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「手抜き」と「手‘間’抜き」はぜんぜん違う。

料理において大事なこと。
それは、「食べる人が幸せになること」だと思います。
幸せの言葉意味には、
・美味しい
・健康
・コストパフォーマンス
・提供速度
などなど様々。価値観にもよるでしょう。

だからこそ、人が料理という仕事に求めるクオリティの評価基準は異なります。
お金があっても、急いでいる人
懐石料理、フレンチコースは求めてません。

時間があっても、ダイエットを意識している人
中華料理食べ放題は求めてません。


尊敬する、ミシュランシェフに鳥羽周作さんという方がいます。
Sioのオーナーシェフであり、「海賊シェフ」という異名をもっているお方。

料理に対しての考え方がとても印象的。
とある記事での受け答えからの学びをシェアしたいと思います。


誰でもできる。本当に簡単なレシピを公開している。

Sioのオーナーシェフ鳥羽周作さんは、簡単!美味しい!〇〇の作り方、みたいな情報をよく発信しています。ユーチューブも人気なので興味のある方はぜひ。


見て分かる通り、難しい料理がほとんどありません。
ご家庭でできるものばかり。
「これからの普通をつくる」という鳥羽さんは言います。
この言葉はこういった”手軽さ”にも通じているのかもしれません。

無駄がない分、美味しくなるポイントがどこなのか。
すごくわかりやすい。
「ああ。唯一あるひと手間、これが美味しさの秘訣か!」と。
まさに、「料理が苦手な人でも作りたくなるレシピ」だと思います。


どんな仕事にも通じる手抜きと手”間”抜きのお話。

あるとき、記者さんとのやり取りでこんな会話がありました。
※引用ではないのでうる覚えです。

記者さん「市販の物をつかうんですね!」
鳥羽さん「こっちのほうが早くて、十分美味しいですから。笑」

たしか、ハヤシライスの作り方の話のとき。
野菜ジュースとか、デミグラスソースとか、市販のものを普通に使うんです。

え!?って意外に思う記者さん。
なぜって、そりゃ、「ミシュランシェフ」ですから。
デミグラスソースは煮込んで作るんじゃないの?
トマトソースは生から作るんじゃないの?
って、私も思いました。

鳥羽さんからすれば、これは手”間”抜きに過ぎないとのこと。
決して手抜きじゃない。

味を落とす行為は、もちろん手抜きです。
しかし、結果美味しいものができるのであれば、最速で作れるその手順は手”間”抜き。

はっとさせられる考え方でした。


自力と他力のバランス。

仕事でも、自分で全てをやることが正解ではありません。
考えずとも、調べればわかることや、自分でやらずに得意な人に頼べば簡単に済むことなんてゴロゴロあります。

ただ、プロ意識なのか、プライドなのか、こだわりなのか、、
たまにそうさせない自分がいる場面ってありませんか?
そういうときの自力へのこだわりは捨てるべきだと学びました。

一人でやることがすべてじゃない。
他力を使う上手さ、というのは、最速で最高の仕事を仕上げるための手”間”抜きなのかもしれません。



高速道路をはしって切れたら始めて自力の世界

もちろん、他力だけでは行き止まりがあります。
道で例えるなら、高速道路、と教わったことがあります。

武道でも守破離という言葉がありますが、高速道路の道が途切れるまでは、「守」。
教わったとおりにやること、既にあるもの、ある知識、をそのまま実行することが最速だという考え方です。

そして、高速道路が切れた時、師の教えを破り「破」離れる「離」がきます。

大事なことは、自力を使うステージまでは、「守」で高速道路を走り切ることだと思います。

この経験があるから、守破離を終えた鳥羽さんは、高速道路も自在に使えるんだと思います。
まさに、変幻自在の守破離。
自力と他力の使い方の天才です。

料理も考え方も学びが満載。
ちなみに、海賊シェフといわれる由来はこんな破天荒な性格からきているのかも。
気になる方はごらんください。↓


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