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「おなごは皆、大きな、へのこが好きか?由良は大きな、へのこが好きか」 由良は耳まで熱くした。

「知らぬ、へのこの大きさなど、私は晴明であればそれで良い」
「俺も由良であれば良い、この綺麗な胸が好きじゃ」

言われた事は嬉しかったが、なんとなく悔しい思いがして由良は思い切り舌を出して見せた。

不意に舌が動かなくなる、ハサミのようにした晴明の人差し指と中指に挟まれている、そして舌先に晴明の舌が当たった。

鼻と鼻が当たる。長い睫の下に晴明の澄んだ瞳がある。
舌を解放されて、晴明の手首を掴み中指を口に入れて歯を当てた。

「由良、愛しい」
言われて思わず力が入ってしまった、関節の間に白く歯型が付くくらい噛んだ。

「晴明大丈夫? 噛んでしまった」
慌てて、自分の着けた歯型を指でこする。

「かまわん、由良のする事、これすら愛しい」
晴明の手が広がり由良の頬を包む。指先が広がり伸びて、肩を撫で人差し指が鎖骨を撫でている。

二の腕を左右から覆われ暖かいと思った、晴明の舌が耳たぶを舐め、耳の中で水音がした。思わず声が出る。

「あっ」

舌先が尖り顎に沿い首筋が濡れる、喉元に唇を当てられる、鎖骨の分かれるところを嘗められ、胸の谷間を下る、こそばゆくて笑う。

大きな右手が左の胸を覆い、掌に乳首を転がされると、くすぐったさの中にあるものを感じ下腹に心地よさが伝わっていく。

右腕を上へあげさせられて、晴明の唇が右の乳首を含んだ、小さなそれを音を立てて吸いたてられる。

甘い痛みをそこに残し、快感が背筋を上がって来た。胸が重くなる、張っている。

乳首が交互に吸われる、口に入ると唾液に濡れ熱く、離されると外気に触れほんの少し、ひんやりとする。

指先は休まず、脇から腰骨までそっと触れるか触れないかで撫で降り、撫で上げしてさわさわと撫でまわす。

由良はくすぐったさと心地良さに身を捩る、晴明の技巧が上手なのか下手なのかは分からないが、身体全てで優しさを感じる。触れている指が晴明の手である事が大きな喜びになる。

唇と舌が肌を這う、舌先が臍に潜り込む。

「くすぐったい」
「おまえの臍がかわゆうて」

晴明が腹の上で、由良を見ている、目が笑っている。
晴明の身体がずれて行き、左の腰骨に甘く歯を立てられた。かすかな痛みと舌先に舐められる心地良さ。

また、声が出る、堪えようと思っても喉の奥から声が出てしまう。
由良の恥毛に晴明の鼻が当たった、恥ずかしさに由良は首を左に曲げる、歯を食いしばる。

舌先が柔らかな所に当たる、すうっと撫でられて、舌が潜ってくるのが分かった。

「あっあああ」

由良は母に言われて、そこを綺麗に洗って居たことに安堵した。
羞恥に目の周りが熱い。

気づくと、晴明は由良の足の間に正座していた、脚を持ち上げられ、ふくらはぎが晴明の肩に乗った、腰が宙に浮かぶ。

文字通り、目の前で開かされている、見られている。
「恥ずかしい」

晴明が微笑んだ気がした。鼻が下腹部に当たる。舌が会陰部から嘗め挙げ、入って来た、右の親指でさねの皮を向き、舌先で押し込むように何度もされた。

稲妻が背筋を登る、知らずに腰をあおった、舌先が触れる度に、冷や汗が出るくらいの快感に襲われる。

指が探るように入ってくる。中を探られるたびにこめかみが冷えた感じになり昇っていく、舌がさねを嬲り指が中で蠢く、髪の生え際から稲妻が走った。晴明の左手が伸びてきて左右の乳首をそっと転がす。目の前が白くなった。

 

