見出し画像

体験談。スキンヘッドへの道。

私は脱サラして猫専門の造形作家になった現在54歳です。スキンヘッド歴は大学生の頃より、今年でたぶん35年目です。当初の目的は「手間のかからない容姿にしたかったこと」と「未来の薄毛を予期した事前策」です。今回は私がスキンヘッドにしようと思い至るまでと、その後をお話いたします。

容姿に手間をかけるのがカッコ悪いように思っていた。

元々私は「くせ毛」で、風呂の後、髪を何もしないと意図せぬ状態になり大変不本意な髪型になります。

そもそも髪は4~5cmくらいの短髪にしていましたが、それが入浴後に放っておくと、おでこに張り付くような流れになり、当時の自分としてはとても納得できない形になりました。確か中学生くらいの頃です。

実は後年、短髪で張り付きぎみの髪型もファッション的にかっこいいという時代がきて、私は「え、これアリなの?」ととても驚きましたが、しかしまだ私が中・高校生当時は「不本意な髪」でした。

一方、自分の中では中学や高校生の頃から「自分の容姿を気にすることに恥ずかしさ」というか、自分なりのかっこ悪さを感じており、「容姿なんか気にしてないもんね」というカタチが私なりの望ましい方向性でした。

そこで、いつしか私は「髪が無ければ、そもそも手間もなく便利だな」と、やや前衛的な考えが浮かんでいました。


「少ない」より「ない」方が「有る」と思って。

一方、もう1つ要因である「未来の薄毛を予期した」ことについては、高校生くらいの頃から、頭の側面の髪よりも、センター地域=おでこから頭頂部にかけた地域は、やや密度が薄いような気がすることに、すでに気づいていました。

当時は「いやいや気のせいだろう」と思うよう努めもしましたが、しかしどう考えても側面と中央エリアには密度差があることは感じていました。そこで未来の「自分のありかた」について考えました。たぶん高校生の頃です。


そこで出た答えは「 ”少ない” よりも、”無い” ほうが、”有る” のではないか」という事に思い至りました。言っている意味がわかりにくかと思いますが、他の言い方をすると「 “少ない” よりも、“無い” 方が前向き」というのでしょうか。無理にご理解は求めません。

画像1


なにしろこの「容姿に手間をかけたくない」と「薄くなるより無いほうが前向き」という2つの理由で、「いつか一度、スキンヘッドにしてみたい」とおぼろげな思いができつつありました。


自転車での日本縦断が大きなきっかけに。

そしてついに、その大きなきっかけがやってきました。
これもかねてより、やってみたいなと考えていた「自転車で日本縦断してみたい」という事を実行に移す計画を具体的に始動し始めたのです。

「自転車で日本縦断」も、中学生の頃に原案は思いついていました。いつかやってみたいなと。

なおこれも後年、テレビ番組などで少年が自転車で日本縦断する様を追いかけるようなものもありましたが、私の頃はそのような情報は全くなく、なぜ自転車で日本縦断しようと思ったのかは自分でもよく思い出せません。

ともあれ二浪の末、大学に入学した私は、そのプランを実行すべく夏までにバイトをして夏休みに実行と考えましたが、多摩美では想像以上に課題で忙しく、バイトどころではない状況に至ります。

そこで計画を1年延期しました。大学1年の夏にバイトをして資金を貯め、2年生の夏に日本縦断。という事に変更です。

かくして大学1年の夏に美術屋さん=建築模型やアトラクションの山車や地形模型などを作る会社でバイトをしました。(余談ですがこの時の経験が、結果的に現在の造形作家という選択に大きく影響しています)。そこで40万円を貯め、20万を自転車購入や機材的な準備。そして20万を旅費としました。

さて、いよいよ「自転車で日本縦断」→「野宿も多い」→「風呂に入れない事もある」→「不潔な旅行者は迷惑」→「いっそ髪が無い方が便利」。という5段論法で、「よし髪を無しにしよう!」という自分なりの結論に至ります。

他人が容姿を気にするのは2回まで。

大学2年の春。いよいよスキンヘッドにしてみようとしますが、「一気にスキンヘッドにして、もし失敗したら怖い」と思い、まずは「五分刈り」くらいまで、実家にて兄にバリカンで刈ってもらい、1日様子をみました。

「ん~。これならたぶんけるだろう」と見て、翌日再び兄に残りを剃ってくれ。と依頼し初回スキンヘッドの完成となりました。

翌日から普通に大学に行くと、そこそこ友人らはザワつきました。しかしそこでわかった事があります。「人がどんなに変わった見た目になろうとも、だいたい1人につき2回、反応すれば後は慣れて何も言わなくなる」と言う事です。

言っている意味わかりますでしょうか。友人A君が、初めてスキンヘッドになった私を見て「おお、おまえどうしたんだよ!」と驚きます。そしてまた後日再び会った時に「おい、なんだよ。まだ驚くよ!」と言います。

がしかし、A君について3回目にはもう慣れて言わなくなります。これを各友人が繰り返すので、「1人、2回ずつ驚けば、もうみんな慣れて何も言わなくなる」と言う事がわかりました。

まあ美大だったことも「共感はできないが理解はする」という環境だったのかもしれません。どうでもいいですかね。

画像2

宗谷岬→日本海→四国→阿蘇→沖縄

ということで、私はその夏、北海道、稚内から沖縄まで、約1カ月半くらいかけて自転車で日本縦断をします。この事は別の機会に改めてお話ししたいと思いますが、ごくダイジェストでお話しすると。

