ストーリータイムで読んでみた

アメリカの小さい町の図書館の児童書部門で働いています。乳児から幼児向けのストーリータイ…

ストーリータイムで読んでみた

アメリカの小さい町の図書館の児童書部門で働いています。乳児から幼児向けのストーリータイムを月5-6回担当。ハンドクラフター。散歩Lover。

最近の記事

ストーリータイムで重要なこと

今日は本の紹介をお休みして、ストーリータイムのプランの立て方のお話をします。 私の勤務先では週5回ストーリータイムをします。月一回チーム会議がある時にその月のストーリータイムの担当者を決めるので、数週間準備期間があります。本当はストーリータイム要員のスタッフ、5人くらいで分担するのですが、いま空きがあって、私個人は、週2くらいで担当しています。一応、職場では30分のストーリータイムだったら1時間の準備、20分のストーリータイムなら40分を準備にかけるようにと言われています。

    • Balance the Birds

      Kawaii という言葉を、アメリカで聞くようになってどれくらい経つだろう。グエン・ステファニが原宿ガールズ(これも今になっては問題の多い歌)を歌っていた頃にはKawaiiはもう入ってきていた気がします。 アメリカキャラの可愛さと、日本のKawaiiは風味が違って、Kawaii テイストはアメリカでも市民権を得ていると思います。アメリカでも、かなり前からハローキティーは人気があるし、日本(というかサンリオ)風の可愛いキャラはアメリカでも特に女の子に人気です。猫のプシーンなん

      • The Very Impatient Caterpillar

        本書の作者Ross Burach もコンスタントに絵本をだしている人気の絵本作家です。マンガチックなタッチのイラストがトレードマークになっています。 あおむしの蛹化するというお話なのですが、このあおむし、とにかくせっかちでおしゃべりで、そこが笑いを誘うというお話です。 この絵本は、ダイアログで成り立っていて、しかもおしゃべりなキャラですからテキストが多く、(漫画風というのか、ふきだしにセリフが載っていてあとは絵で大体説明するしくみ)読み方にちょっと工夫はいりますが、とても

        • You and Me, Baby

          2006年出版されたかなり古い本ですが、私は時々読みたくなる作品。赤ちゃんと、お父さんやお母さんとのやりとりを写真と短いテキストで書いたものです。写真に出てくるベビー(色々な人種の赤ちゃんがモデルになっています)が本当に可愛くって、見てる方は思わずにっこりになります。 私は赤ちゃん用のストーリータイムはちょっと苦手で、それでも月一回くらいはするのですが、できれば他のストーリータイムをやりたい方です。 第一の理由は、トドラー以上の子供は反応がわかりやすいけど、赤ちゃんの場合、

          Say Hello Like This!

          Mary Murphy の作品はトドラー向けのストーリータイムで重宝します。まず、絵が大きくてわかりやすい。テキストが短い。 Say Hello Like This!は動物がこんにちはと挨拶する様子を鳴き声で表すという至ってシンプルな絵本です。 あと、この本はページによって紙のサイズは違うのですが、しっかりした紙が使用されており、絵本の扱いが荒いトドラーのお宅でも、耐えうるようになっています。その辺もよく考えた本だな、と思います。 今回は絵本を読む前に手を動物の口に見立てて

          Who Has This Tail?

          まだ自分で本を読むことができない、幼児向けの絵本で、ノンフィクションのものは多くありません。小さい頃から物語の本より、図鑑を眺めるのが好きな子はもちろんいますが、ストーリータイムには向かないのです 本書は色々な動物のしっぽにズームアップして、どんな動物かあてる、という仕組みの本で、比較的読み聞かせに向いた本です。この手の本も、やはり多くの読者はただただ当てるだけではつまらないのですよね。やはり物語の始まりがあり、中間があり、終わりがありというというふうでないと落ち着かないと

          Pete the Cat I love My White Shoes

          Pete the Cat 最初の絵本(本書)がヒットして、何冊も関連絵本が出版されていますが、やはり初期のEric Litwinが書いたものが一番面白いし、優れています。挿絵画家のJames Deanが2匹目のドジョウならぬ、10匹以上釣ろうとしてますが、そこまで良くない。Eric Litwinは本職ミュージシャンなので文章が歌詞のリズムなんですよね。 今回のストーリータイムでは、”I love my white shoes ♫ I love my white shoe

          Pete the Cat I love My White Shoes

          Don't Wake Up the Tiger

          この本は2016年に出版以来、アメリカ(英語圏?)の図書館で重宝されてきた人気作です。私もピンチヒッターでストーリータイムを頼まれたら、まずこの本を探してみます。ストーリータイムでは子供受けすること絶対の優秀な作品です。 いわゆるちょっとした仕掛け絵本/インターアクティブな本で動物たちがいかに昼寝中のトラを起こさずに部屋の反対側まで行くか、という話なのです。ほら、ネズミさんが風船使ってトラさんを超えるよ、ふーっと息をかけて!とか(コロナなので息を掛けるんじゃなくて手で団扇を

          Remember to Dream, Ebere

          この作品、私の中では去年出版された絵本の中で一押しといってもいいくらい好きです。 作者のシンシア・エリヴォはわたしは聞いたことがなかったのですが、テレビや舞台で有名な女優さんだそうです。日本での状況は知らないのですが、アメリカだと有名人が絵本の書くことはよくあって、その中の何割かは ”たぶんこの人が有名人でなかったら、出版されなかったでしょうね”という感じのクオリティーです。本人が有名ならともかく、政治家の奥さんとか娘さんまで絵本業界に進出してます。(なぜか有名人を家族にも

          How to Be Cooler than Cool

          コロナでストーリータイムが休止されている間に出版されて、これはストーリータイム向けだと思って目をつけておきました。 コロナが収まってきて(というかもうコロナアリでもできるだけ色々元に戻しましょうという社会になってきて)ストーリータイムがはじまって早速2-5歳向けのストーリータイムで読み聞かせしてみましたが、読みやすいし、絵柄もはっきりして可愛く、字も大きくて長さもちょうど良いと、使える絵本でした。子供たちも集中力をとぎらせず、楽しんでくれたみたいです。 私の職場の図書館では