中華ステッカー表情包の進化の歴史
前回、知っておくと得する中国人とのチャットマナーと、中国版スタンプ「表情包」について紹介しましたね。
今日は「表情包」の歴史や使われ方をもっと深掘りして紹介します。
「表情包」は2006年から始まった説
中国では「表情包」の利用がどんどん進み、すでに「Emoji」の使用率を大きく上回ってきています。中国のネット民たちはこれを「中国五大発明」と呼んでいて、ネット上でのコミュニケーションの方法を変えました。
2006年ころから始まったステッカー文化は、その後スマホが普及することによって爆発的に流行りました。数ある中で最も流行ってるのはパンダの顔の「表情包」。
このパンダの「表情包」は最初のころ「暗黑破坏神」(ディアブロ)と呼ばれる掲示板に出現し、その後韓国の俳優「崔成国」(チェ・ソングク)の表情が使われることで広く普及しました。
↑この俳優のことあまり知らなんですが、このパンダの「表情包」を見ない日は無い
この韓国人俳優さんと中国の元NBA選手「ヤオ・ミン」、日本の声優「花澤香菜」さんの顔がパンダの「表情包」の3強とされていた。
↑こんな感じ、ヤオ・ミンはまだNBAで活躍してたころ
その後進化の歴史の過程で「ヤオ・ミン」と「花澤香菜」さんは脱落、代わりに香港俳優の「张学友」とアメリカのWWEのプロレスラー「D'Angelo Dinero」が「表情包」界のスターになります。
↑中国で「D'Angelo Dinero」はスーパースターだよ、この表情のおかげ
「表情包」はコミュニケーションを変えてる
その後コミュニケーションはどんどん成熟していきました。文字や音声を使ったチャットに代わって「表情包」でコミュニケーションすることが盛んに行われるようになります、それも日々進化中です。
↑もうみんなのチャットから文字が消えたよ
これって欧米ではそんなに流行ってないみたいですね。分析している人がいて、漢字文化の中国人は1つのコンテンツから得る情報量が多いので「表情包」の形で表された複数の意味を受け取ることができて効率が良い。
また、アジア人は直接的にものごとを伝えることが良くない文化があります(日本はその頂点にいるかもね)。なので「表情包」のキャラクターの仕草だったり表情によって微妙なニュアンスを暗示することがすることが可能になってみんな助かってるとのこと、なるほど。
たしかに日本人とLINEするときも、伝えにくいことをごまかすときにスタンプ使ったりしますよね。中国ではちょっと関係が遠い友達とかと会話する際にも「表情包」使うことは一般的ですから、よりコミュニケーションの敷居を下げることに貢献しています。
各国の表現で気に入ったものを取り入れている
「表情包」に使用の制限はありません、暗黙で著作権も無いとされてますね。なので中国国内だけではなく、海外の気に入った表現を次々組み合わせてステッカーが作成されます。
前に紹介した「くまモン」もそうですが他にも、韓国の人気子役「宋民国」やNBAプレイヤーの「Nick Young」、アメリカで作り笑いが話題になった「Gavin Thomas」なんかが中国で人気爆発してます。
↑「宋民国」「Nick Young」「Gavin Thomas」の写真型「表情包」
ネットから輸入してリアルでも使われてる
成都市の中学校の生物教師が、学生の試験時の緊張感を和らげるために、試験の中に「表情包」を入れたことが話題になりました。
↑これもう先生の趣味なんじゃないか説。。笑
さらに、とある高校生の宿題の出来を評価するのを「表情包」を使って表現してたりしてる例もあります、これなら生徒に傷つけず注意できて、やる気を出してもらえたりするかもしれません。良い使い方ですよね、日本も取り入れましょう!
↑一番左は「もっと真面目にやれよ」って意味ですが嫌な感じしないですね
社会問題として取り上げられたりもしている
2017年に中国の人気トーク番組「奇葩说」の中で、出演者の一人が「今の若者のスマホの中には大量の「表情包」があるのに、実際のコミュニケーションのときは無表情すぎる」と問題提起しました。
「表情包」によりネットでのコミュニケーションは円滑に効率的に行われるようになったが、実際に人と会話するときには空気読んだり、必要となる最低限の忍耐すら無くなってるというのが社会問題として度々議論されてるよう。
日本でもこういう問題ありますよね、リアルな会話のときにコミュ障になってる人って日本でも中国でも昔より増えてるんでしょうか。でもこれって時代の変化ですよね、むしろ「表情包」使わないで中国人とチャットするとコミュ障って思われちゃいますよ。
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参考資料)
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