東京からフェリーと列車で自転車を運び、稚内で組み立ててスタートです。その後、北海道を南下して本州へ、次は八戸から日本海側へ向かい、秋田からずっと日本海側を下り、神戸から高松→松山から別府へ渡り、阿蘇を経由して鹿児島。そこからフェリーで2泊3日後に那覇へ。

帰りは沖縄から一気にフェリーで東京に帰りました。二浪で大学にいった私は、2年生の夏はちょうど20歳になった年だったかと思います。旅行中は毎日走ったので、出発時から体重は6kg落ちて帰ってきました。

画像3

【写真上:大分 阿蘇やまなみハイウェイだったと思います】

自転車旅行は終わりましたが、しかしそのまま、容姿に手間がかからず、また薄毛を気にする必要もないこの髪型?を自分的には気に入り。その後の大学生活、就職活動、そして会社勤務と、34年間ずっとスキンヘッドのまま過ごしています。

ちなみに薄毛は予想どおり進行し、今はセンター地域にはほぼ髪はなく、しかし側面と後頭部はまだ髪が伸びますが、しかし剃ってしまうので、あまり気にはなりません。剃らずに伸ばせば、おそらく写真家のアラーキーさんのような生え方ではないかと思います。


スキンヘッドへの、よくあるご質問

スキンヘッドにして、今まで多くの方から聞かれたポピュラーな質問がありますので、あらかじめお答えします。

【問1:どうやって剃るの?】

剃るのはもちろん自分で剃ります。基本は毎日、風呂に入った時です。頭は、頭皮にテンションがあり硬いので髪を剃るのはとても簡単です。鏡も必要なく手の感触で3分くらいで剃ることができます。

一方、ヒゲを剃る方が圧倒的に大変です。ヒゲはベース(あごや頬)が柔らかく、皮膚(肉)も厚みがあるので、一回では剃り切れず、ものすごく剃るのが大変です。

【問2:剃る道具は?】

剃るのはTの字型のヒゲ剃りジレットフュージョンの5枚刃です。

初めは他社さんを使っていましたが、当時の他社品は刃の後ろにヌケがなく、剃った髪が詰まってしまうため、刃の後ろがヌケていたジレットのほうが頭を剃るのには向いていました。当時は3枚刃でしたけど。

なお電気ヒゲ剃りを使うこともたまーにあるので持ってはいます。

しかし電気ヒゲ剃りの場合の問題点は「ムラになりやすく均一に剃るのが難しい」ことと「頭頂部など、ヒゲ剃りを逆さまにした時にカスが出てきてしまう」という難点があり、基本的には電気ではなくTの字型を風呂に入った時に使っています。

画像4

【写真上:ジレットフュージョン5枚刃。今日もお世話になります】

【問3:剃る頻度は?】

今はほぼ毎日剃っています。学生の頃はさぼって3~4日に一回という事もありましたが、それだけ日を空けると、ヒゲ剃りでは目詰まりしてしまうため、むしろ毎日剃る方が簡単です。

【問4:冬寒いよね?】

しばしば「冬は寒いでしょ」と言われます。確かに冬は寒いので帽子などが必要なんですが、しかし、もし「健康に危険を感じる」という意味では、冬よりもむしろ「夏の直射」のほうがはるかに危険を感じます。夏は必ず頭にかぶるものを持ち歩きます。

【問5:帽子はかぶらないの?】

当初の頃より、外でカバーをする場合、冬の特に寒い時以外は通常手ぬぐいを使っています。

帽子だとかさばるのと室内では暑いので不便です。しかし手ぬぐいだと、日よけにも防寒にもなり、なおかつ適度に薄く通気性もあるため室内でも快適で、さらにかさばらないので、とても便利です。

【問7:剃るの大変じゃない?】

はい。大変と言えば大変です。がしかしお話ししたように、頭を剃るよりもヒゲを剃る方がはるかに大変なため、ひげを剃る必要がある以上、頭を剃るのは全く楽なことです。

また想像ですが、おそらく髪型があるよりははるかに手間がかかっていないと思っています。

【問8:シャンプーは使うの?】

スキンヘッドにした当初1~2回は、おでこの上はシャンプーかな~、と思って使ってみましたが、なんかヌルヌルした感じが残るので、早々に石鹸一本で全身共通、となりました。ここも便利なところです。


まとめ:たぶん自分は「鈍感でユルめの、あまのじゃく」

思いのほか長い話になってしまいましたが、以上が私がスキンヘッドにしたいきさつです。

ここであえて自分の行動の背景を自分なりに考えて、改めて気づくことがありました。

おそらく自分の感覚として、昔から「王道」や「主役」や「メジャー」よりも、「個性派」や「脇役」や「マイナー」なことに共感があり、自分もそうありたいという思いがあったような気がします。それがなぜかはわかりません。

おそらく私は「あまのじゃく的な気質」で、なおかつ人からの視線などには気づかない鈍感さがあるのだと思います。それが重なり「自分がいいな、と思ったことは、他の人からの見え方などは気にせず(というか気づかず)やってみる」という傾向な気がします。

それは決して「自分の信念を貫く」とか「言い出したら止まらない」ような強いものでは全くなく、もっともっとユルやかで「ただやってみたかった」ことを普通にやってみたと。

そして、その事が周囲から見たら「ちょっと変わった人」と感じられても、あまり気づかなかった。という事だったように思います。今振り返ると。

思った以上に長くなってしまった話にお付き合いいただき誠にありがとうございます。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
ありがとうございます。
ネコ専門の造形作家54歳です「何の役にも立たないけど、そばにいると嬉しい」をテーマにレジンのネコを制作しています。多摩美を卒業後、広告会社でデザイナーとして勤務。その後どうしても「手でものを作りたい」と2020年に退職して造形作家に。 https://benieda.com