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「はじめからなかったこと」と同義にしたくない日々のこと

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なまものの自分と向き合う時間をつくるための日記
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#コラム

「都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ」

「都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ」

渋谷と新宿。2つの街で繰り広げられる物語を満たすのは、ステレオタイプの“都会の孤独”だ。

最果タヒの詩集を原作にした映画『夜空はいつでも最高密度の青色だ』を観た。

ガールズバー、日雇いバイト、工場でつくるお弁当、人身事故、死の影、歌えないカラオケ。

正直、こういう都会の描かれ方はちょっと飽きた。けどやっぱりこれが東京だ、とも思う。

都会を好きになった瞬間、自殺したようなものだよ。

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ホーチミンの4枚の短冊のこと

ホーチミンの4枚の短冊のこと

ホーチミンで七夕を迎えた。2年前のことだ。

ベトナム人向けの日本語学校をつくるためにホーチミンに移住し、ようやく開校にこぎつけた頃。私が日本語教師として最初に担当したのは、20〜23歳の女の子たった4人のクラスだった。

7月7日、日本語に少しずつ慣れてきた彼女たちに「七夕」という行事を紹介し、日本語で短冊を書いてみようと提案した。

彼女たちはいつも「日本人の彼氏がほしい」とか「お金がほしい」

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