は、それほど多くはなかった。漫画の想像力は、非常にまれなキーワードの組み合わせにも、しっかりと根をはっているようだ。とはいえ毎日のように漫画は量産されてはいるものの、まだあまり描かれていないテーマが無数にあることが分かる。
この図を眺めて、ブルーオーシャンとなっているキーワードの組み合わせの中から面白そうなのを発見して新作漫画のアイデアを練るのもよいかもしれない。少女漫画は、日常×貴族・大富豪、ロマンス×育児、ロマンス×社会問題といった組み合わせが、比較的空いているようだ。
また、ところどころに薄い色が点在していることに気がつく。その離れ小島のような場所がこれからの成長ポイントになるかもしれない。
この図は、文字が小さいのでキーワード上位30のところを拡大。
![](https://assets.st-note.com/img/1671071666947-zBJDW0lXap.png?width=1200)
少年漫画のキーワードの組み合わせ
少年漫画のキーワードランキング上位は、少年漫画は、アクション、コメディ、SFがレッドオーシャンになっている。
一方、アクション×恋愛、アクション×ほのぼの・癒しが比較的空いている。
![](https://assets.st-note.com/img/1671072003497-xyHMQRRqw3.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671072022745-HVQwz1TqKu.png?width=1200)
少年漫画のレッゾゾーン圏外のエリア( 11位から 40位)の濃淡を強調表示してみると、次のようになった。この中に描かれるのを待っている未知のエリアが潜んでいるかもしれない。
![](https://assets.st-note.com/img/1671072040634-Ykr8v8OryU.png?width=1200)
キーワード間の結びつきを見てみる
マトリクス図は、このようなグラフに変換できる。
![](https://assets.st-note.com/img/1671073014753-BOcYP0huci.png)
ただし、今回はことばの組み合わせなので矢印の向きはない。
ここから以降は、少年漫画のみについて調べてみた。
ここまでの図はキーワードの組み合わせの数を調べて総当たり戦のような行列で表現したものだが、キーワードの総数を丸の大きさで、キーワードの組み合わせの総数を丸と丸をつなぐ線の太さで表現してみた。組み合わせの数が多いほど太く濃い色の線になる。
上から順に、キーワードのつながりの強いグループから弱いグループの順番に並べた。また、図が煩雑になるのを避けるためつながりの薄いキーワードは省略した。少女漫画のキーワードグループについては、機会があったら作成してみたい。
![](https://assets.st-note.com/img/1671072186014-invG5WCvZ8.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671072215681-hQwKfS7DEn.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671072226444-YGWYg2ho7S.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671072260280-ZPEBaXF2c8.png?width=1200)
少年漫画のキーワードのグループを色分けしてみる
次にキーワードのつながりから7つのグループを見つけて表示してみた。
それぞれのグループは、ある計算で自動的に発見されたものだが、なかなか示唆的なところもあったので掲載した。
![](https://assets.st-note.com/img/1671072310192-OaKW2aoY5L.png?width=1200)
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![](https://assets.st-note.com/img/1671072506912-c5xA21MT0Q.png?width=1200)
図の活用法
丸と丸をつなぐ線の太さは関係の強さを示しているが、太い線のつながりをよく見ると馴染みのあるキーワードが連結していることが分かる。
それでは、今回の記事の目的である「新作漫画のアイデア」を練るにはどうしたらよいだろうか?
関係の強いキーワードでグループを分けているので、それぞれのグループ間の関係は、比較的薄いと考えられる。そこで、異なったグループからキーワードを拾って組み合わせていくとよいかもしれない。3以上のグループを使えば、さらに空想の領域は広がっていく。
そうは言いつつも、受け入れがたい組み合わせだから描かれないのだ、という当たり前の事実にぶつかってしまい空想すら難しいケースもあるだろう。そこを乗り越えてアイデア出しができればいいのであるが。
![](https://assets.st-note.com/img/1671077364457-ovEM2Wn7s5.png)
この記事は、以下の記事からの引用です。
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