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メルボルン、クソカフェバイトの末路④終わりの始まり

前回の記事はこちら▽


今年6月、幸いなことに、現在も働き続けている別のカフェでの仕事が決まり、
クソカフェでのシフトを減らせるようになった為、
遂にAと一緒に入るシフトが無くなった。
ついでに店長とも入るシフトも無くなった。

万々歳である

本当は、新しい仕事が決まった時点でキッパリ辞めようかとも思ったのだが、
Aと店長が唯一休みを取る水曜日は、新しく入った日本人のバリスタの子と私だけでホールを回しており、
その日だけならストレスフリーだし続けてもいいかと、
週一勤務で続行することにしたのだった。

店長も、私の代理のスタッフ(オープンクローズを任せられる人)を見つけるのに苦労していたらしく、
是非とも続けてほしいと言ってきた。

私もストレスフリーに稼げるなら言うことないし、
まぁいわばウィンウィンだった訳である。

(とは言いつつ、水曜だけ働いている間も、
監視カメラで逐一行動チェックされてるし、
何か問題が起これば店長に電話で連絡を取らなければならないし、
報告する度に、仮にスタッフに原因がなかったとしても、蔑む様な口調で同じことを延々と言われるのが常だった為、
それだけでも結構なストレスだったのだが…)


そして今年10月、
遂にこのクソカフェを辞めることを決意した

と言っても、元々10月に退職することは決まっていた。
なぜなら、一緒に働いていた日本人のバリスタの子が10月に帰国する為、それ以降はもうこの店では働けない(再びAと働かないといけなくなるから)と事前に店長には伝えており、了承も得ていた(Aのことに関しては再び無視だったが)。
また、新しく始めたカフェが忙しくなってきたら、予定よりも早く辞める可能性もあるとも伝えており、それについても了承を得ていた。

そして実際、9月末にかけて新しく始めたカフェが忙しくなってきた為、
当初の予定より1週間早く辞めたいと、退職希望日の2週間前に店長に伝えたのであった。
(法に則ると、カジュアルという雇用形態は、シフトが不安定な分、逆に退職希望はいつ言っても良いしいつでも辞められる。
し、前述したようにそもそも私雇用契約していない悲)

店長に1度は引き止められはしたが、その後はすんなりと希望を受け入れてくれた。

が、しかし。

事件は退職日の1週間前に起こった


いつもの水曜のシフトを終え、残すところ次週の水曜のみとなった勤務。

翌日木曜の夜、店長から急にメールが入った。

その内容はこうだった。

“新しくさかなの代わりに入れるスタッフが見つかったから、来週はもう来なくていい”


え???????


私は目を疑った。

来週はもう来なくていい、それはつまりは、
退職直前に突きつけられたクビ宣告だった。

確かに、出来る限り早く辞めたいとは言ったし、
こんなクソみたいなカフェ、早く辞められるのならもちろん嬉しい。

だが、その時何が私の心に引っ掛かっていたかと言うと、
常連の仲良くしていたお客さんは愚か、
ホールやキッチンの同僚にすら最後のお別れの挨拶をできていなかった
ことだ。

かろうじて同僚には辞めることは伝えていたものの、ちゃんとした挨拶などできていなかった。
もちろん、最後の日があると思っていたから。

だから私は、店長に交渉した。

同僚や常連さんに最後に挨拶したいから、出来るなら来週まで働きたい、と。

しかし、何度交渉しても、
彼女の答えは断固としてNOだった

もちろん、退職日が早まったことや、私が挨拶ができなかったことに対する同情や謝罪の言葉も無し。
むしろ、
「家も近いんだし、いつでも”私たち”に会いに遊びに来れるじゃん😉❤️
と開き直る始末

Aがいるから、私が遊びになんて行けないこと分かっているのに。

そう、いつも通り、
あくまでフレンドリーな文面の裏にある、有無を言わさぬ威圧的な態度と、黒い感情を、痛いほど感じた。

そして私は悟ったのだ。
これは、交渉の余地無しだと。

そして、もうみんなに会えない悲しみを実感すると同時に、
店長に対する怒りが湧いてきた。

早く辞めさせたいことはもう分かった。
カジュアルという雇用形態だから、正直急にクビを告げられることは珍しくはない。
100歩譲ってそれはよしとする。
でも、せめて、最終日の前日には伝えてくれても良くないか????
それなら心の準備も、みんなへの挨拶もできたのに……
今までありとあらゆる理不尽に耐えながら1年以上も働き続けて来たのに、しかも後半はお前らの休みのために働いてやってたのに、最後の扱いがこれかよ……

と、怒りと、悲しみと、更にはここまで非道になれるものなのかという驚きとで、しばらく愕然としていた。

もうお手上げ、諦めた私は、同僚の日本人のバリスタの子に電話で散々愚痴を聞いてもらい、とにかく発散しまくった。
(彼女は今年3月頃に新しく入ったスタッフだったが、初めて現場の状況を分かち合える存在だった。
本当に彼女には救われた…ありがとうS……涙)

ひとまず話を聞いてもらったことで、悲しみは消えないものの、なんとか状況を飲み込み落ち着くことができた。


するとまた後日、店長と、
今度は最後の給与をどうやって受け渡すかという話になった。

給与は週払いの現金手渡しであった為、
今までは、店長が火曜日に金庫に給与の入った封筒を入れ、水曜に私がそれを取り出すといった受け渡しの方法をとっていた。

今回も私はそれで良かった。
シフトが入っていなくても、店長もAも休みの水曜にお店に寄って取りに行けば、それで済むからだ。
というか、それが良かった。
急にクビにさせられたこともあり、
Aの顔は愚か、もう店長の顔すら見たくなかったからだ。

そしてもちろん、その方法を提案した。
これが私にとっても店長にとっても、いつもと変わらず、一番簡単で、一番摩擦の無いやり方だ。

また、水曜日にカフェに行くことで、一緒に働いていた同僚達にも会える。
直接会って、最後の挨拶をしたかった。

しかし、店長はそこでも断固として譲らなかった
何が何でも、店長が働いている月曜か火曜に取りに来い、と。

なぜそこまで手渡しにこだわるのか分からなかった。

雇用登録もしていないのだし、最後の給与の渡し方なんてなんでもいいはずだ。
直接会わなければならない理由は無い。

それに、大前提として、月曜と火曜は店長だけでなくAも働いている。
私がAともう会いたくないことは知っているのにも関わらず(もはや店長にも会いたくなかったが)、その日をゴリ押ししてくる理由は何なのか。
嫌がらせとしか思えなかった。

同僚達に挨拶をしたいからと伝えても、
むしろ水曜日には絶対に来ないでくれ、と言わんばかりの勢いだった。
理由は全く謎だ。

店長も引かないが、私もこればかりは一歩も引かない


すると、そのとき携帯が鳴った。

電話の相手は、もちろん店長だった

恐る恐る、通話ボタンを押す。


電話口の店長は、驚くほどバチギレていた


つづく

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