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大航海病と江戸わずらい

大航海病とは・・・

長らく、コロナウイルスによる問題がある今日の情勢を踏まえて、昔、原因不明とされ恐れられていた病気について紹介したいと思います。
 

【大航海病】

その名の通り、大航海時代に船乗りの間で流行した病で発病の原因は不明と言われていました。
症状は歯と毛髪が抜け落ち、普通に生活していても骨折してしまい、痩せ衰え、毛穴から血が吹き出し、死に至るという病気でした。現代医学では「壊血病」と呼ばれています。
「壊血病」はビタミン不足が原因とされ、遠洋航海をする船員・海軍人などは保存食を食べるため栄養が偏り、病気になってしまったと言います。
これには面白い海軍エピソードがあります。保存食用のパンには虫が湧いてくるそうですが、虫は表面を食べるのでなく、中身だけ食べるので見たい目は普通のパンらしいのです。そのパンを食べようとすると中が空っぽになっていて、ウジ虫が数匹いるという。空腹な船員はウジ虫をそのまま食べてしまう人がいたのですが、その人は「壊血病」に罹らなかったそうです。ウジ虫やネズミなど、食料を荒らす生き物にはビタミン・タンパク質があるようで、それらを食べる変り者は生き残るという話です。 しかし、流石にウジ虫やネズミを食べ続けろとは政府なども言えず、ラム酒を飲むことで「壊血病」を防止するようになったといいます。
因みにイギリス人に対する侮蔑用語に「ライミー」という言い方がありますが、ラム酒をいつも飲んでいるために付けられた名称だと言われています。
 

【江戸わずらい】


この病気は江戸時代に流行した病気です。江戸に長期滞在すると罹患すると言われていました。
足がむくみ・痺れたりするという病気で歴代将軍も発症しています。現代医学では「脚気」と呼ばれており、大航海病と同じく、ビタミン不足が原因とされています。
江戸・京都・大阪のような大都市は当時高価な白米を食べていたそうで、白米と少量のおかずのみであったためビタミン不足になったようです。
白米を食べるのはセレブな人ばかりだったようですが、地方に行くと精米ができないので、自然と雑穀米を食べるようになり治っていたそうです。そのため、足が痺れたら地方の田舎に行くことが通例となっていたとか。
 
日本が遠洋航海をするようになったのは明治時代で、その時イギリス人から教わったカレーを食べることで、脚気や壊血病を防止していたといいます。海軍カレーで今日も食べられるのはその名残らしいです。人間にはとにかく「ビタミン」が必要なのです。
 
現代の私たちはコロナウイルスに苦しんでいますが、未来の人から見れば、何てことない事なのかもしれません。人類は天然痘を克服しているのですから、きっと新型コロナも解決すると思っていれば、気が楽になるのかもしれませんね。