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淋しさを身ごもって…『やがて満ちてくる光の』

知りませんでした。
「寂しさ」と「淋しさ」の違い。
「寂しい」という漢字ばかりを使ってきて、意識したことがなかったのです。
別に間違いではないけれど、ちょっと恥ずかしいかも。
実際に「寂しさ」が多用されてはいますが、心情に特化した「淋しさ」、これからは意識して使おうと思います。
今、こんな心境なので。
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淋しさを身ごもって人生が始まるの

3週間ほど前に記事に書いた歌のフレーズですが、ずっと引きずって口ずさんでしまうので何故だろうと思っていたんです。

悲しみ、淋しさを生き抜く~『ぐるりのこと』『WOMAN』

好きも嫌いもないような、特に意識もしてなかった歌が突然「降りてきた!」みたいに頭を流れたり、口ずさんでたり…ということがたまにあって、(なんでこの歌?)と「意味」を探っていくと、その答えがわかるということがあります。
「意味」答え…というのは潜在意識からのメッセージ、だと自分では思っているのですが、それがわかるまでずっと、その歌が頭を流れたり、口ずさんでしまったりが終わりません。
早ければ一週間くらいでわかることもありますが、10年ほど前、初めてそれが起きたときは2ヶ月掛かりました。
(忘れもしないオフコースの『たそがれ』でした。その時の意味、メッセージは長くなるので書きませんが)
今回の『WOMAN』は、割と好きな歌だったので平気でしたが、好きでもない曲の場合は煩わしくてたまらず、必死に意味を考えて終わらせようとしてしまいます。
とにかく、意味がわかれば(メッセージを確かに受け取れば)、勝手に曲が流れてくる現象は消えるんです。
つまり、曲が消えてくれない、終らないということは…まだ?
考察しながら記事を書いたことで終わったつもりが、まだなんかある? 

というわけで、今、読んでいる本です。

梨木さんのエッセイを読んでいると、自分に決定的に欠けているものに気づかされます。
私は、寂しさ…じゃなかった、淋しさに打ちひしがれてしまいがちになる。
個として生きる強さが足りないのだ、と。

梨木さんのエッセイの中に、寂しさを感じる情景が綴られていることはよくありますが、淋しさは…その言葉はイメージに全くありません。
心情的な淋しさがないわけはないのでしょうけど、そうであっても「寂しさ」の方が似合っている気がします。

混沌の宇宙に光が射したところから、世の中が始まる。
「光」の主な「しごと」は「影」をつくることだ。
「光」自身が意識するしないにかかわらず、それはどうしてもそういう効果を生む、生んでしまう。
世界はそういう風に、先へと進む動きをつくる。
(『やがて満ちてくる光の』~家の渡り)

世の中にはびこる「影」の、あまりの痛々しさに圧倒されます。
何よりも、その痛々しさに鈍感な人たちの中にいるのが、淋しくて。
それでも、逆ギレはしないと意識できるようにはなりました。
悲しみ、怒りを感じることはあっても、誰かに八つ当たりなんてしない。
まずは、行き場のなかった「淋しさ」を、自分でしっかり抱えることから始めよう。

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