見出し画像

質が高いコミュニケーションとは?の話

こんにちは、コンサル転職の中の人、「コン転」です。

現在、事業会社などで勤務されていて、未経験でコンサル業界に行きたい方(就活生含)を主な読者の対象にして、noteを投稿しております。

今回は、質が高いコミュニケーションについてpostさせていただきます。

コンサルティング業界は、限られたリソースのもとでプロジェクトに人をアサインしているため、プロジェクトが回るギリギリの人数でプロジェクトデリバリーが行われることが多いです。

また、他の業界よりもプロジェクトごとでチームメンバーが変わる性質が強い一方で、上司からすると同じスタッフと仕事をした方がやりやすいため、優秀だと思ったスタッフは、同じ上司から継続的に複数のプロジェクトのアサインを打診されるかと思います。

部下としても、優秀だと思ってくれている上司と仕事をした方が評価が上がりやすい・仕事がしやすいため、アサイン打診を快諾することが多いです。

要は、一度上司から優秀だと思ってもらえることがかなり重要ですが、上司が部下に対して優秀さを測る軸として、多くの人が「質の高いコミュニケーションができるか」を据えていると思います。(仕事のやりやすさと同義ですね)

上司に対して優秀と思ってもらえるためにも、
お互いに気持ちよくプロジェクトデリバリーをするためにも、
本noteを通じて、自分は質の高いコミュニケーションができているかを考えてもらえればと思います。
少しでも良いと思ったら、noteやTwitterでシェアいただけますと幸いです。 

質が高いコミュニケーションとは?

 そもそも「質が高い」とは何を指しているのでしょうか?

ここでは、「ブレーキをかけずにプロジェクトを推進できる」ことと定義します。

つまりは、下記2つを本定義によって規定しています。
・プライベートではなく、ビジネスの場に限ったものであること
・人間味のあるウエットなものではなく、ある種無機的なものであること*

*詳しく説明すると、例えば会議が終わった後でプレゼン担当者に「お疲れ様でした!」というようなものではなく、プロジェクトを円滑に進めるために必要なコミュニケーションのことを指しています。

レベル別のコミュニケーション例

質が高いコミュニケーションとは、プロジェクトを円滑に進めることができるコミュニケーションを指しますが、
次に、レベル別のコミュニケーション例を記載するので、どこを改善すべきかをそれぞれで考えてみましょう。

前提

・「プロジェクトの提案で使う目的で、ペットフードの市場規模や主力企業について今日明日中にまとめておいて」と朝9:00-9:30のコールで上司から言われた
・自分は朝9時から夜の20時くらいまで働ける
・上司は忙しいが、昼の13-14時のカレンダーは空いていた
・お互いリモートで作業している
・「アウトプットは今日20時の時点のもので良いから、チャットで送って。明日の9時からまた話そう」と昼14:00に上司から言われる 

質が低いコミュニケーション

[9:00-9:30のコール]
①聞いた内容自体は理解できたので、コールの時点では何も追加の質問等はしない

[作業中]
①市場規模ってデスクトップリサーチだと検索できないことがわかったが、それは20時に上司に伝えれば良いやと思って、主力企業の方を調べる。
②「ペットフード 企業」とグーグル検索して、上位に出てきたものをポツポツとエクセルにまとめる

[アウトプットの報告]
(以下、報告文を記載)
○○さん
お疲れ様です。××です。
 
本日のアウトプットをエクセルで添付します。
市場規模については、デスクトップリサーチで検索しても見つけることができませんでした。
 
明日の9時からの会議はよろしくお願いいたします。
 
××

質が低いコミュニケーション:改善点

・9:00-9:30のコールをした時には、頭をフル回転させて、自分が作業する際に問題になりそうなことを先に聞いておく(これは慣れの問題)
・9:00-9:30のコールをした時には、その日のアウトプットをどうやって共有するかを握っておく。(または、途中で会議を設定し、その時にアウトプット共有方法について確認する)
・上司からすれば、どのような軸で主力企業を洗い出したかが気になるはずなので、例えば売上高が高い順でまとめるなど、洗い出した基準を明確にしておく
・報告文では、上司視点では、「本日のアウトプット」と言われてもわからないことがあるので、上司からお願いされていたことを明記する
・報告文では、上司にしてほしいアクションを必ず記載する(エクセルのこの部分を確認いただきたい、共有なので○○さんのアクション等は必要ございません、など)
・デスクトップリサーチで見つからなかった場合は、他にどのような手法であれば探してこれそうかを考えて記載する(海外レポートから持ってくれば見つけられそう、ペット関連市場も含めた数字であれば持って来れそう、ペットフードではなくペット関連消耗品市場であれば持って来れそう、など)