「由良」
呼ばれてうっすら目を開けると、目の前に晴明の顔が有った。
由良はのろのろと手を伸ばし、晴明の鼻から下を拭う。

「おまえのもので濡れていたか」
「ばかっ、恥ずかしい」

由良は晴明の首を抱き、くちづけを受けた。
「ひとつになるぞ」

言われて頷く。

そっと脚を開かされ、会陰部から晴明の固い触角でなぞられた。先端が押し当てられる、花襞が受け入れ開き始めるのを感じる。

「少しだけ、堪えろ」
押し広げられ中を丸く広げながら入ってくる、鈍痛を感じ、顔を歪めた。

「一つに成ったぞ」

大きな腕に包みこまれるように抱きしめられた、頷きながらくちづけをする、優しい視線に捉えられ目尻から涙が零れた。

ゆっくり突きあげられ身体が揺れる、さっきまで気にしていた小さめの乳も身体と一緒に揺れ、心が揺れる。
鈍痛が遠のき、動かれる度に緩やかに快さが昇ってくる。

「いいの、はる、いいの」
訴えずにいられない。

「痛くないか」
「痛いのが遠のいて、無くなって、いいの」

先ほどの気を失う前の不安が無く、優しい快感、由良は必死に訴える。

晴明は微笑みながら、くちづけをした、由良は自分の中に居る晴明を感じ、動かれて快感を昇っていく、顔に首筋に、鎖骨にくちづけを降らされて、耳たぶを噛まれ、突き上げられた時、また、白くなった。

自分の中で男が膨らみ爆ぜる、受け止めた瞬間気を失う。

気づくと晴明の左腕に頭を預けていた。

晴明が見つめていて、唇を重ねてくる、目を閉じて唇を受け、晴明の思いのほか太い首に腕を回す。
「晴明」
「んっ?」

「契るとは、こんなに良いものか」

上総の介は忍んできたものの、由良の髪を見て驚き、胸を見て女の童には興味が無いと鼻で笑い不吉と呟きながら帰った。

あの時は深く傷ついたが、晴明とこうなったのだから、あの時契らなくてよかった。
だから、由良にとって今宵が初めての契りだった。

「俺も由良と契って、こんなに良いものかと思っておった」
「由良は良かったか」

由良は知りたかった、その瞳は濡れていた。
「由良とひとつに成って良かった、気が一つになった」

 一つになる、由良も実感した、身体が熱くなり赤く燃え、真っ白になった。

「おまえがあまり痛みを感じなくて、良かったと思っている」
晴明が微笑んでいる。

「ありがとう、晴明が優しかったからだ、当たる部分が快いだけではなく、晴明が入っているところから溶けて、重ねて吸い合う口から溶けて、二人が一つになった」

自分の言葉に由良は羞恥に頬を染め、分厚い胸に押し当てた。
「良かった、一つになれたな」

晴明が微笑んで髪を撫でた、由良はこくこくと頷いた。
「晴明は褥が上手なのか?」

晴明に胸に額を押し当てたまま問うた、晴明がぎょっとしているのが分かった。
「由良が美しくて愛しいゆえ、一生懸命だった」
「美しくて愛しい」

晴明の言葉を繰り返し、由良は嬉しくて笑う。
「愛しい故、どうしたら悦ぶか、必死に由良を見て褥をする」
「それはわかるが、随分稽古をしたのであろう」

由良が胸の上で顔を起こすと晴明は苦笑している。
「おなごを抱くときは一所懸命だ、愛しいと思って抱く」
「私をいままでのおなごと同じに一所懸命抱いたのか」

由良は涙ぐみそうになった。
「ばか由良、愛しいと思わぬおなごを抱いた事は無い」

 晴明が微笑む。
「だって」
「おまえには、一生懸命だ」

「一所と一生」
「賢いおまえだ、意味はわかるだろう、お前が最後の女なら良いと思う、いたたっ」

由良は嬉しくなって笑ったが、くやしかったので、晴明の肩に歯型を着けた。

 

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