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眠れぬ夜の御伽噺♪

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猫が好き、女性が好き、エロスが好き。 人は心で物語を食べて生きています。 それは料理と同じ、映画、ドラマ、小説 漫画 泣いて笑って切なくなって。  一番食べ応えがあるのが自分の人…
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#殺生石

玉藻前・殺生石割れた 18

荒涼たる山の斜面、由良が必死に逃げていた、騎馬が巻き狩りのように遠巻きに取り囲んでいる。…

玉藻前・殺生石割れた 17

江戸から陸奥(みちのく)へ続く道を北上し、すこし逸れると奈須街道に入る、上総の介の直属軍…

玉藻前・殺生石割れた 16

康成の放った根来、雑賀の乱破素破が、風間晴明と妻は奈須の原へ落ちようとしていると、湯河原…

玉藻前・殺生石割れた 15

「白鷗は関白に殺された、俺達が殺した事に成っているから、国中の兵が俺達を狩りに来るぞ」 …

玉藻前・殺生石割れた 14

宮殿からほど近い道長の館、道長と康成が酒を酌み交わしていた。 「首尾よう運んでおるの、女…

玉藻前・殺生石割れた 13

二、照魔鏡 季節が過ぎ、春の終わり。 一人、都に残った玉藻は表情に憂いを纏う様になり、…

玉藻前・殺生石割れた 12

才蔵はふたことみこと話をして捉えた男を解き放った。 カンナギは傭兵だし、それほど重要な事をしたわけでもない、また、雇われた以上雇い主の秘密を漏らす事は無い、カンナギ同士の誼で知りたいことは得たのを、由良以外の三人は熟知していた。 「帰るか」 晴明が呟いた。 「坂東へ帰るのですか?」 由良が問う。 「その方が宜しいかも知れませぬ」 和希も言う。 「これだけ、誠心誠意やって通じない相手では仕方がない」 「でも、私は御上に約束しました」 由良が言い募る。 「だが、その約

玉藻前・殺生石割れた 11

また女中頭が呼びに来る、茶を持って白鷗の部屋へ行く。 「由良、共に茶を飲もう、干菓子も喰…

玉藻前・殺生石割れた 10

異例中の異例だった。由良達四人は昇殿を許された、通常なら正五位にならないと、内裏の板の間…

玉藻前・殺生石割れた 9

「白鷗を治したら帰られるのか?由良殿」 才蔵の目が由良を捉える。 「白鷗様に治って頂く間…

玉藻前・殺生石割れた 7

「もう、死んだ真似など、息まで止めて見せて」 「あはは、由良はかわゆいの、今少しで泣く処…

玉藻前・殺生石割れた 6

晴明に相馬小次郎将門から都へ上るように使いが来た。 「検非違使か」 晴明は使いの書状を見て…

玉藻前・殺生石割れた 5

2人はそれから仲睦まじく暮らすようになった。 幼いころから毛色が違い小さな弱い体で差別さ…

玉藻前・殺生石割れた 4

「おなごは皆、大きな、へのこが好きか?由良は大きな、へのこが好きか」 由良は耳まで熱くした。 「知らぬ、へのこの大きさなど、私は晴明であればそれで良い」 「俺も由良であれば良い、この綺麗な胸が好きじゃ」 言われた事は嬉しかったが、なんとなく悔しい思いがして由良は思い切り舌を出して見せた。 不意に舌が動かなくなる、ハサミのようにした晴明の人差し指と中指に挟まれている、そして舌先に晴明の舌が当たった。 鼻と鼻が当たる。長い睫の下に晴明の澄んだ瞳がある。 舌を解放されて、晴