質が中程度のコミュニケーション

[9:00-9:30のコール]
①聞いた内容自体は理解できたので、コールの時点では何も追加の質問等はしない
②「1回調べてみるので、13:00-13:30でもう一度コールさせていただけませんか?」とだけ言う

[作業中]
①調べてみて、「市場規模は単年のみか?」「主力企業はどういう軸で持ってくれば良いのか?」などの疑問が生じる。Wordでリサーチしたことをまとめる。
②13:00-13:30のコールで上記を聞いて、解決。エクセルでまとめれば良いと言われる。
③市場規模については、デスクトップリサーチではわからなかったので、海外レポートがないかみておく。海外レポートだと15万円くらいかかってしまうが、とりあえずは日本市場のものは見つかりそうだと安心する。
④主力企業についてはspeedaなどを使いながら、売上高が高い順にリサーチをする。Wordにまとめたものをエクセルに転記しながら、今日リサーチしたものをエクセルにまとめる

[アウトプットの報告]
(以下、報告文を記載)
○○さん
お疲れ様です。××です。
 
本日のアウトプットをエクセルで添付します。
内容面で問題ないかを確認いただきたいです。
 
市場規模については、デスクトップリサーチで検索しても見つけることができませんでした。一方、海外のXX社が出している市場レポートを使えば、見つけられそうです。
(市場レポートのURL)
 
明日の9時からの会議はよろしくお願いいたします。
 
××

質が中程度のコミュニケーション:改善点

・9:00-9:30のコールをした時には、頭をフル回転させて、自分が作業する際に問題になりそうなことを先に聞いておく(これは慣れの問題)
・上司とコミュニケーションするときは、「主力企業はどういう軸で持ってくれば良いのか?」などと聞くのではなく、自分の中で答えを持った上で「XXという軸で持ってくれば良いと思っているが、それで良いか?」などと聞く
・報告文では、上司視点では、「本日のアウトプット」と言われてもわからないことがあるので、上司からお願いされていたことを明記する
・報告文では、具体的に何を確認してほしいかを明確にする。内容面で問題ないかと言われても、何が問題になりそうか?が上司視点では全くわからない。したがって、例えば「主力企業は売上高の順で記載しているが、speedaではペットフード含めたペット事業のセグメントの売上高順でしか載っていない。クライアントへの提案上、これで問題ないかを確認いただきたい」などと明記する
・海外レポートについて、上司にしてほしいことをネクストアクションとして記載する。海外レポートの入手については、プロジェクトの予算などやいつ入手できるかでそれを入手すべきかが変わるので、事前にそれを調べた上で共有して、買っても良いかまでを聞く

質が高いコミュニケーション

[9:00-9:30のコール]
①クライアントは誰かを聞く
②クライアントに何を提案しようとしているのかを聞く
③まとめる際はエクセルで良いか、かつパワポ化するときには市場規模→1枚、主力企業→1枚/企業数で2-3企業分になる想定かを確認する
④市場規模は日本で良いのか、市場規模は複数年度でなくて良いのか、他のペット関連市場の市場規模も必要ではないのかなどを確認する
⑤市場規模・主力企業以外で必要な情報(例えば、主力企業がどのような商品で儲かっているのか、今度の市場規模はどうか、ペットフードビジネスの成功の要諦は何か)はないかを聞く
⑥スケルトンレベルでパワポを作っていれば共有してほしいと言う
⑦「一度調べてみるが、追加の質問事項があった時のために、13:00-13:30でもう一度コールをさせてほしい。必要なさそうであれば12:30までにリリースの旨をお伝えする」と言う

