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現実的なくせに、どこか弱虫

2024.2.5 (月曜日)  I'm wimpy


雨の月曜日である。
『雨の月曜日』とかいうと、詩や小説の題材になりそうだが、
私にとっては週の初めなのに鬱陶しいなという感情しかない。
今日の私は過度に現実的である。
時々、過度にロマンチックになるから帳尻合わせとしては丁度いいのかもしれない。
夫はいつも自転車通勤をしているが、雨のせいで徒歩で行くようで、
「あぁ、めんどくさいな」と、夫もまた今日は現実的な様子である。

市川沙央さんの『ハンチバック』を読み終えた。
読み始めて半分くらいで1週間ほど中断した。
長編ではないが、あまりに衝撃的な(あくまでも私にとって)書きっぷりだったので、ちょっとインターバルが欲しかったのだ。

この本を健常者が書いたとしたら、とても今風な内容になっていて笑いながら読めるのだろうが、重度の身体障害者を持つ目線で描かれているので性描写などの部分を読んでいても重苦しくそして生々しい雰囲気が漂っている。
著者である市川沙央さん自身も、筋疾患先天性ミオパチーにより症候性側弯症に罹患されている。それゆえ、どのページのどの言葉をとっても嘘のない現実感がある。
読書感想文として何かを書くことは私にはできそうにない。
それほど衝撃が強くて心にズキズキと刺さってくることばかりだった。
その中でも衝撃的だったのは、

私は紙の本を憎んでいた。
目が見えること、本が持てること、 ページがめくれること、読書姿勢が保てること、 書店へ自由に買いに行けること、ーーーーー
5つの健常性を満たすことを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。
その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。

本文より一部抜粋

私は憎まれていたのだ。
当たり前に本を本屋で買い、持って帰ってページを捲りながら(あるいはコーヒーなどを飲みながら)当然のように本を読む、ページをめくることが当然の権利だと思っていた。
そんな無知な本好きの私は何も気づかず、今まで過ごしていたのだ。
まだ既読でない方は読んでみるといい。
きっと自分の生きる世界が本当は見えていないことに気がつくだろう。
と、言いながらもまだ100%私は理解したわけではない。
読書感想文を仕上げるまでにはもっともっと時間が必要かもしれない。

ハンチバックとは「せむし」という意味がある

今日は一日雨らしい。
濡れたアスファルトに車や人が溢れている。
こんな時も休むことなく動き続けるのが生きることなら、
いいかげん「もういいかな...」と思う。
雨も嫌いではないが、今日はちょっと勘弁な気分。

さて、さて、雨はお好きかな?




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