短期的な目標と長期的な目標:受験でもスポーツでも必要

帝京大学ラグビー部の岩出雅之監督は、監督就任後の5年くらいはうまくいかず苦労したようです。1年生が試合に出られないからと、上級生の大事な試合で、「負ければいいのに」というようなチーム状態だったようです。

そこで、岩出雅之監督は、短期的な目標と長期的な目標を立てさせたそうです。短期はもちろん、レギュラーになって試合に出ることでしょうが、卒業後の目標も立てさせたそうです。

ラグビーは選手寿命が比較的短いそうです。サッカーや野球では40歳過ぎくらいまでプレーできますが、ラグビーは35歳くらいで引退する選手が多いと思います。これはプロラグビーリーグがなく、企業のサラリーマンが仕事が終わった後に練習していることもあるのでしょう。

サントリーのような強豪チームでも仕事が終わってから夕方6時~8時半くらいまで練習すると聞いたことがあります。

これはスポーツにもよるようで、バレー選手は午前中仕事、午後は合宿所で練習、という恵まれた環境のチームもあるようです。民間企業なら仕事させるより、大会で活躍して企業名がTVや新聞に出れば、広告費と考えれば安いもの、という考えもあり得るでしょう。

ともかく、ラグビー選手後の人生の方が長い選手も多いわけですから、引退後の人生設計も考える必要があります。一生ラグビーコーチとして生きる道もあるでしょうし、サラリーマンとして出世して、部長や役員、あるいは社長になってビジネスマンとして成功する生き方もあるでしょう。そういう先の未来を、大学に入った1年生の頃に考えさせるわけです。

そうすることでより広い視点を持てるようになり、先輩後輩の関係も良くなっていったそうです。

これは、スポーツ選手に限らず、大学受験でも必要な考え方ではないかと思います。大学入試合格、という短期的な目標だけで考えると、偏差値だけで学部を決めてしまったりします。偏差値が高いから医学部に行こう、とか。

しかしながら、人生全体を考えて、本当に好きなことを仕事にしたい、という視点から目標を考えるとどうなるでしょう?

例えば、スポーツが好きなので、スポーツ科学を学びたい、動物が好きなので、獣医になりたい、植物が好きなので農業をやってみたい、哲学や宗教に興味があるので牧師や坊さん(僧侶)になりたい、ヨガの源流のインド哲学を学びたい、心理学を研究したい、などそれぞれの学生に好きなこと、やりたいことがあるはずです。

そうした、大学に入って卒業後の自分の目標や、人生の目標を考えるのも有意義だと思います。

もちろん、高校生は情報が十分ではないので、最適な判断ができるとは限りません。新聞記事で官僚や政治家の汚職を読んで、絶対官僚にはならない、と思ってしまう学生がいるかも知れません。あるいは、医師は将来余るから行かない、と偽情報に騙されることもあるかも知れません。

しかし、今はインターネットが発達していますし、フェイスブックなどでその道の専門家の日常を知ることができたりもします。もしかしたら、雲の上の人と思っている人とメッセージでやりとりができるかも知れません。

そうやって自分の人生の目標を考えて、情報収集することで、本当に自分に合った大学、学部がわかってくるはずです。そこに行ければ、楽しんで勉強できるでしょうし、何としてもそこに入りたい、というモチベーションが高まるでしょう。

そういう意味では、高校生や中学生も、大学入試合格、高校入試合格、という短期的な目標だけではなく、合格後の人生全体をどうするか?という、長期的な目標、ビジョンを持つべきではないかと思います。

そうすれば、大学に入って五月病になったりせず、ずっとやる気を維持して、大学生活やその後の社会人生活を楽しく充実したものにできるはずです。

そういう視点をドラゴン桜2の東大専科の生徒達も持って欲しいと思います。

一部の生徒はそれができています。例えば、岩崎楓(元欅坂46のメンバーで女優の平手友梨奈)は、バドミントンで膝を壊して2年くらい激しいスポーツができなくなったので、東大に行ってスポーツ医学を学び、オリンピックにも出場する、という大きな夢を持っています。原健太君は、昆虫が大好きで、大学に入って虫を殺させない社会を作る、という夢があるので、勉強にも頑張れると思います。

こうした入学後の夢が、受験勉強に頑張るエネルギーになります。受験生は、大学に入ってから、そして、大学卒業後、どういう人生を送るか、長期的な目標も考えてみるといいと思います。若い頃の夢は大きい夢でも現実化できることが多いですから。

ぜひ、ノーベル賞受賞、オリンピック優勝、ベンチャー起業で若くして億万長者など大きな夢を抱いて頑張る生徒が増えて欲しいと思います。

そういえば、先日、学生起業してベンチャー企業の社長になった医学部の女子学生に会いました。日本でもベンチャー起業に挑戦する学生が確実に増えています。

よろしければサポートお願いします。サポートは、情報収集に使わせていただき、より価値の高い記事を書くために使わせていただきます。