[作業中]
①共有いただいた資料を見ながら、リサーチしたことをエクセルでまとめる。
②市場規模については、デスクトップリサーチではわからなかったので、海外レポートがないかみておく。海外レポートだと15万円くらいかかってしまうが、とりあえずは日本市場のものは見つかりそうだと安心する。海外レポートの制作会社に英語で購入したらいつまでにレポートを入手できるかをメールする。
③主力企業についてはspeedaなどを使いながら、売上高が高い順にリサーチをする。だがspeedaには、ペットフード市場ではなく、ペット事業のセグメントの売上高しか記載されていない。一応ペット事業のセグメントの売上高の上位30社のエクセルを出力しておく。
④3:00-13:30のコールで「プロジェクトの予算には余裕があるので、あとは購入してその日中にレポートが届くのであれば購入したい」「売上高上位30社の中で上位からペットフード事業をやっている企業の売上を5社程度リサーチしてほしい」と言われる。
⑤リサーチを続ける。海外レポートの制作会社から「購入後12時間以内でレポートをメールアドレス宛に送付する」と言われたので、明日朝9時までにレポートが届くように購入しておく。主力企業については、ペットフード事業の売上高がわからないところも含めて5社程度リサーチできた。調べてみると、この領域はスタートアップ的な企業が複数あり、かなり伸びていそうなので、これらの企業についてパワポ化する必要はないのか?を明日聞くように準備しておく。

[アウトプットの報告]
(以下、報告文を記載)
○○さん
お疲れ様です。××です。
 
本日、「AA社の提案のためにペットフード事業の市場規模と主力企業を今日明日中程度でリサーチしてほしい」と言われており、その本日版のアウトプットを添付いたします。(リサーチとしては、80%程度は終了しております)
特に、主力企業についてパワポ化するときに不足している情報がないかをご確認いただければと思います。自分としては、企業名、売上高、簡単な事業内容、想定ターゲットのみで良いかと考えていますが、他に必要な情報等がありそうでしたが、明日の会議の際にお申し付けいただけますと幸いです。
 
また、13時からのコールでは、speedaで出力されたエクセルの上位30社の中でペットフード事業をやっている企業とその売上高を5社分程度リサーチするということで、リサーチしました。一方、調べてみるとspeedaでは記載されていないものの、海外発のもので日本に支社がない企業(例えば、aa社・bb社)の日本売上高がかなり多いそうです。今回の提案がXXという目的であるならばリサーチした方が良いため、本日時点ではリサーチできておりませんが、これらの企業について明日リサーチいたします。こちらの相談も明日の会議でさせていただければと思います。
 
さらに、一応の共有となってしまいますが、
海外レポートについては、購入後12時間以内に届くそうなので、私の方で購入いたしました。明日朝9時の会議までには届くのではないかと思います。
 
それでは、明日の会議ではよろしくお願いいたします。
 
×× 

質が高いコミュニケーション:改善点

・特になし

レベル別のコミュニケーション-まとめ

 いかがだったでしょうか?
コミュニケーションの違いによって、業務の速度にかなり違いが出るということがわかりましたか?
質が低いコミュニケーションでは、明日の会議では「主力企業の抽出軸はどうなっているのか?」「レポートがないなら、どうすれば良いと思うのか?」が上司から聞かれるのは間違い無いですよね。一方、質が高いコミュニケーションでは、上司と合意した適切な抽出軸での主力企業のリストアップと海外レポートの取得まで終わっていますよね。

コミュニケーションについてはソフトスキルであり、周りから指摘されにくいスキルであるため、自分の現在のコミュニケーションの質が低いと認識しない限りは、永遠に改善されることがありません。

常に、質が高いコミュニケーションを目指しましょう。

まとめ

 今回は、質が高いコミュニケーションについて話しました!

質が高いコミュニケーションとは、認識の齟齬などでプロジェクトの推進スピードにブレーキをかけてしまうということがないコミュニケーションです。
もちろん、コンサル業界では重視される能力ですが、他の業界であっても必要な能力であることは言うまでもありません。

面白いと思った方は、noteやTwitterなどでシェアしてください!

それでは! 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?