マガジンのカバー画像

小説「カイゴはツライ?」

26
職安の職業訓練で介護ヘルパー1級を取得し、老人ホームで働き始めたユリの介護体験記録である。ユニット型の特養から従来型の特養への異動、ホームヘルパー兼ケアマネジャーへの転職。保険者…
運営しているクリエイター

2020年10月の記事一覧

カイゴはツライ?第22話~介護福祉士国家試験に挑戦その2

介護福祉士国家試験当日、ユリは職場の仲間たちと試験会場に向かった。コンサートなどにも使う…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第21話~介護福祉士国家試験に挑戦その1

ユリが介護施設に就職して3年が経過しようとしていた。介護現場で3年働けば介護福祉士国家試験…

myoumyou
3年前
2

カイゴはツライ?第20話~入居者の死亡は通常の出来事として忘れ去られていく

越山さんの死亡は嘱託医によって病死とされ、高齢で寝たきり、意思疎通もできない状態であった…

myoumyou
3年前
1

カイゴはツライ?第19話~とうとう入居者が亡くなる

ユリが遅番で出勤すると、管理室でユニットリーダーの松岡さんが他のユニットのリーダーである…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第18話~我が世の春を謳歌する狼藉甚だしい介護職員

内藤さんのひどい仕事ぶりは当然介護部長や施設長の耳にまで届いていたが、多少の注意を受ける…

myoumyou
3年前
1

カイゴはツライ?第17話~生活能力ゼロの30代女性介護士

 最初のうち、職員間での内藤さんの評判はすこぶるよかった。委員会などでのあいさつも、ユー…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第16話~即戦力となる期待の新職員だが…

介護業界は離職率が他の業種に比べ、非常に高かったが、ユリの勤務する施設でも退職者は多かった。何人もの職員が短期間に相次いで辞めていくのである。ユニットケアは、少ない人数で馴染みの関係を作ることによって、利用者が家庭的な雰囲気のなかで、よい介護を受けられるというのが、セールスポイントなのだが、職員の離職による頻繁な持ち場の異動をみていると、かえって少人数であることがデメリットになっているような気がしてならなかった。ユリの担当するユニットも、影響を受けざるをえない。3年近く担当し

カイゴはツライ?第15話~あつあつごはんに苦情がくる

もめにもめた各ユニットでのごはん炊きは、ひとつのフロアで共同で炊くということに落ち着いた…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第14話~逃げ口上もここまでくると…

各ユニットでごはんを炊くべきか否か、もはや職員間を二分する大騒動となっていた。施設長と介…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第13話~ごはんを炊くのはいいけれど…

ユニットケアは、少人数ならではのよさもあるが、少人数ゆえの大変さ不便さもある。これは当然…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第12話~勉強ってやっぱり大事!

採用から1年が経ち、仕事に慣れたせいか、日々の業務がラクに感じられるようになってきた。ユ…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第11話~家庭的ケアと放漫介護

「家庭的なケア」といいながら、各担当職員が自分のやり方で好きなように高齢者の世話をしてい…

myoumyou
3年前

カイゴはツライ?第10話~すっかりベテラン気分

ユリはいつしか深田さんとは距離を置くようになった。というより無視するようになったというの…

myoumyou
3年前
2

カイゴはツライ?第9話~人当たりもよく、優しい介護者ではあるのだが…

深田さんの仕事ぶりは変わらなかったが、夜勤や遅番、早番にも入るようになった。遅番は夜8時までだが、深田さんは9時近くまで残っているとのことだ。早番は朝7時からだが、元々7時に来たのでは間に合わず、どの職員も6時半には職場に入っている。深田さんは6時には来ているそうだ。ユニットケアの悪い点は、担当ユニットのことは原則、そのユニットの職員がすることとなっているため、他のユニットの職員が手伝うことはまずないということだ。そうはいっても、夜勤は3ユニットを2人でみるのだから、他のユニ