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単身人口2.4億人の中国、おひとりさま生活がどんどん広がる

2018年中国統計年鑑のデータによると、中国の単身人口の規模は2億4000万人に達していて、日本の人口の2倍、ロシアとイギリスの人口の合計を上回っています。 特に独身者の数は若い世代に多い。

中国の伝統的な文化では結婚して子供を育てることはものすごく重要でしたので、全人口の20%は独身であるというのはとても意外で興味深いですね。

独身であることには多くの理由が、そしてそこには大きな市場があると思います。今日は中国メディアで報じられていた単身人口の増加について紹介します。

■単身人口の増加スピードと規模

「2018年中国統計年鑑」のデータによると、2017年の15歳以上の未婚者の総数は2億1500万人、離婚者の数は2300万人。よって中国の単身人口は2億4000万人とのこと 。

原因として上げられているのは、20世紀終盤の経済の変化。

経済の急速な発展と女性の価値観の変化によって、結婚可能年齢の男性と女性が結婚しないことを選ぶケースがとても増えたとのこと。 

下の表から、独身の人の割合は、80年前生まれは10%、80年生まれが41.6%、90年生まれは47.68%。この数年で急激に増してきてます。

■各都市の差と世界との差

深センは平均年齢も若いので納得の結果、そして北京が2位だぜ。独身を謳歌する街「北京」!

当然の原因で、高等教育を受け、高収入になるほど独身生活を選択する傾向にある、そしてそれらは大都市と新都市に集中していることがあげられます。

ちなみに日本のことも取り上げられてました。日本はお一人様人口の割合が30%超えなんですね、中国より高いじゃん!そして意外にもアメリカは遥かに高くて45%近く。

日本は2030年には3人に1人は未婚になるようですね。投資するなら結婚業界ではなく、出会い系アプリ業界なのかもしれません。

■“爱自己”“做自己” の独身たち

2019年2月、国民年金研究所は1985年から1995年に生まれた未婚の人々を研究対象とし、全国約2,000都市の調査データに基づいて分析。経済研究報告書が発表されました。 レポートでは、単身者の消費の傾向を4つに分類し「便利さの購入」「幸福の購入」「購入と信頼」「未来の購入」と特徴があるとしています。

それを裏付けるように、Gold Securitiesの調査によると、大都市では平均すると若者の50%以上がオンラインで買い物をしているとのこと。 いつでもドアまで配達することができる。買い物時間の節約として、若者にとても重要視されている。

さらに、調理を好まない独身者は、持ち帰りを通じて家庭や職場で食べ物を楽しんだりで、持ち帰り産業の発展を直接促進しています。

■中国の「外卖」の発達

「外卖」こと、出前サービスの大普及は中国人の生活と文化を変えました。

Online出前サービスの革命(Ubereatsより遥かに進んでるからね)により、出前業界は明らかに恩恵を受けている産業の1つです。 便利で、速く、費用対効果が高く、幅広い選択肢があり、ドアtoドア。忙しくて、怠惰で、家から外に出たくない、ちょっと不安を感じるシングルのグループのニーズにぴったりマッチします。

■結婚とマッチングビジネスの発展

旅行、フィットネス、夕食など、やりたいことに消費できるシングル生活。でもいくら自由な生活が快適とはいえやっぱり寂しいもんですよね。人は孤独に勝つことはできません。

中国では結婚と恋愛における市場規模は合計で100億元以上と言われています。特にネットでの出会い産業はもう50億元に到達。

成長率は25%。今後も伸び続けそうな勢い。

中国の出会い系市場についてのレポートは以前書きました、こちらもご参考ください。

■ペット市場の拡大

そしてシングル生活の孤独を埋めるパートナーといえばペットですよね。日本も猫を飼うシングル世帯がめちゃめちゃ増えているという記事を見ました。

2018年の「ペット産業に関する白書」によると、中国のペットを保有している人の数は2018年に7,335万人に達したと発表しました。特にシングルの飼い主は39%を占めます。

1匹のペットには年間約5000元の費用がかかるそう。Everbright Securitiesのペット業界調査レポートによると、2020年に中国のペット業界の市場規模は2203億元に達すると予想されています。

単位が凄すぎて理解不能ですが、めちゃめちゃチャンスありそうです。

■終わりに、他研究員と議論してみた

中国はここ数年で、日本よりも急激に少子高齢化が進展してきました。もちろん中国政府も問題視していて、30年あまり続けてきた「一人っ子政策」を終わらせました。

それでも、都市部の独身率の向上と育児コストの高騰によって、出生率が期待されるほど上がらなかったそうです。経済と生活環境の急速な変化ですね。

これは別の議題としてまた書きたいと思います。


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(参考資料)


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